報道発表資料

平成19年10月4日
大気環境
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皇居におけるクールアイランド効果の観測結果について

 都内有数の都市内緑地である皇居のクールアイランド効果について検証するため、昨年に引き続き皇居内での気温観測を行いました。その結果、皇居内の8月の気温は周辺市街地より平均で1.8℃低く、また周辺市街地に向かって、昼間は風による冷気の移流、夜間は冷気のにじみ出しがそれぞれ観測されました。このことにより、皇居はヒートアイランド現象の顕著な都市の中心部にあって、明瞭なクールアイランドとなっていることが示されるとともに、周辺市街地の気温の低下にも寄与していることが分かりました。   なお、観測の実施及び結果の解析にあたっては、首都大学東京大学院三上岳彦教授の研究チームに御協力いただきました。また、今回の皇居内における観測は、宮内庁の特別な許可を得て実施しています。

1.観測の目的

都内有数の都市内緑地である皇居は、都心部の高温化(ヒートアイランド)を緩和するクールアイランドとして、都市におけるヒートアイランド対策の観点からも存在価値が極めて高いと考えられます。そこで、皇居内で気温の連続観測を行うとともに、皇居周辺街区への冷気の移流及びにじみ出し効果についても観測し、皇居緑地のクールアイランド効果を定量的に把握することで、その結果を都市の熱環境改善政策に有効活用することを目的としています。

2.結果の概要

(1)皇居内の気温の連続観測
<夏季の平均気温>
 皇居内と周辺市街地の平成19年8月における1日間の平均気温の変化を図1に示します。皇居内は周辺市街地と比較して、1日を通して気温が1.4℃〜2.2℃低いことが分かりました。なお、8月中、最大では4.1℃の気温差が観測された時間帯もありました。
 また、8月の平均気温は、皇居内の28.0℃に対して、周辺市街地では29.8℃でした。昨年8月との比較では、今年が猛暑であったにもかかわらず、皇居内外の平均気温差は1.8℃であり、昨年(2.0℃)とほぼ同程度でした。
<熱帯夜日数、30℃を超えた時間数>
 真夏日の基準である30℃を超えた時間数を皇居内と周辺市街地で比較すると、8月中、周辺市街地では337時間であったのに対して、皇居内では205時間と約3/5でした(図2)。最高気温が35℃以上の猛暑日は、周辺市街地では8日でしたが、皇居内では2日でした。
 また、1日の夜間の気温が25℃を下回らない熱帯夜の日数を比較すると、周辺市街地では、24日であったのに比べて皇居内では19日でした(図3)。
(2)皇居周辺街区への冷気の移流及びにじみ出し効果
 皇居内から周辺市街地に西側と北側の2測線を設定し、7月31日から7日間、気温と風向風速の連続観測を行いました。その結果、日中には、風下(北側)に向かって皇居外縁部から凹地形のお濠を越えて、さらに350m程度まで気温の低下が観測され、風による冷気の移流があることが分かりました(図4)。また、風が穏やかだった8月6日の夜間(0時〜4時)には、皇居外縁部から凹地形のお濠を越えて、さらに250m程度まで気温の低下が観測され、西側市街地に冷気がにじみ出していることが確認されました(図5)。なお、冷気のにじみ出しは、晴天で風が穏やかな夜間に現れます。
 これらの結果から、皇居はヒートアイランド現象の顕著な都市の中心部にあって、明瞭なクールアイランドとなっていることが示されるとともに、周辺市街地の気温の低下にも寄与していることが分かりました。環境省では、平成17年度には新宿御苑のクールアイランド効果を観測しており、都市内緑地がヒートアイランド対策に有効であると認識しております。

データ提供:首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 三上研究室

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室
室長 志々目友博(内線6540)
 担当 青竹、神鳥、村橋(内線6578)

関連情報

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