報道発表資料

平成19年8月31日
地球環境
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平成18年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について

 環境省は、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和63年法第53号)」の規定に基づき、平成18年度における、[1]オゾン層の状況、[2]オゾン層破壊物質等の大気中濃度、[3]太陽紫外線の状況の監視結果を取りまとめました。

(ポイント)
  • 地球全体のオゾン全量は、1990年代前半以降、現在も減少した状態が続いている。
  • 2006年に南極域上空で形成されたオゾンホールの面積は、2000年に次ぐ観測史上2番目の広さであり、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にある。
  • 数値モデル予測によると、結果に幅があるものの、多数のモデルでは、今世紀中頃にはオゾン全量が1980年以前の状態まで回復すると予測されている。
  • 北半球中緯度域のフロンの大気中濃度は、CFC類が横ばい又は減少している一方で、HCFC類は急速に増加している。また、オゾン層は破壊しないが強力な温室効果ガスであるHFC-134aは、毎年10%前後の増加率で特に急速に増加している。

1.背景

 環境省は、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和63年法第53号)」(以下「オゾン層保護法」という。)第22条第2項の規定に基づき、毎年度、オゾン層の破壊の状況、特定物質(オゾン層保護法に基づき生産等が規制されているフロン等のこと。以下同じ。)の大気中濃度、太陽紫外線の状況の監視結果を取りまとめて公表している。
 今般、監視結果の取りまとめを依頼した「成層圏オゾン層保護に関する検討会」科学分科会(座長:富永健 東京大学名誉教授)及び環境影響分科会(座長:小野雅司 国立環境研究所環境健康研究領域総合影響評価研究室長)(別紙1)による平成18年度(2006年度)の報告書が完成したので、その概要を公表するものである。

2.監視結果の概要

(1)オゾン層の状況
 地球全体のオゾン全量は、1980年代から1990年代前半にかけて大きく減少しており、現在も減少した状態が続いている。日本上空では、主に1980年代に明瞭な減少傾向、1990年代後半以降にやや微増傾向が見られる。(図1参照)
 南極域上空では、1980年代から1990年代にかけてオゾンホールの規模が拡大し、その後もほぼ毎年大規模に形成されている。2006年のオゾンホールの面積は2,929万km2であり、2000年に次ぐ過去第2位の広さであった。現時点でオゾンホールに縮小する兆しがあるとは判断できず、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にある。(図2参照)
 モントリオール議定書の科学評価パネル報告書に報告されている数値モデル予測によると、結果には幅があるものの、多数のモデルでは、今世紀中頃にはオゾン全量が1980年以前の状態まで回復すると予測されている。
(2)オゾン層破壊物質等の大気中濃度の状況
 北半球中緯度域では、オゾン層破壊物質のうち、CFC-12(冷蔵機器や空調機器の冷媒、断熱材の発泡剤等に使用)の大気中濃度は、1990年代後半以降ほぼ横ばいであり、CFC-11(断熱材の発泡剤等に使用)、CFC-113(洗浄剤等に使用)等の大気中濃度は減少している。一方、CFCの代替物質であるHCFC-22(冷蔵機器や空調機器の冷媒等に使用)、HCFC-141b(断熱材の発泡剤等に使用)及びHCFC-142b(断熱材の発泡剤等に使用)の大気中濃度は急速に増加している。また、CFC及びHCFCの代替物質であり、強力な温室効果ガスであるHFC-134a(冷蔵機器や空調機器の冷媒等に使用)の大気中濃度は毎年10%前後の増加率で特に急速に増加している。(図3〜5参照)
 日本の都市域で測定したCFC-11、CFC-12、CFC-113等の大気中濃度は、次第に変動幅が小さくなり、バックグラウンド地域における大気中濃度とほとんど変わらなくなってきている。これは、我が国における生産量等の削減及び排出抑制等が反映された効果と考えられる。
 現在のオゾン層破壊物質の大気中濃度は、南極域でオゾンホールが観測され始めた1980年頃に比べてかなり高い状況にあるため、成層圏オゾン層の状況を改善するためには、これらの物質の濃度を更に低下させることが必要である。
(3)太陽紫外線の状況
 成層圏オゾン層の破壊により有害な紫外線(UV-B)の地上への照射量が増大すると、皮膚がんや白内障の増加、免疫抑制など、人の健康に影響を与えるほか、陸域生態系・水圏生態系に悪影響を及ぼすことが懸念される。
 日本国内の紫外線観測地点(那覇市・つくば市・札幌市)における紫外線量は、1990年代初めから増加傾向にある。この傾向は、上空のオゾン量の変動に関連するものではなく、雲量の減少など気象の変化や、エアロゾル量(空気中の様々な微粒子)の減少によるものと考えられる。
 また、南極昭和基地では、10〜11月にオゾンホールが大規模に発達し、オゾン全量が少なかったため、紫外線量が非常に多くなった。

3.広報用パンフレット「オゾン層ってどうなってるの?」の作成

 オゾン層破壊の状況やその対策を国民に広く周知するため、9月中に本報告書の内容を分かりやすく解説したパンフレットを作成し、配布する(環境省において広報資料として利用、都道府県を通じて関係各方面に配布。)とともに、環境省ホームページに掲載する予定である。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課フロン等対策推進室
直通:03-5521-8329
 室長:深見 正仁(内6750)
 補佐:井上 貴志(内6751)
 担当:吉崎 仁志(内6753)

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