報道発表資料

平成17年6月29日
大気環境
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平成16年度航空機騒音に関する評価方法検討業務報告書について

環境省は、成田国際空港の暫定平行滑走路の供用後に実施された騒音測定の結果に見られる評価値(W値)の不確かさを改善するため、(社)日本騒音制御工学会が平成16年度に組織した「航空機騒音に関する評価方法検討委員会」(委員長:橘秀樹 千葉工業大学教授)に調査・検討を依頼しました。検討結果の骨子は以下の通りです。
  • 成田国際空港周辺の多くの常時監視局において逆転現象が確認されました。
    *逆転現象
    2本の滑走路が存在するとき、2本の滑走路に離着陸する航空機全てを対象とした評価値が、どちらか1本の滑走路に離着陸する航空機のみを対象とした評価値よりも低くなる現象
  • 逆転の程度は、39の監視局(全102局)において週別評価値で最大0.1〜0.5dBでした。
  • 成田国際空港周辺で確認された逆転は、ICAOの定義式を簡略化して環境基準の評価式を定める際に生じる誤差であることがわかりました。
  • 本検討委員会ではICAOの定義式を尊重した6つの修正案が提示され、そのうち4つの案により数値上の逆転を解消できることがわかりました。

今後の課題
 本年度は、一層根本的にエネルギーベースでの評価も含め、引き続き対応方策の検討を行うこととします。また本報告書によって提案された修正案を採用した場合の論点の整理、空港周辺への影響、及び現行評価との整合性等について検討を行う予定です。

1.経緯

 成田国際空港周辺には、航空機騒音の実態を把握するために102局の航空機騒音常時監視局が設置されており、その測定結果は(財)成田空港周辺地域共生財団が一括して管理しています。平成14年4月の暫定平行滑走路供用後、航空機の発着回数が増加したにもかかわらず環境基準の評価値(W値)が減少する場合があることが測定結果から確認されており、現在の評価方式が地域住民の実感にそぐわないという指摘がされています。
 環境省は、こうした指摘を受けまして問題解決のための検討を(社)日本騒音制御工学会に委託し、同学会において平成16年度に学識経験者等からなる航空機騒音に関する評価方法検討委員会を設置しました。検討委員会では、成田国際空港周辺の航空機騒音の実態を把握するとともに、こうした問題が生じる原因を明らかにし、その改善方法についての検討が行われました。
 このたび、その検討結果が別添のように報告されましたので、環境省はその検討結果を「平成16年度航空機騒音に関する評価方法検討業務報告書」として公表します。

2.内容

(1)
我が国の航空機騒音問題へのこれまでの取り組みと、WECPNLを採用した経緯についてとりまとめました。  
  • 諸外国における航空機騒音の評価方法
  • 航空機騒音に係る環境基準におけるWECPNL採用の経緯
  • 国際民間航空機関(ICAO)のWECPNLと我が国のWECPNLの関係 等
(2)
暫定平行滑走路供用後におけるWECPNL評価による問題点について、成田国際空港周辺の実態把握を行いました。
 実態把握の結果、逆転や乖離は、ICAOの定義式を近似して現行の評価式を導出する際に、「騒音レベルのパワー平均が時間帯によらず同じ」という近似が暫定平行滑走路供用後の成田国際空港では成立しないために起こる現象であることがわかりました。
*乖離:
2本の滑走路が存在するとき、2本の滑走路に離着陸する航空機全てを対象とした評価値が、それぞれの滑走路に離着陸する航空機を対象とした評価値のパワー合成値と異なる現象。
(3)
逆転・乖離を解消するために複数の修正案を検討し、成田国際空港での実測値を用いて修正案の有用性を検証しました。

3.今後の課題

 本年度は、対応策の一つとして、環境基準の評価方法を現行のW値から、国際的に導入されているエネルギーベースでの評価(累積騒音曝露値:LAeq等)に見直すという抜本的な対策の可能性について検討します。また、今回の修正案を採用した場合の論点の整理、空港周辺への影響、及び現行評価との整合性等について検討を行う予定です。



大気環境・自動車対策(環境管理局)報告書
平成16年度 航空機騒音に関する評価方法検討業務報告書

添付資料

連絡先
環境省環境管理局大気環境課大気生活環境室
室長 瀬川 俊郎(内線6540)
 補佐 藤本 正典(内線6543)
 担当 齋藤、迫越(内線6546)

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