報道発表資料

平成10年9月29日 この記事を印刷

自然環境保全審議会野生生物部会の答申等について

自然環境保全審議会野生生物部会が9月30日(水)午後1時30分から開催され、環境庁長官より諮問された以下の2つの案件について審議される。
  ○生息地等保護区等の指定について
  (絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく諮問)
  ○国設鳥獣保護区の区域の拡大及び特別保護地区の指定について
  (鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づく諮問)
 また、ラムサール条約への登録のための新たな湿地の指定についても報告される。
 なお、諮問案件については、当日答申がなされる予定である。

1.生息地等保護区等の指定について(諮問)

 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下、「種の保存法」という)に基づき、兵庫県城崎郡日高町において、国内希少野生動植物種であるアベサンショウウオの生息地保護区等を指定する。
 ※種の保存法に基づく生息地等保護区は、これまで6ヶ所が指定されており、本件は7ヶ所目となる。

2.国設鳥獣保護区特別保護地区の指定等について(諮問)

 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づき、既設の国設鳥獣保護区5地区(釧路湿原、白山、浜甲子園、霧島、仲の神島)について、鳥獣保護区の区域の拡大、特別保護地区の指定等を行う。
 ※今回の指定等により、国設鳥獣保護区は54ヶ所(493,340ha)、同特別保護地区は42ヶ所(112,492ha)となる。

3.ラムサール条約への登録のための新たな湿地の指定について(報告)

 ラムサール条約に基づき、新たに漫湖(沖縄県)についてラムサール条約への登録のための湿地の指定を行う。
 ※今回の新規指定により、国内のラムサール条約登録湿地は11ヶ所となる。

案件1

大岡アベサンショウウオ生息地保護区等の指定案の概要

名 称 大岡アベサンショウウオ生息地保護区(同管理地区)
所在地 兵庫県城崎郡日高町
面 積 ・生息地保護区:3.1ha
・うち管理地区:3.1ha(全域)
予定地の
概要
当該地は、兵庫県北部の大岡山(標高663.6m)の東南斜面に位置しヤブツバキ、アラカシ等の常緑広葉樹、ヒノキ、スギや竹林の混交する森林となっている。一部ブナ等の落葉広葉樹もみられる。
保護に関
する指針
(概要)
・当該地域に生息するアベサンショウウオは、水路等を産卵及び幼生の生息の場所とし、うっ閉した森林の湿潤な林床を成体の生息場所としていることから、水質、底質等の保全、水量の安定的な供給及び森林植生の維持が必要。
・水面の埋立、水量の変更、工作物の設置等の各種行為は、生息環境に影響を及ぼすことのないよう配慮する必要がある。

【参考】
※アベサンショウウオの概要
 学  名:ヒュノビウス アベイ
 形態等:全長8〜12cm。背面は暗褐色、腹面は淡褐色で青白色の小点を密布する。尾は著しく側扁し、卵嚢表面に多数の明瞭な縦すじをもつのが特徴。11月か12月にかけて積雪の前に、水底の落ち葉の間や泥の中で繁殖を行う。
 生息状況:兵庫県の但馬地方、京都府の丹後半島の一部に生息し、最近、福井県でも発見された。分布域が限られている上、低い丘陵地に生息するため、開発等の影響を受けやすい。

※絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づく指定等
 平成7年4月1日、国内希少野生動植物種に指定。
 平成8年6月18日、保護増殖事業計画を策定し、事業を実施中。

※既に指定されている生息地等保護区(6ヶ所)

はんだ ・羽田ミヤコタナゴ生息地保護区(栃木県大田原市) 平成6年12月26日指定
  ・北岳キタダケソウ生育地保護区(山梨県中巨摩郡芦安村) 平成6年12月26日指定
やまさこ ・山迫ハナシノブ生育地保護区(熊本県阿蘇郡高森町) 平成8年6月3日指定
     
きたおばさま ・北伯母様ハナシノブ生育地保護区(熊本県阿蘇郡高森町) 平成8年6月3日指定
     
いむたいけ ・藺牟田池ベッコウトンボ生息地保護区(鹿児島県薩摩郡祁答院町) 平成8年6月3日指定
     
うえぐすくだけ ・宇江城岳キクザトサワヘビ生息地保護区(沖縄県島尻郡仲里村及び具志川村) 平成10年6月15日指定
     

 国設鳥獣保護区の区域の拡大及び特別保護地区の指定の概要

1.案 件

  1. 釧路湿原鳥獣保護区の区域の拡大及び同釧路湿原特別保護地区の指定                         (期間満了に伴う再指定)
  2. 白山鳥獣保護区の区域の拡大
  3. 浜甲子園鳥獣保護区浜甲子園特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)
  4. 霧島鳥獣保護区霧島特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)
  5. 仲の神島鳥獣保護区仲の神島特別保護地区の指定(期間満了に伴う再指定)

2.設定等の計画の概要


鳥獣保護区
(特別保護地区)
所  在  地 設定区分 設 定 ・
指 定 等
の 区 分
釧路湿原
(釧路湿原)
北海道阿寒郡鶴居村、
釧路郡釧路町、
川上郡標茶町
特定鳥獣生息地
(タンチョウ)
保護区拡大、特保再指定
白山 石川県金沢市、石川郡川
内村、白峰村、吉野谷村
及び尾口村、岐阜県大野
郡白川村
(今回は石川県のみ拡大)
大規模生息地 保護区の拡大
浜甲子園
(浜甲子園)
兵庫県西宮市 集団渡来地
(シギ・チドリ類)
特別保護地区の再指定
霧島
(霧島)
宮崎県都城市、小林市、
えびの市並びに西諸県郡
高原町、鹿児島県姶良郡
霧島町及び牧園町
大規模生息地 特別保護地区の再指定
仲の神島
(仲の神島)
沖縄県八重山郡竹富町 集団繁殖地
(海鳥類)
特別保護地区の再指定
所在地欄の市町村は、今回案件に係る市町村名。
  面積欄の線は、今回案件に係る設定等の面積。

 ・仲の神島特別保護地区の存続期間
  :平成10年11月1日から平成30年10月31日まで
 ・前述以外の鳥獣保護区及び特別保護地区の存続期間
  :平成10年11月1日から平成20年10月31日まで(10年間)

3.国設鳥獣保護区の区域の拡大及び同特別保護地区の指定の概要

(1) 釧路湿原鳥獣保護区(当初設定:昭和33年11月 1日)
同釧路湿原特別保護地区(当初指定:昭和54年 3月31日)
 当該地域は、釧路湿原国立公園に指定されているほか、区域の中心部分は、ラムサール条約登録湿地に指定されている。広大な湿地や湖沼を有し、タンチョウやオオジシギ、カモ類などの水鳥類の繁殖地や渡来地となっている。
 今般、当該地域の南東部に位置する達古武湖周辺地域など 636haの区域を拡大する。また、同特別保護地区については、達古武湖などを新たに加え、 6,962haを改めて指定する。
(2) 白山鳥獣保護区(当初設定:昭和44年 3月31日)
 当該地域は、ブナ、ミズナラなどの広葉樹の天然林がみられる山岳地域であり、白山国立公園に指定され、森林性の鳥獣の良好な生息地となっている。
 今般、多様な植生が見られ、イヌワシ、クマタカなどの猛禽類やツキノワグマ、ニホンカモシカなどの多様な動物の生息する犀川上流部2,149haの区域を拡大する。
(3) 浜甲子園鳥獣保護区浜甲子園特別保護地区(当初指定:昭和53年11月 1日)当該地域は、西宮市地先に位置する鳴尾川河口西部に残存する干潟を含む水面の区域であり、環境庁の所管地である。シギ・チドリ類の春秋の渡りの中継地、カモ類の越冬地となっており、今般鳥獣保護区特別保護地区12haを改めて指定する。
(4) 霧島鳥獣保護区霧島特別保護地区(当初指定:昭和53年11月 1日)
 当該地域は、暖帯から温帯にかけての森林が垂直に分布する原始性の高い自然環境が形成されている。植生は変化に富み、シカやノウサギなどの哺乳類の良好な生息地となっている。また、南方から渡る夏鳥や北方から渡る冬鳥など約 130種の鳥類が観察されている。今般、鳥獣保護区特別保護地区1,884haを改めて指定する。
(5) 仲の神島鳥獣保護区仲の神島特別保護地区(当初指定:昭和56年 3月31日)
 当該地域は、西表島の西南約16kmの海上に位置する無人島である。地質は、第3紀層の砂岩からなり、奇岩が屹立している。セグロアジサシ、クロアジサシ、カツオドリ等の海鳥の繁殖地となっており、今般、鳥獣保護区特別保護地区18haを改めて指定する。
報 告

 ラムサール条約への登録のための新たな湿地の指定(漫湖)の概要

1.指定・登録予定地の名称 漫湖
2.所  在  地 沖縄県那覇市及び島尻郡豊見城村
3.指定・登録予定地の面積 58.0ha全域が公有水面(干潟面積47.0ha)となっている。
4.法令による規制 指定・登録予定地の全域が、国設鳥獣保護区特別保護地区となっている。
国設鳥獣保護区(予定地を含む250.0ha)の存続期間平成9年10月31日から平成19年10月31日まで(当初設定は昭和52年11月1日)。
 同特別保護地区の存続期間平成9年11月1日から平成19年10月31日まで(当初指定)。
5.湿地のタイプ 河口干潟
6.概要  
7.今後の手続き
(1) 地形・植生
 漫湖は、沖縄本島南部の那覇市及び島尻郡豊見城村の市街地の中を流れる国場川と 饒波川の合流点に形成された河口湖。干潮時に大規模な干潟が現れる。
 また、メヒルギ、オヒルギ等のマングローブ類が定着し、マングローブ林としては、 沖縄本島の中でも有数。
(2) 生息する鳥類等
 漫湖で観察される鳥類は約70種を数え、シギ・チドリ類、特に、ムナグロ、メダイ チドリ、ダイシャクシギ、キアシシギ、ハマシギなどが数多く見られる。南西諸島に 沿って存在すると考えられるシギ・チドリ類の渡りルートの中継地や越冬地として重 要。また、国際的にも生息数が少ないクロツラヘラサギも定期的に渡来し観察される。

 指定について官報にて告示後、登録簿に掲載されるべき湿地として外務省より条約事 務局に通報、事務局で登録する。

【参考】既に指定されているラムサール条約登録湿地(10ヶ所)

釧路湿原(北海道) 7,726ha 昭和55年 6月17日登録
伊豆沼・内沼(宮城県) 559ha 昭和60年 9月13日登録
クッチャロ湖(北海道) 1,607ha 平成元年 7月 6日登録
ウトナイ湖(北海道) 510ha 平成 3年12月12日登録
霧多布湿原(北海道) 2,504ha 平成 5年 6月10日登録
厚岸湖・別寒辺牛湿原(北海道) 4,896ha     同上
谷津干潟(千葉県) 40ha     同上
片野鴨池(石川県) 10ha     同上
琵琶湖(滋賀県) 65,602ha     同上
佐潟(新潟県) 76ha 平成 8年 3月23日登録
連絡先
環境庁自然保護局野生生物課
課 長 :森 康二郎(6460)
 担 当 :井上、柴田(6463)

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