報道発表資料

平成16年8月19日
自然環境
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ツシマヤマネコ再導入基本構想について

 ツシマヤマネコは、我が国では長崎県対馬にのみ生息する動物で、かつては、対馬島内全域にわたり広く分布していましたが、生息環境の悪化等により、非常に危機的な状況にあります(平成9年の推定生息数は70〜90頭)。
 このため平成7年に保護増殖事業計画を策定し、各種の取組を進めていますが、野生個体群が危機的状況から脱していないことから、環境省は平成15年度から、ツシマヤマネコの専門家、動物園関係者等からなるツシマヤマネコ再導入基本構想分科会を設置し、対馬への再導入の基本的考え方等について検討を行い、今般、ツシマヤマネコ再導入基本構想を取りまとめましたのでお知らせいたします。

  1. ツシマヤマネコとは
     ツシマヤマネコは、我が国では長崎県対馬にのみ分布する動物です。平成6年には絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称「種の保存法」)の国内希少野生動植物種に指定されました。平成9年当時の野生下での生息頭数は70〜90頭と推定され、レッドデータブックでは最も絶滅のおそれの高い絶滅危惧IA類に分類されています。
      環境省では平成7年よりツシマヤマネコ保護増殖事業計画を策定し、保護増殖事業を進めています。

     
  2. 再導入基本構想の検討の経緯
     環境省は、ツシマヤマネコ保護増殖事業計画に基づき、平成8年よりファウンダ(繁殖個体をつくる母集団)の捕獲を行い、福岡市動物園において飼育下繁殖事業を開始しました。平成12年4月以降順調に繁殖が進み、ファウンダ5頭も含め、現在20頭が同動物園で飼育されています。
     繁殖が一定の成果を上げる一方、野生個体群が危機的状況から脱していない状況に鑑み、再導入の基本的考え方等を整理し、現時点での方向性を示すことが保護増殖事業を推進する上で必要となりました。
     このため、環境省は平成15年11月、ツシマヤマネコの専門家、動物園関係者等からなるツシマヤマネコ再導入基本構想分科会を設置し、[1]再導入の目的や留意する事項等の基本的考え方の整理、[2]再導入の実施に向けて必要な項目や体制、[3]再導入を実施に移すための前提条件となる飼育下個体集団づくりの目標及び実施体制等について検討を行い、ツシマヤマネコ再導入基本構想(別添)を取りまとめました。
     なお、絶滅のおそれのある哺乳類を飼育繁殖し、生息地に再導入する事業はこれまでにない新しい試みです。多様な主体の理解と協力の下、再導入を進めていくことは、ツシマヤマネコだけではなく、全ての野生生物と人との共存を図っていく社会を築く上でも新たな試みです。

  (参考)検討委員(五十音順)
   伊澤 雅子  琉球大学理学部 助教授
   佐々木了治郎(※1)  福岡市動物園 園長
   倉成 武裕(※2)  同上
   土肥 昭夫  長崎大学環境科学部 教授
   中川 志郎  茨城県自然博物館 館長(座長)
   中川 哲男(※1)  (社)日本動物園水族館協会 自然保護部担当理事
 (大阪市天王寺動物園 園長)
   小松 守(※2)  (社)日本動物園水族館協会 自然保護部担当理事
 (秋田市大森山動物園 園長)
   羽山 伸一  日本獣医畜産大学獣医学部 助教授
   米田 久美子  (財)自然環境研究センター 研究主幹
 
    ※1は平成15年度委員
    ※2は平成16年度委員

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長  :名執芳博(6460)
 課長補佐:水谷知生(6475)
 専門官 :清野達男(6464)

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