報道発表資料

平成10年9月28日 この記事を印刷

「騒音に係る環境基準について」の環境庁告示について

1.環境庁は、平成10年5月22日の中央環境審議会答申を受け、騒音に係る環境基準について、9月30日付けで改定し、告示する(環境庁告示第64号)。

2.本告示は、
(1)騒音の評価手法として等価騒音レベルを採用した。
(2)新たな環境基準の基準値を示した。
(3)新たな環境基準の達成期間を示した。
(4)新たな環境基準の施行日(平成11年4月1日)を示した。
等を内容とする。

3.環境庁は、関係省庁に対し、新たな環境基準の達成に向けた対策の推進について要請するとともに、関係省庁と連携しつつ環境基準の達成に向けて制度的枠組みの拡充を含め総合的な騒音対策の推進に取り組む。
[1]経緯等

 騒音に係る環境基準は昭和46年5月25日に閣議決定されている。しかし、その後の騒音影響に関する研究の進展、騒音測定技術の向上等によって、近年では国際的に等価騒音レベルによることが基本的な評価方法として広く採用されつつある。このような動向を踏まえ、中央環境審議会(会長:近藤次郎:元日本学術会議会長)は、平成8年7月25日付けで諮問された「騒音の評価手法等の在り方について」に対し、平成10年5月22日に答申を行い、これにより新たな騒音の評価手法及びこれに基づく環境基準の指針値等が示された。
  環境庁はこれを受けて、環境基本法第16条に基づく新たな騒音に係る環境基準を平成10年9月30日に告示する。
  また、環境庁は、関係省庁に対し、新たな環境基準の達成に向けた対策の推進について要請するとともに、関係省庁と連携しつつ環境基準の達成に向けて制度的枠組みの拡充を含め総合的な騒音対策の推進に取り組む。

[2]告示のポイント

告示の内容は別紙のとおりである。

(1) 等価騒音レベルの採用
  騒音の評価手法として、これまでの中央値から等価騒音レベルに変更する。 (注)等価騒音レベルとは、騒音データをエネルギー量で平均して、何dBの騒音に相当するかを求めたもの。その利点は、次のとおり。 ・騒音の総暴露量を正確に反映し、住民反応との対応が良好 ・交通量等のデータから沿道の騒音レベルを推計する方法が明確化し、環境アセ スメントにも適す ・国際的にも広く採用されており、これに対応
(2) 新たな評価の原則の導入
a) 個別の住居等を単位とする評価 評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の影響を受けやすい面によって評価する。
b) 地域としての達成状況の把握道路に面する地域における地域としての達成状況は、原則として一定の地域ごとに当該地域内の全ての住居等のうち環境基準の基準値を超過する戸数及び超過する割合を把握することによって評価する。
(3)

環境基準値の設定
  次に掲げる地域の類型及び時間の区分に基づき設定される環境基準値は以下のとおり(答申とは地域類型の表現方法が異なるが、基準値に変更はない)。

  • 地域の類型
    AA

    療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域
    専ら住居の用に供される地域
    主として住居の用に供される地域
    相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域
  • 時間の区分
    昼間

    午前6時から午後10時まで
    夜間 午後10時から翌日の午前6時まで

a)道路に面する地域以外の地域

地域の区分 基準値
昼間 夜間
AA 50デシベル以下 40デシベル以下
A及びB 55デシベル以下 45デシベル以下
60デシベル以下 50デシベル以下

b)道路に面する地域

地域の区分 基準値
昼間 夜間
A地域のうち2車線以上 の車線を有する道路に 面する地域 60デシベル以下 55デシベル以下
B地域のうち2車線以上 の車線を有する道路に 面する地域及びC地域 のうち車線を有する道路 に面する地域 65デシベル以下 60デシベル以下

この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわ らず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

基準値
昼間 夜間
70デシベル以下 65デシベル以下
備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。
(4) 達成期間の設定
a) 道路に面する地域以外の地域 環境基準の施行後直ちに達成され、または維持されるよう努める。
b) 道路に面する地域 既設の道路に面する地域については、環境基準の施行後10年以内を目途として達 成され、または維持されるよう努める。ただし、幹線交通を担う道路に面する地域で あって、道路交通量が多くその達成が著しく困難な地域については、10年を超える 期間で可及的速やかに達成されるよう努める。 道路に面する地域以外の地域が、環境基準が施行された日以降計画された道路の設 置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては上記にかかわらず当該道 路の供用後直ちに達成され又は維持されるよう努める。
(5) 施行日 本告示は、平成11年4月1日から施行する。
[3]その他

 「幹線交通を担う道路」とは、高速自動車国道、一般国道、都道府県道及び市町村 道(市町村道にあっては4車線以上の区間に限る。)等を表し、「幹線交通を担う道 路に近接する空間」とは、以下のように車線数の区分に応じて道路端からの距離によ りその範囲を特定する予定。

  • 2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路15メートル
  • 2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路20メートル

騒音に係る環境基準について

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環 境基準について次のとおり告示する。 環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件について生活 環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(以下「 環境基準」という。)は、別に定めるところによるほか、次のとおりとする。

第1 環境基準

1 

環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとお りとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事が指定する。

地域の区分 基準値
昼間 夜間
AA 50デシベル以下 40デシベル以下
A及びB 55デシベル以下 45デシベル以下
60デシベル以下 50デシベル以下

(注)

  1. 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を 午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
  2. AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置 される地域など特に静穏を要する地域とする。
  3. Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
  4. Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
  5. Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供 される地域とする。

ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)につ いては、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

地域の区分 基準値
昼間 夜間
A地域のうち2車線以上 の車線を有する道路に 面する地域 60デシベル以下 55デシベル以下
B地域のうち2車線以上 の車線を有する道路に 面する地域及びC地域 のうち車線を有する道路 に面する地域 65デシベル以下 60デシベル以下

備考
  車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。 この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

基準値
昼間 夜間
70デシベル以下 65デシベル以下
備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

1の環境基準の基準値は、次の方法により評価した場合における値とする。

  1. 評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価するものとする。 この場合において屋内へ透過する騒音に係る基準については、建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルから当該建物の防音性能値を差し引いて評価するものとする。
  2. 騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。
  3. 評価の時期は、騒音が1年間を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。
  4. 評価のために測定を行う場合は、原則として日本工業規格Z8731に定める騒音レベル測定方法による。当該建物による反射の影響が無視できない場合にはこれを避けうる位置で測定し、これが困難な場合には実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。また、必要な実測時間が確保できない場合等においては、測定に代えて道路交通量等の条件から騒音レベルを推計する方法によることができる。

なお、著しい騒音を発生する工場及び事業場、建設作業の場所、飛行場並びに鉄道の敷地内並びにこれらに準ずる場所は、測定場所から除外する。

環境基準の達成状況の地域としての評価は、次の方法により行うものとする。

  1. 道路に面する地域以外の地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域の騒音を代表すると思われる地点を選定して評価するものとする。
  2. 道路に面する地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域内の全ての住居等のうち1の環境基準の基準値を超過する戸数及び超過する割合を把握することにより評価するものとする。
第2 達成期間等
1  環境基準は、次に定める達成期間でその達成又は維持を図るものとする。
(1) 道路に面する地域以外の地域については、環境基準の施行後直ちに達成され、又は維持されるよう努めるものとする。
(2) 既設の道路に面する地域については、関係行政機関及び関係地方公共団体の協力の下に自動車単体対策、道路構造対策、交通流対策、沿道対策等を総合的に実施することにより、環境基準の施行後10年以内を目途として達成され、又は維持されるよう努めるものとする。 ただし、幹線交通を担う道路に面する地域であって、道路交通量が多くその達成が著しく困難な地域については、対策技術の大幅な進歩、都市構造の変革等とあいまって、10年を超える期間で可及的速やかに達成されるよう努めるものとする。
(3) 道路に面する地域以外の地域が、環境基準が施行された日以降計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(1)及び(2)にかかわらず当該道路の供用後直ちに達成され又は維持されるよう努めるものとし、環境基準が施行された日より前に計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(2)を準用するものとする。
道路に面する地域のうち幹線交通を担う道路に近接する空間の背後地に存する建物の中高層部に位置する住居等において、当該道路の著しい騒音がその騒音の影響を受けやすい面に直接到達する場合は、その面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められ、かつ、屋内へ透過する騒音に係る基準が満たされたときは、環境基準が達成されたものとみなすものとする。
夜間の騒音レベルが73デシベルを超える住居等が存する地域における騒音対策を優先的に実施するものとする。
第3 環境基準の適用除外について

 この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。

附則
  この告示は、平成11年4月1日から施行する。

連絡先
環境庁大気保全局企画課大気生活環境室
室   長 :柏木順二(6540)
 室長補佐 :山崎邦彦(6543)

環境庁大気保全局自動車環境対策第一課
課   長 :鈴木安次(6520)
 課長補佐 :奥村康博(6526)

環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課   長 :松本和良(6550)
 課長補佐 :印南朋浩(6551)

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