報道発表資料

平成16年6月29日
自然環境
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里地里山保全再生モデル事業の実施地域について

環境省では、平成16年度から新たに「里地里山保全再生モデル事業調査」を開始することとしており、今般、全国の里地里山の生態系タイプ、立地特性等を踏まえ、モデル事業実施地域として、次の4地域を選定しましたのでお知らせします。
[1]神奈川西部地域(秦野市等)
[2]京都北部・福井地域(宮津市、綾部市、武生市等)
[3]兵庫南部地域(三田市等)
[4]熊本南部地域(宮原町等)
 これら4地域では、今後、地域の特性に応じ、環境省、関係省庁、地元自治体、NPO、住民、専門家等が連携及び協力して、里地里山保全再生のための地域戦略を作成します。さらに、それぞれの役割分担に基づき、保全再生のモデル事業(例えば、落ち葉かき、タケ除去等の保全管理の実践、活動拠点及び体制の確立、ビオトープ等整備、環境学習活動の実践等)を展開し、これらの取組を広く発信することによって、全国の里地里山保全再生活動を促進していく予定です。

1.里地里山保全再生モデル事業の背景

(1)里地里山の定義、分布、地域ブロック
 里地里山とは、都市地域と奥山地域との中間に位置し、農林業等の様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、二次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成されている。
 里地里山は国土の約4割程度(約1600万ha)を占めており、その中核をなす二次林のタイプにより分類すると、ミズナラ林タイプ、コナラ林タイプ、アカマツ林タイプ、シ
 イカシ萌芽林タイプ、その他の5タイプに分類される。これを基に、全国を地域ブロックに区分すると、以下の6ブロックとなる。(別図参照
[ I ミズナラ林ブロック、II コナラ(東日本)ブロック、III コナラ(西日本)ブロック、IV アカマツ林ブロック、V シイカシ萌芽林ブロック、VI その他ブロック ]

(2)「新・生物多様性国家戦略」における位置付け
 人為による適度な攪乱により特有の環境が形成及び維持されてきた里地里山は、メダカ等の希少種やカエル、カタクリ等を育む、生物多様性保全上重要な地域である(全国の希少種集中分布地域の5割以上が里地里山に当たる。)。さらに、身近な自然とのふれあいの場、自然環境教育のフィールドとしても欠かせない地域となっている。
 しかし、近年、二次林(雑木林)の経済的利用価値が低下したことに加え、農山村では過疎化等による管理放棄、都市近郊では開発等の土地利用転換が急激に進むなど、里地里山の消失や質の低下が顕在化している。
 このような状況を受け、「新・生物多様性国家戦略」(平成14年3月策定)では、生物多様性の3つの危機の1つに里地里山の危機を位置付けるとともに、重点施策の1つとして「里地里山の保全と持続可能な利用」が掲げられた。

2.里地里山保全再生モデル事業の概要について

(1)モデル事業の目的
 上記「新・生物多様性国家戦略」で指摘されているように、里地里山の保全には、農家及び土地所有者による従来からの管理活動に加え、NPOや地域・都市住民の幅広い参加及び協力が欠かせない。また、農業、林業、都市緑地等に関係する省庁や自治体が連携し、多様な手法を組み合わせた総合的な取組を実施する必要がある。この際、それぞれの地域の実情に応じ、様々な問題解決に向けての科学的情報に基づく社会的合意の形成が不可欠となる。
 このため、環境省では、平成16年度から、全国の里地里山の代表的なタイプ毎に行政、専門家、住民、NPO等が参加するモデル事業を実施し、里地里山の保全及び再生に取り組むための実践的手法や体制、里地里山の普及啓発・環境学習活動等のあり方について、具体的な検討を進めることとした。また、これらのモデル的取組を全国に発信することにより、全国各地の様々な主体による里地里山保全活動を促進する予定である。

(2)モデル事業の内容・スケジュール

 [1] 地域戦略の策定(平成16・17年度)
   全国の里地里山の生態系タイプや立地特性を踏まえて選定した「モデル事業実施地域」(4地域:後述)において、まず、地元自治体、住民、NPO、専門家、関係省庁(農林水産省、国土交通省等)等と連携及び協力して、以下のような項目を内容とする里地里山保全再生のための「地域戦略」を地域の実情に応じて作成する。
 この際、必要に応じ試行的な事業を実施し、それらの成果や分析を関係者間で共有することにより、役割分担などの社会的合意を得るものとする。
    ◇保全再生のための体制の確立
    (例 : 地元自治体、NPO、住民を含めた協議会やワークショップ等の設置、活動拠点の確保等)
    ◇保全管理の実践、再生整備の実施
    (例 : 下草刈り、落ち葉かき、タケ除去、炭焼き等の保全管理活動の実践、ため池及び水路管理、里地里山ビオトープ整備等)
    ◇普及啓発・環境学習の実践
    (例 : 里地里山学習センターの整備、環境学習プログラムの実践、情報共有のシステム整備等)

 [2] モデル事業の実施(平成18年度から本格実施:16・17年度は試行的に実施)
   上記地域戦略に基づき、関係省庁を含む各主体が役割分担の上、連携及び協力して事業を実施する。
   [参考] 関係省庁との連携・協力体制
○農地に係る計画及び事業  農水省農村振興局との連携及び協力
○二次林に係る計画及び事業  林野庁との連携協力
○都市緑地に係る計画及び事業  国交省との連携協力

3.モデル事業実施地域の選定について

 モデル事業実施地域については、1(1)の地域ブロックのうち、植生変化が進行しやすく里地里山管理の緊急性の高い4ブロック(コナラ林(東日本)ブロック、コナラ林(西日本)ブロック、アカマツ林ブロック、シイカシ萌芽林ブロック)から、各ブロックを特徴付ける生態特性、社会特性(立地特性等)や、里地里山保全活動団体の実態等を踏まえ、1地域ずつ、計4地域(下記)を選定した。(別図参照

○神奈川西部地域(秦野市等)
○京都北部・福井地域(宮津市、綾部市、武生市等)
○兵庫南部地域(三田市等)
○熊本南部地域(宮原町等)

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
課長   黒田大三郎(内線:6430)
 課長補佐 植田 明浩(内線:6481)
 担当   有安 建也(内線:6436)
      守分 紀子(内線:6478)

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