報道発表資料

平成16年3月8日
大気環境
この記事を印刷

「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」の閣議決定について

浮遊粒子状物質(SPM)及び光化学オキシダントによる大気汚染の防止を図るため、これらの原因物質の一つである揮発性有機化合物(VOC)の工場・事業場からの排出を抑制するための「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が3月9日(火)に閣議決定されることになりました。

1.法案の背景

 近年の大気汚染の状況について、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントに係る大気汚染の状況が依然として深刻である。
浮遊粒子状物質(SPM)
 平成14年度の環境基準達成率は、一般環境大気測定局で52.6%、自動車排出ガス測定局で34.3%。
光化学オキシダント
[1]  平成14年にはオキシダントの注意報等が23都府県で延べ184日発令されるなど、近年の発令日数は昭和50年代初期のレベルまで悪化。
[2]  平成14年の光化学オキシダントによると思われる被害届出人数は1,347人を数えるなど、近年、被害届出人数が千数百人程度となる年がある。
 光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)とVOCが混合している状態に、紫外線が照射されて生成されるものである。従来は、NOx自体が有害であり、また、光化学オキシダントの原因物質であることも考慮して、NOxについて工場・事業場と自動車の双方で厳しい規制を行ってきたが、上記の光化学オキシダントによる大気汚染の状況にかんがみ、更なる対策の充実が必要となってきた。
 SPMについては、最近の環境省の試算によると、約1割が工場・事業場から排出されるVOCから生成されていると推計されている。また、光化学オキシダントが、NOxや硫黄酸化物(SOx)等が大気中で粒子化するのを促進するという観点からも、VOCがSPMの生成に関与している。
 他方、自動車排出ガスについては、昭和49年以来、VOCの主要成分である炭化水素の排出規制を数次にわたって強化してきているが、工場・事業場からのVOCの排出については、全国的な排出規制が行われていなかった。しかし、近年の大気汚染の状況や科学的知見の充実により、VOCの排出規制を行う必要性が明らかになってきた。

2.法案の概要

 法規制と事業者の自主的な取組との適切な組合せ(ベスト・ミックス)による効果的なVOCの排出抑制という考え方を、初めて法律に位置づける。
 法規制は、VOCの排出量が多い施設を対象とする。この場合、事業者の自主的な取組が促進されるよう十分配慮する。法規制の対象となる具体的な施設としては、中央環境審議会の意見具申(平成16年2月3日)において、以下の6つの施設類型を念頭に置いて検討することとされている。
 [1] 塗装施設及び塗装後の乾燥・焼付施設
 [2] 化学製品製造における乾燥施設
 [3] 工業用洗浄施設及び洗浄後の乾燥施設
 [4] 印刷施設及び印刷後の乾燥・焼付施設
 [5] VOC(ガソリン等)の貯蔵施設
 [6] 接着剤使用施設及び使用後の乾燥・焼付施設
 法規制の対象施設(VOC排出施設)に対して、排出口における排出濃度基準の遵守を義務付ける。
 VOC排出施設の設置について、都道府県への届出を義務付ける。

3.今後の予定

 改正法の公布後2年以内の政令で定める日から施行する。
 VOC排出施設(規制対象施設)の指定や排出基準の設定等については、改正法の公布後、中央環境審議会大気環境部会等において検討を行う。

添付資料

連絡先
環境省環境管理局大気環境課
課長 関 荘一郎(内6530)
 補佐 中野 雅夫(内6537)
    春名 克彦(内6533)
    成田 浩司(内6547)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ