報道発表資料

平成16年2月25日
地球環境
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黄砂実態解明調査の実施及びライダーモニタリングシステムの設置について

日本に飛来する黄砂の物理的・化学的性質を解明するため、「黄砂実態解明調査」として昨年に引き続き、全国の8か所で黄砂飛来時にエアロゾルの一斉捕集調査を実施する。
 本調査は、平成14年度から3年間の予定で、黄砂飛来シーズンである2月中旬から6月頃までの間、黄砂が日本に飛来する際に、地方自治体及び国立環境研究所の協力を得て実施するものである。なお、黄砂捕集実施の判断については、北京(中国)における黄砂飛来状況を確認した上で、捕集開始の前日夕方までに行うこととする。
 また、黄砂については、その対策に向けて、北東アジア地域におけるモニタリングネットワーク構築の重要性が指摘されているところであり、環境省としても北東アジア地域各国との連携の下、当該ネットワークの構築を推進しているところである。
 今般、この一環として、地上から上空数kmにわたりリアルタイムでの黄砂の観測が可能な装置(ライダーモニタリングシステム)を富山県下に設置し、観測を開始する。

1.黄砂実態解明調査の実施

(1) 調査目的

 近年、中国、モンゴルからの黄砂の飛来が頻発化・大規模化しており、我が国を含む北東アジア各国においてその対策が共通の関心事となっている。
 従来、黄砂は自然現象と考えられていたが、近年の現象については、過放牧や耕地の拡大等の人為的な要因も影響しているとの指摘もあり、より詳細な現象解明が求められているものの、現時点では、飛来した黄砂の物理的、化学的な性質について、必ずしも十分に解明されていない。
 本調査は、黄砂飛来時に、国内の数地点で一斉にエアロゾルを捕集することにより、我が国における黄砂の飛来量を科学的に把握するとともに、捕集したエアロゾルの粒径分布(物理的性質)や成分(化学的性質)の分析を行うことにより、日本各地に飛来する黄砂現象の実態解明に資することを目的とするものである。


(2) 調査の実施場所

 国設札幌大気環境測定所(北海道)、国設新潟巻酸性雨測定所(新潟県)、立山測定所(富山県)、国設犬山酸性雨測定所(愛知県)、国設松江大気環境測定所(島根県)、福岡県保健環境研究所(福岡県)、式見ダム酸性雨測定所(長崎県)、国立環境研究所(茨城県)の計8か所

  (別紙)位置図参照。


(3) 調査内容

[1]  粒径分布の把握を主な目的とした八段型ローボリウムサンプラーによるエアロゾルの捕集
[2]  成分分析(分析項目は重金属類、炭化水素類等を予定)等を主な目的としたハイボリウムサンプラーによるエアロゾルの捕集

  ([1]、[2]とも、指定された日時から原則24時間捕集する。)


注 : 本調査は、昨年(2〜6月)にも実施しているが、黄砂の規模が極めて小さかったことから、バックグランド調査(黄砂非飛来時のデータ収集)として実施した。


2.ライダーモニタリングシステムの設置

(1) 趣旨

 黄砂については、その性質の分析・把握と併せて、北東アジア地域におけるモニタリングネットワーク構築の重要性が、国際的にも指摘されている。今般、当該ネットワーク構築の一環として、ライダーモニタリングシステムを富山県下に設置することとした。
 環境省としては、今後とも、このシステムによるモニタリングネットワークの構築を順次進めていく予定である。


(2) ライダーモニタリングシステムについて

 今般設置することとしたライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)は、国立環境研究所が開発した黄砂観測装置(NIES-LIDARと呼ぶ。)であり、レーザー光線を上空に発射し、上空に浮遊する粒子状物質に反射して返ってくる光を測定・解析することにより、粒子状物質の鉛直分布等をリアルタイムで観測するものである。


(3) 設置場所

 富山県環境科学センター(富山県射水郡小杉町中太閤山17−1)

 (別紙)位置図参照。


(4) 稼働時期

 黄砂飛来時期に合わせ、2月下旬頃から稼働を開始する予定である。
なお、富山におけるライダー観測データは、国立環境研究所のホームページ(http://www-lidar.nies.go.jp/Toyama/index-j.html)でも閲覧が可能である。


(5) 備考

 国内では、国立環境研究所(大気圏環境研究領域遠隔計測研究室(室長:杉本伸夫))が行っている研究活動の一環として、札幌市、つくば市、長崎市、福江島、奄美大島及び宮古島の6か所に、このシステムが設置されている。(本システムは、同研究室が開発したもの。)
 環境省直轄により、リアルタイムに観測データを発信するシステムの設置は、今回が初めてとなる。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長  :荒井 真一(内線6740)
 課長補佐:和田 篤也(内線6745)
 技官  :佐野  敦(内線6745)

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