報道発表資料

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自動車排出ガスの量の許容限度及び自動車燃料品質に関する許容限度の一部改正について

環境庁は、平成元年12月の中央公害対策審議会答申(以下、「元年答申」という。)及び8年10月の中央環境審議会中間答申(以下、「中間答申」という。)で示された自動車排出ガス低減目標に沿って自動車排出ガス規制を強化するため、大気汚染防止法に基づく環境庁告示「自動車排出ガスの量の許容限度」及び「自動車の燃料の性状に関する許容限度及び自動車の燃料に含まれる物質の量の許容限度」の改正を9年3月31日付けで公示する。
1.「自動車排出ガスの量の許容限度」の改正について       
 {1} 大型トラック・バス
   元年答申で示された自動車排出ガス低減長期目標を踏まえ、車両総重量12トン超えのディーゼル車の許容限度を改正する。
 {2} 二輪車
   中間答申で示された自動車排出ガス低減目標を踏まえ、二輪車(二輪自動車及び原動機付自転車)の許容限度を新設する。
 {3} ガソリン軽貨物車等
   中間答申で示された自動車排出ガス低減目標を踏まえ、ガソリン・LPGを燃料とする軽貨物車、中量車(車両総重量1.7t超2.5t以下)及び重量車(同じく2.5t超)の許容限度を改正する。

 なお、これを受けて運輸省においては、同日付けで道路運送車両法に基づく「道路運送車両の保安基準」(運輸省令)の改正を行う予定であり、車種により10年規制又は11年規制が開始されることとなる。

2.「自動車の燃料の性状に関する許容限度及び自動車の燃料に含まれる物質の量の許容限度」の改正について
  元年答申において、ディーゼル車の排出ガス低減長期目標に基づく規制を実施するために必要とされた燃料品質の改善(軽油中の硫黄分の低減)を図るため、許容限度を改正する。

 なお、これを受けて通商産業省等においては、揮発油等の品質の確保等に関する法律に基づき軽油規格を定める通商産業省令の改正等を行う予定であり、平成9年10月から規制強化されることとなる。       

1.「自動車排出ガスの量の許容限度(環境庁告示)」の改正について
 (1)改正の経緯と今回の改正
  {1} 中央公害対策審議会の平成元年答申に基づく規制
 大都市地域を中心に依然として厳しい大気汚染を改善するため、自動車排出ガス対策については、近年、平成元年12月の中央公害対策審議会答申「今後の自動車排出ガスの低減対策のあり方について」(以下、「元年答申」という。)で示された排出ガス低減の長期目標に沿って規制が逐次強化されてきたところである。
 今回の許容限度の改正は、ディーゼル車のうち大型のトラック・バス(車両総重量12トン超えの重量車)を対象に行うものである。(11年から規制開始)
 なお、これにより、元年答申で示された長期目標に基づく許容限度の改正は、すべて終了することとなる。

  {2} 中央環境審議会の平成8年中間答申に基づく規制
 元年答申に示された目標達成後の新たな自動車排出ガス低減方策については、8年5月に「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」を中央環境審議会に諮問し、大気部会で御審議頂いているところである。
 8年10月には、低濃度でも長期曝露による健康影響が懸念される有害大気汚染物質の排出抑制の観点から早急に実施すべき対策について中間答申がとりまとめられた。
 同答申は、
i) ベンゼン等の有害大気汚染物質を含む炭化水素の排出量の寄与割合が大きく、8年5月の大気汚染防止法一部改正により排出ガス規制の対象に追加された二輪車(二輪自動車及び原動機付自転車)の排出ガス規制の新規導入、
ii) ガソリン・LPG車のうち軽貨物車、中量車、重量車からの炭化水素等の排出低減、
iii)ガソリン中に含まれる有害大気汚染物質であるベンゼン含有率の5体積%から1体積%への低減等を内容としている。
 今回の許容限度の改正は、この中間答申で排出ガス低減目標が示された、二輪車並びにガソリン・LPGを燃料とする軽貨物車、中量車及び重量車を対象に行うものである。(車種により10年又は11年から規制開始)
 なお、中央環境審議会においては、自動車排出ガス全般に係る中・長期的な低減目標について、引き続き審議を進めているところである。

 (2)改正の概要
  {1} 別表第一:新車関係(別添1参照)
ア. ガソリンを燃料とする二輪車(小型二輪自動車、軽二輪自動車、第一種原動機付自転車及び第二種原動機付自転車)から排出される、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物の許容限度を新設する。
 また、ブローバイガスとして排出される炭化水素についても、あわせて規制を新設する。
イ. ガソリン又はLPGを燃料とする軽貨物車、中量車及び重量車について、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物の排出ガス規制強化を図るため、許容限度を改正する。
ウ. 軽油を燃料とするトラック・バス等のうち車両総重量が12tを超えるもの(重量車の一部)について、窒素酸化物、粒子状物質及び黒煙の排出ガス規制強化を図るため、許容限度を改正する。

  {2} 別表第二:使用過程車関係(別添2参照)
ア. ガソリンを燃料とする二輪車について、{1}別表第一関係の新車規制の新設に伴い、使用過程時の排出ガス性能維持を図るため、アイドリング状態における一酸化炭素及び炭化水素の排出ガス許容限度を新設する。
イ. ガソリン又はLPGを燃料とする自動車について、使用過程時の性能維持方策の強化を図るため、アイドリング状態における一酸化炭素及び炭化水素に係る排出ガス許容限度を改正する。
ウ. 軽油を燃料とするトラック・バス等のうち車両総重量が12tを超えるもの(重量車の一部)について、別表第一の許容限度改正に伴い、使用過程車における無負荷急加速時の黒煙の排出ガス許容限度を改正する。

 (3)今後の予定
 この許容限度の改正を受けて、運輸省においては、同日付けで道路運送車両法に基づく「道路運送車両の保安基準」(運輸省令)の改正を行う予定である。

2.「自動車の燃料の性状に関する許容限度及び自動車の燃料に含まれる物質の量の許容限度(環境庁告示)」の改正について

 (1)改正の経緯
 自動車排出ガス対策の一層の推進を図るため、元年答申に基づきディーゼル車の長期目標に基づく規制強化の実施に伴って導入される酸化触媒装置等の機能維持にあたっては、ディーゼル自動車の燃料である軽油に含まれる硫黄分の低減が必要である。
 このような背景のもと、元年答申ではディーゼル車の長期目標の達成までには軽油中の硫黄分について0.05重量%を目途として低減を進める必要があると指摘されている。

 (2)改正の概要
 上記の経緯に基づき、9年10月に予定されているディーゼル車の排出ガス低減長期目標に基づく規制の開始に合わせて、軽油中の硫黄分に係る許容限度を0.2重量%から0.05重量%に改正する。

 (3)今後の予定
 この許容限度の改正を受けて、通商産業省等においても、揮発油等の品質の確保等に関する法律に基づく通商産業省令の改正等を行う予定である。


許容限度改正の内容(別表第一関係)
 

              

  燃料の種類 車種 試験
モード
単位 一酸化炭素 炭化水素 窒素酸化物 粒子状物質
現行値 改正値 現行値 改正値 現行値 改正値 現行値 改正値
二輪車 ガソリン 4サイクルエンジン車 二輪車
モード
g/km ―― 20.0
(13.0)
―― 2.93
(2.00)
―― 0.51
(0.30)
―― ――
2サイクルエンジン車 二輪車
モード
〃  ―― 14.4
(8.0)
―― 5.26
(3.00)
―― 0.14
(0.10)
―― ――
四輪車 ガソリン・LPG 軽貨物車[4サイクルエンジン車のみ] 10・15
モード
〃  17.0
(13.0)
8.42
(6.50)
2.70
(2.10)
0.39
(0.25)
0.74
(0.50)
0.48
(0.25)
―― ――
11モード 〃  130
(100)
104
(76)
17.0
(13.0)
9.50
(7.00)
7.50
(5.50)
6.00
(4.40)
―― ――
中量車[GVW1.7t超2.5t以下] 10・15
モード
〃  17.0
(13.0)
8.42
(6.50)
2.70
(2.10)
0.39
(0.25)
0.63
(0.40)
―― ―― ――
11モード 〃  130
(100)
104
(51.0)
17.0
(6.20)
9.50
(1.80)
6.60
(5.00)
―― ―― ――
重量車[GVW2.5t超] ガソリン
13モード
g/kwh 9.20 ―― 3.80 ―― 5.90
(4.50)
―― ―― ――
軽油 GVW12t超のトラック・バス ディーゼル
13モード
〃 
(7.40)
 
(2.90)
 
6.80
(5.00)
5.80
(4.50)
0.96
(0.70)
0.49
(0.25)

7.80
(6.00)



<参考>

車種適 用 時 期
   
軽二輪  新型車    H10.10.1
原付一種 継続生産車 H11. 9.1
  輸入車    H12. 4.1
 
小型二輪 新型車    H11.10.1
原付二種 継続生産車 H12. 9.1
  輸入車    H13. 4.1
 
四輪車 新型車    H10.10.1
 ガソリン 継続生産車 H11. 9.1
  輸入車    H12. 4.1
 
四輪車  新型車    H11.10.1
 軽油 継続生産車 H12. 9.1
  輸入車    H13. 4.1
注1  ( )内に参考のため平均値を示す。(中環審答申の低減目標は平均値で示されている。)
 GVWは車両総重量。
 四輪車のLPGを燃料とする重量車の一酸化炭素及び炭化水素の現行値はそれぞれ105( 76)及び6.80(5.40)。
 右表<参考>に示す適用時期は「道路運送車両の保安基準(運輸省令)」にお
いて定められる予定のもの。
 原付一種は排気量50cc以下、原付二種は排気量50cc超125cc以下、軽二輪は排気量125cc超250cc以下、小型二輪は排気量250cc超の二輪車。
 

  許容限度改正の内容(別表第二関係)

  燃料の種類 車種 一酸化炭素 炭化水素 黒煙
現行値 改正値 現行値 改正値 現行値 改正値
二輪車 ガソリン 4サイクルエンジン車 ――― 4.5% ――― 2,000ppm    
2サイクルエンジン車 ――― 4.5% ――― 7,800ppm     
                     
四輪車 ガソリン・LPG 軽自動車
[4サイクルエンジン車のみ]
4.5% 2.0% 1,200ppm 500ppm    
その他
[4サイクルエンジン車のみ]
4.5% 1.0% 1,200ppm 300ppm    
軽油 車両総重量12t超のトラック・バス         40% 25%


<参考>

車種適 用 時 期
   
軽二輪  新型車    H10.10.1
原付一種 継続生産車 H11. 9.1
     輸入車    H12. 4.1
 
小型二輪 新型車    H11.10.1
原付二種 継続生産車 H12. 9.1
     輸入車    H13. 4.1
 
四輪車 新型車    H10.10.1
 ガソリン 継続生産車 H11. 9.1
  輸入車    H12. 4.1
 
四輪車  新型車    H11.10.1
 軽油 継続生産車 H12. 9.1
     輸入車    H13. 4.1
注1  右表<参考>に示す適用時期は道路運送車両の保安基準(運輸省令)において定められる予定のもの。
 原付一種は排気量50cc以下、原付二種は排気量50cc超125cc以下、軽二輪は排気量125cc超250cc以下、小型二輪は排気量250cc超の二輪車。

 
中央環境審議会中間答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」(平成8年 10月18日)の概要  
   

1.二輪車 

 (1) 達成時期  ・原付一種(〜50cc)、軽二輪(125〜250cc)   ... 平成10年末
 ・原付二種(50〜125cc)、小型二輪(250cc〜) ... 平成11年末
 (2) 許容限度設定目標値(平均値)
        HC(炭化水素) CO(一酸化炭素) NOx(窒素酸化物)
2サイクルエンジン車    3.0 g/km     8.0 g/km     0.1 g/km 
4サイクルエンジン車    2.0 g/km    13.0 g/km     0.3 g/km 

2.ガソリン・LPG車(軽貨物車、中量車、重量車

 (1) 達成時期 ... 平成10年末 今回の
改正の
対象 
 (2) 許容限度設定目標値(平均値)
       物質 目標値 現行規制値 削減率
軽貨物車 HC    0.25 g/km    2.10 g/km    88% 
CO    6.5 g/km   13.0 g/km    50% 
NOx   0.25 g/km    0.50 g/km    50% 
中量車
(1.7t超 2.5t以下)
HC    0.25 g/km    2.10 g/km    88% 
CO    6.5 g/km   13.0 g/km    50% 
NOx    →      0.4 g/km    −  
重量車
(2.5t超)
HC    1.8 g/kwh    6.2 g/kwh    71% 
CO    51  g/kwh   102  g/kwh    50% 
NOx    →      4.5 g/kwh    −  

3.ガソリン中ベンゼン含有率
 (1)達成時期 ... 平成11年末
 (2)許容限度設定目標値 ... 1体積%(現行5体積%)

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課長 中山 寛治(内線6550)
 担当 山岸 重雄(内線6552)

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