報道発表資料

平成14年1月24日
地球環境
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「京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申」について

1月24日(木)に開催された中央環境審議会地球環境部会第5回会合において、「京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申」についてとりまとめられ、中央環境審議会から環境大臣に答申がなされた。
 環境省としては、この答申を踏まえ、今次通常国会に向けて、京都議定書締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制度の整備・構築のための準備を引き続き進めることとしている。
1. 経緯
 
   中央環境審議会は、1997年12月16日に「今後の地球温暖化防止対策の在り方」の諮問を受け、温暖化対策に係る審議を行い、1998年3月に中間答申を行った。この答申を受けて、1998年10月に「地球温暖化対策の推進に関する法律」が制定された。
 その後、中央環境審議会は、2000年8月から審議を再開し、2001年11月のマラケッシュ合意により京都議定書の運用細則が最終合意されたことなどを受け、本年1月24日に開催された地球環境部会において、京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申をとりまとめ、同日環境大臣に対して答申を行った。
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2. 今後の対応
 
   環境省としては、この答申を受けて、京都議定書締結に向けて関係省庁と連携を図りながら、地球温暖化対策推進大綱の見直し作業を引き続き進めるとともに、京都議定書締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制度の整備・構築のための準備を引き続き進めることとしている。
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3. 答申の概要
 
(1) 国内制度の整備・構築に当たっての基本的考え方
[1] ステップ・バイ・ステップのアプローチを採用すること(2002年から第1約束期間終了までの間を2002年から2004年までの「第1ステップ」、2005年から2007年までの「第2ステップ」、2008年から2012年までの第3ステップの3ステップに区分し、対策・施策を柔軟に導入。)
[2] 費用対効果の高い取組を進めることができる国内制度の整備・構築
  [3] 経済界の創意工夫を活かした経済活性化にもつながる国内制度の構築を目指す
 
(2) 京都議定書目標達成計画
   地球温暖化対策推進大綱に代わる新たな計画として、京都議定書の目標を達成する対策・施策の全体像を明らかにする「京都議定書目標達成計画」を、法律に基づき策定し、評価・見直しを行う。
 計画には、2010年の温室効果ガス別・分野別の排出削減目標量・吸収源対策の目標量、個々の対策の2010年における導入目標量、削減・吸収見込み量及びに施策の導入時期を明らかにした工程表等を盛り込み、第1ステップの対策・施策によって、第1約束期間における京都議定書の6%削減目標を確実に達成することを定量的に明らかにすることとする。
 第2ステップ・第3ステップの開始前に、計画の進捗状況の評価を行い、対策・施策を見直すことが不可欠。また、排出量データの収集と透明なプロセスで検証を行うための体制が必要。
 
(3) 地方公共団体の対策の推進
   地域における自然的社会的条件に応じた地球温暖化対策を計画的に推進することができるよう、地方公共団体が計画を策定することが適当。
 
(4) 議定書目標の達成のための排出削減・吸収に関する対策・施策
[1] 日常生活及び事業活動におけるステップ毎の対策・施策
 日常生活における第1ステップの取組を促進・支援する新たな基盤作りとしては、まず、地球環境時代にふさわしいライフスタイルの形成に向けた運動の全国的展開を行うことが重要。
 地域レベルでの取組の基盤づくりとしては、都道府県温暖化防止活動推進センターの指定要件のNPO法人への拡充、行政・各事業者・各種団体・住民のパートナーシップによる温暖化対策を本格的に推進するための「協議会」の設置の推進を行う。
 各家庭等における取組の促進策としては、家庭、レストラン、小規模店舗等における温暖化対策診断事業の実施や電力、ガス、ガソリン等の代金の領収書等に温室効果ガスの排出量の記載の推進等の対策を推進することが必要。
 日常生活における具体的取組の推進に関しては、温室効果ガスの排出の少ない製品の普及促進等のメーカー等供給側の取組、温室効果ガスの少ない製品の購入や建築物対策等の消費者等需要側の取組を進めることが重要。
 
 事業活動における第1ステップの取組については、まず事業者としての国・地方公共団体が、その事務又は事業に伴って生じる温室効果ガスの排出抑制等のための取組を進める。事業者の自主的取組としては、温室効果ガスの排出量の事業者による把握・公表、自主取組の第3者評価の取組を進めることなどが重要。さらに、温室効果ガスの削減に有効な各種技術対策の導入や、温暖化対策に資する製品等のまとまった需要量の確保による生産コストの低減・普及の促進を図ることが必要。
 
 日常生活における第2ステップの取組としては、製品の温室効果ガスのライフサイクル・アセスメント情報を公表・提供する制度等、事業活動における第2ステップの取組としては、事業者の実行計画の策定等の義務化や政府との間の協定等が考えられる。
 
[2] 都市・地域基盤整備等による脱温暖化型社会の形成
 温室効果ガスの排出を少なくするための都市・地域基盤整備や交通体系のグリーン化を推進し、循環による脱温暖化型社会を構築していくことが重要。
 
[3] 吸収源対策
 京都議定書において、目標達成のために吸収源の活用が認められ、その森林経営に係る上限は対基準年排出量比3.90%とされており、我が国に必要な吸収量を確保するため、森林・林業基本計画に基づく健全な森林の整備や木材及び木質バイオマス利用の推進等の対策や都市緑化などを推進することが重要。また、吸収・排出量の測定・監視・報告等の仕組みの構築も必要。
 
[4] 京都メカニズム
 京都メカニズムの活用を可能とするため、国内登録簿の設置及びCDM、JI事業に対する国の承認体制の整備を行うとともに、事業の案件の発掘やフィージビリティ調査の充実等を推進することが重要。
 
[5] 経済的手法等
 温暖化対策税制については、我が国の実情にあった具体的な制度面の検討を引き続き実施。国内排出量取引については、第1ステップでは、自主的な取引の実施の支援、第2ステップでは、国内の排出量取引制度について検討。
 
(5) 技術開発の促進
 京都議定書の第1約束期間に必要な技術の開発及びその普及並びに第1約束期間後も継続的に取り組むべき技術開発を行っていくことが重要。
 
(6) 監視・観測体制の強化、調査研究の推進
 地球環境の変化を確実に把握するための監視、観測体制を強化し、地球温暖化の影響評価及び影響緩和の方策等に係る調査研究を進めていくことが必要。
 
(7) 終わりに
 中央環境審議会は、政府が、この答申を踏まえ、京都議定書の達成に向けての実効性ある国内制度の整備を行うとともに、ヨハネスブルグサミット期間中に発効するよう早期に我が国が京都議定書を締結することを期待する。
 


「京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申」[PDFファイル 87KB]

添付資料

連絡先
環境省中央環境審議会地球環境部会事務局
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課  長:竹内 恒夫(内線6770)
 補  佐:角倉 一郎(内線6774)
 係  長:中島 恵理(内線6786)
 担  当:今田 元宏(内線6776)

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