報道発表資料

平成13年9月18日
水・土壌
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有明海水質等状況補足調査の結果について

有明海のノリ不作問題に関し、環境省では、従来から関係県で実施している水質モニタリングに加え、本年2月、有明海における水質等の状況をより的確に把握評価するための調査を行ったところであるが、その調査結果の評価等を踏まえ、夏季においても同様の調査を8月5・6日に実施し、その結果について9月14日に有明海水質等状況補足調査検討委員会を開催し、別添のとおり取りまとめた。
 なお、本結果については、9月20日午後1時から開催される農林水産省の第6回有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会において報告することとしている。
  1. 調査内容
     有明海の夏季における底質、底生生物等の状況を把握しようとするものであり、調査項目については概ね2月の緊急補足調査と同様である(別紙参照)。

  2. 主な調査結果の要約
    (1)物理環境について
     2月とは異なり、湾央から湾奥部と諫早湾で水温・塩分に顕著な成層が見られた。
    (2)水質等について
    [1] DO(溶存酸素)は、2月には植物プランクトンの光合成により上下層ともほとんど飽和濃度を超えていたが、今回は上層でも湾奥部を中心に飽和濃度を下回る調査地点が多く、下層では湾奥部佐賀県側と諫早湾の中央部及び湾口部で貧酸素状態の調査地点が認められた。
    ただし、2月と同様に下層の硫化物イオンは、全ての調査地点で定量下限値未満であった。
    [2] 無機態栄養塩(溶存性の窒素及び燐等)は、2月には植物プランクトンの摂取によって、ほとんどの調査地点で定量下限値未満の極めて低い値となっていたが、今回は概ね通常のレベル(全窒素又は全燐の値に比べ特異な値ではない)であった。
    [3] クロロフィル−aは、2月に比して全体的に低く、2月のような顕著な赤潮の状況ではなかった(※植物プランクトンの細胞数は冬と同様に多いところも見られたが冬のような大型のプランクトンではなかった。)。
    (3)底質について
    [1] 底質は、2月とほぼ同様に湾奥部及び諫早湾で中央粒径が細かく、強熱減量、COD及びTOC等で示される有機物も高い結果であったが、湾奥部及び諫早湾中央部では2月に比べると酸化還元電位が低く酸素が少ない状態であった。一方、硫化物については湾奥部で若干高い値が見られるに留まった。
    [2] TBT等有機スズ化合物は、今回新たに調査項目に加えたが、過去における他の調査海域のデータに比しても特に高い調査地点は見られなかった。
    (4)底生生物について
     底生生物(マクロベントス)は、2月と同様にm2当たりの個体数が少ない調査地点が見られ、特に諫早湾中央部では種類数、個体数、湿重量ともに極めて少なく、また、湾奥部佐賀県側西部でも個体数が少ない。

  3. 評価と今後の対応
     有明海における2月及び8月の調査の結果から、冬季・夏季ともに底生生物の少ない地点が散見されること(全体的にも過去の文献との比較において長期的な底生生物の減少が伺える)、また、夏季には湾奥部佐賀県側と諫早湾の中央部及び湾口部で下層の水質に貧酸素状態が認められ、それらの地点では底生生物も少ないことなどが明らかになった。なお、この現象が本年度特有のものであったかどうかについては不明である。
     しかしながら、これらのことがいかなる要因によって生じているのか、また、ノリ不作との関係については、現時点では明らかでない。
     これらについては、関係省庁が共同で実施している有明海の総合調査やそれを踏まえた有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会において検討されることになっているが、環境省としても、引き続き有明海の環境のモニタリングを継続して行い検討を進めることとする。

添付資料

連絡先
環境省環境管理局水環境部水環境管理課閉鎖性海域対策室
室長 柴垣泰介(内線6660)
室長補佐 中奥龍也(内線6662)
TEL 03-3581-3351(代表)
    03-5521-8320(夜間直通)

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