報道発表資料

平成13年7月25日
総合政策
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「中部国際空港建設事業及び空港島地域開発用地埋立造成事業並びに空港対岸部用地埋立造成事業に伴う工事中の海域環境影響検討調査報告」等における環境監視結果に基づく環境省の見解について

中部国際空港建設事業等は、中部国際空港株式会社及び愛知県企業庁が、常滑市の海域約710haを埋め立てて人工島等を造成し、空港用地(約580ha)、地域開発用地(約130ha)等を整備するものである。
 本事業については、平成11年7月に環境影響評価の手続きが完了し、12年6月の公有水面埋立法に基づく免許が中部国際空港株式会社等に与えられた後、同年8に着工し、平成17年の空港開港を目指して工事が行われている。
 平成12年の埋立免許の認可に際し、環境庁長官(当時)が、運輸大臣(当時)及び建設大臣(当時)に対して、水質保全、自然環境保全等の対策とともに、工事途中における環境影響等の検討結果のレビュー等を求める意見を述べたが、事業者においては、当省の意見等を踏まえ、工事着工後、環境監視を行っているところである。
 今般、事業者は、レビューの一環として、事業実施による周辺海域への影響を早期に確認するため、水質、底質等についての平成12年12月までの監視結果等を基に、3月末に報告書を取りまとめ、平成13年6月7日付で、免許権者である愛知県知事より、環境省に対し報告書を送付した。
 環境省としては、護岸工事の実施が水質、底質等に与える影響を早期に確認するため、護岸がほぼ水面上に現れた4月末時点までの監視結果を追加資料として報告を求めた上、今回、環境省として、報告書等に対する見解を取りまとめ、本日、総合環境政策局長から愛知県知事宛に通知を行ったものである。
[環境省見解]
 環境省は、中部国際空港建設事業等に係る公有水面埋立免許の認可に際して、環境保全上、万全の対応を事業者(愛知県企業庁及び中部国際空港株式会社)がとる必要があると考え、平成12年6月23日に水質保全、自然環境保全等の対策とともに、工事途中における環境影響等の検討結果のレビュー等を求める意見を建設大臣及び運輸大臣に申し上げた。
 今般、事業者がレビューの一環として実施した環境監視の検討結果等について、本年6月7日、貴殿(愛知県知事)から報告があったところである。
 これまで報告のあった水質、底質、汀線についての環境監視結果をみる限り、中部国際空港建設工事等の着工前後で、これらの項目について、ほぼ変化がみられないことから、現在までのところ、水質等への著しい影響は、ほとんど検出されていない。しかし、一部の監視点において、空港島の護岸工事が概成し始めた以降、底質の2月調査結果で全硫化物の濃度が高くなったこと、海域シミュレーションによる予測と異なる海水の流れがみられること、また、空港対岸部用地の造成も本格化することから、今後、下記の事項に留意の上、適切な環境監視を行うとともに、これらを踏まえた将来予測方法の再検討を行うなど特段のご配慮をお願いしたい。
 

 
 水質についての監視結果と予測結果との比較
 平成13年2月までのCOD、T-N、T-Pの環境監視結果は、夏季、冬季とも予測結果と概ね類似した傾向を示しているものの、蒲池沖局監視点の上層の流向については、護岸工事がかなり進んだ4月末時点において、予測結果と異なっていることから、要因を詳細に分析するとともに、水質の予測方法としての妥当性についても、引き続き検討を行う必要がある。
 
 底質についての着工前と着工後との比較結果
 底質については、平成13年2月の調査結果をみると、TS2監視点の全硫化物の濃度が着工前の2倍程度に当たる1.00mg/gまで上昇していることから、今後、底質の嫌気化に注意して監視を行う必要がある。
 なお、表題の報告書において、合計6箇所の監視点において、着工前後の底質の比較が的確にできるように調査を行うとしたところであることから、今後、環境監視結果をとりまとめる際に改善する必要がある。
 
 生態系等に関する監視
 今回の報告等にあったものは、水質、底質、汀線の調査結果であり、平成12年6月の環境庁長官意見において、「中部国際空港等の埋立計画による環境影響評価につ
 いては、ア)埋立てにより失われる浅海域の水質浄化機能への影響、イ)藻場等への間接的影響、ウ)海流、水質、底質、藻場、漁場、生態系等の相互に関連する環
 境影響評価等に関し、より長期的な影響を含め更なる検討を行う必要がある。」としていることから、今後とも、海域生物等の監視によりデータの蓄積を行い、生態系等への環境影響について、可能な限り早期に確認するとともに、監視を継続していく必要がある。
 
 水質、底質、生態系等に関する監視と予測の結果の公表について
   環境監視結果については、年度ごとに評価を行い、その結果、事業による環境影響が認められる場合には、適切な措置を講じることとされているが、監視結果と予測方法の必要に応じた再検討については、実施の都度、速やかに公表を行い、幅広い情報の提供と収集に努める必要がある。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室  長:森谷   賢(6231)
 審査官:春原 武志(6253)

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