報道発表資料

平成26年10月14日
地球環境
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「低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)」第6回年次会合の開催結果について(お知らせ)

2008年のG8環境大臣会合において我が国の提案により設立が合意された研究者のネットワークである「低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)」の第6回年次会合が10月1日~2日、イタリア・ローマにて開催され、11か国3国際機関から90名が出席しました。会合では、低炭素社会への転換に向けて、研究者と政策担当者の双方が科学的根拠に基づく実証的・具体的・統合的な提案を国内外の気候政策形成過程に積極的に生かしていくこと、緩和策のみならず気候変動影響への適応策との並行的推進が今後さらに重要となるとの認識を共有しました。

1.会合概要

日程:平成26年10月1日(水)~2日(木)

主催:環境省、公益財団法人地球環境戦略研究機関、ローマ市、新技術・エネルギー・持続的経済開発機構(ENEA)

開催地:ローマ(イタリア)

2.主な成果

  • 低炭素社会の実現に向けて、各国の研究者が一堂に会して各々の専門分野の知識を共有する場としてのネットワークの重要性が改めて示され、また、今後更にこうした貢献が重要度を増していくとの期待が示された。こうしたネットワークでの活動を通じて、低炭素成長に関する優良事例や経験、比較分析を共有していくことが重要であるとの認識が共有された。
  • 昨年7月に開催された第5回年次会合にて、LCS-RNetは国内・国際政策へのインパクト形成により注力すべきとの提案がなされた。これを受け、LCS-RNetとしてCOP21に向けて提案を行うという目標を設定し、今回のローマでの年次会合をこれに向けた議論の場とし、COP20を経て、さらに2015年初めにパリにて第7回年次会合を開催し、具体的なプロセスを進めていくことが再確認された。
  • エネルギー政策についてのセッションでは、低炭素社会への移行と、エネルギー安全保障や費用等の観点からの、原子力や石炭等エネルギー供給側の選択との間のギャップをどのように捉えるかという問いについて議論がなされた。この問いに対する一義的な回答は存在せず、エネルギーシステムの革新や、個人の行動変化・合意形成といったエネルギー需要側の対応を含む、あらゆる努力をすべきとの見解が示された。
  • 二酸化炭素排出を大きく削減するには、エネルギー供給・需要側だけの努力では不十分で、サプライチェーンにまで切り込む必要がある。これはエネルギーの節約に直結するだけでなく、低炭素社会・グリーン経済の土台となる考え方でもある。会合では産業界に向けた提案や転換期にある都市運営の例などが示され、資源効率の向上に向けた政策提案が重要であるとの指摘がなされた。
  • 低炭素投資に関するセッションでは、低炭素社会への転換という新しいパラダイムの形成に、財務政策や金融政策がどのように貢献できるのかが議論された。各ステークホルダーによる低炭素社会に向けた投資をけん引するような適切な政策を打っていくことの重要性が示された。
  • 2つのセッションを横断する形で低炭素都市に関する議題が取り上げられ、低炭素かつレジリエントな都市運営の推進が議論された。同セッションでは特に緩和と適応とを統合的に推進していく政策立案の重要性が議論され、低炭素かつレジリエントな社会の実現のために、今後ネットワークとして、緩和と適応の統合的な政策立案と実施を重点課題の一つとしていくことが提案された。
  • 気候の安定化のためには、成長著しい主要発展途上国の政策を早期に低炭素社会に振り向ける必要がある。現在行われている莫大なインフラ投資による高炭素排出へのロックインを回避するためには、可及的速やかに途上国の発展政策に気候政策を組み込む必要がある。会合では、短期的な技術支援を超えて、自立的な政策形成を促進する開発途上国自らによる気候政策研究コミュニティの育成・強化支援、政策検討ツールの知識移転支援などの具体的な例が示され、低炭素発展に向けて先進国・途上国の協力を加速化すべきとの提案がなされた。
  • 本年次会合での2つのパネルセッションでは、各国政策担当者よりネットワークに期待する点として、科学的根拠に基づく、実証的・具体的・統合的な提案の実施や政策評価の実施などが示された。最後のパネルでは、二日間の議論を振り返り、国内・国際政策に向けたインパクト形成に注力すべきとの点が改めて強調され、また、気候変動影響への適応策の並行的推進の重要性が確認された。

【参考】LCS-RNet概要

(1)経緯

 LCS-RNetは、2008年5月のG8環境大臣会合(於神戸)において我が国の提案により設立が合意されたものである。それぞれ自国の低炭素社会を実現するための研究を行っている、各国を代表する研究機関により2009年4月に正式に立ち上げられた。我が国からは国立環境研究所(NIES)及び地球環境戦略研究機関(IGES)が参加している。同月に開催されたG8環境大臣会合において、今後LCS-RNetの活動成果をG8環境大臣会合に定期的に報告していくよう求められた。2009年に第1回年次会合をボローニャ(イタリア)で開催し、その後2010年ベルリン(ドイツ)、2011年パリ(フランス)、2012年オックスフォード(英国)、2013年横浜にてそれぞれ開催した。 今年度から第二フェーズに入り、緩和と適応の統合政策に関する議論も活発化してきた。

(2)目的

 各国の研究者と、政策担当者、実務者、その他関連のステークホルダーが、低炭素社会を作り上げていくために必要な中核的課題を密に議論し、知識を共有し、政策に反映させていく。

連絡先
環境省地球環境局総務課
研究調査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8247

 室 長:竹本 明生  (内線 6730) 
 専門官:星野 ゆう子(内線 6735)
 担 当:佐藤 慎一  (内線 6733)

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