報道発表資料

平成26年8月8日
水・土壌
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ウォーターフットプリント算出事例集の公表について(お知らせ)

 国内企業によるウォーターフットプリント算出を促進し、水資源の保全や有効活用のためにウォーターフットプリントを効果的に活用していくことを目的として、国内外の算出手法や国内企業による具体的な算出事例等をとりまとめた「ウォーターフットプリント算出事例集」を公表いたします。

 

1.「ウォーターフットプリント算出事例集」の背景と目的

 ウォーターフットプリント(原材料の栽培・生産、製造・加工、輸送・流通、消費、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で直接的・間接的に消費・汚染された水の量を定量的に算定する手法)については、世界の水問題や水資源の保全に向けた普及啓発のため、あるいは企業のサプライチェーンの改善のため等に活用が注目されています。
 さらに、ウォーターフットプリントに関する国際規格化作業が進行し、また海外でのウォーターフットプリント研究事例が増加している中、国内ではまだ算定事例が少なく、新たに算定を試みようとする事業者等にとって参照すべき事例が限られています。今後、国内事業者がウォーターフットプリントを有効に活用していくことができるように、国内の事例を増やし、日本の事業者にとって取組みやすくかつ活用が可能な算定方法を検討していくことが有効です。
 そういった中、環境省ではウォーターフットプリント算出における課題の抽出や、ウォーターフットプリントのさらなる普及・活用に向けた方策検討を目的として、平成25年1月に、ウォーターフットプリントに関する国内の有識者、ウォーターフットプリント活用に先進的に取り組んでいる企業が一同に会した「ウォーターフットプリント算出に関する研究会」を立ち上げ、水質汚染に関連する評価を中心に国内外のウォーターフットプリントの算出に関する様々な手法について整理・確認するとともに、企業協力のもと、それらの手法を用いて具体的な製品のウォーターフットプリントの算出・分析を行ってきました。
 その研究会の成果として、国内企業がウォーターフットプリント算出の際に参考にできる事例集として「ウォーターフットプリント算出事例集」が取りまとまりましたので、公表するものです。これにより、国内での算出事例が増加し、ウォーターフットプリント算出に関する検討が進展することを期待するものです。

 

2.「ウォーターフットプリント算出事例集」の概要

 今回公表する「ウォーターフットプリント算出事例集」の各章の概要は以下のとおりです。

(1)ウォーターフットプリントとは
 第1章では、ISOの動向を踏まえ、ウォーターフットプリントの概念について説明しました。また、評価結果の活用方法として、「情報開示」「リスク分析・内部改善」「国民の水環境保全意識の啓発」を挙げるとともに、既存事例として31事例の内容を整理しました。既存事例では、ホットスポット把握(特に水を多く消費する工程の抽出)や製品間比較など、生産にあたっての内部改善を目標とするものが大半でした。

(2)ウォーターフットプリント算定手法 ~衣類製品を対象としたケーススタディ~
 第2章では、衣類製品(ジャケット)を対象としたケーススタディとして、算定者がウォーターフットプリントの算定内容をトレースできるよう具体的に記述しています。
また、算出したインベントリデータが水量・水質にどれだけ影響を及ぼすかを示す「ウォーターインパクト評価」については、現在、国内外で様々な評価手法が提案されており、それぞれの手法の特徴を示した上でケーススタディを行いました。
ウォーターインパクト評価のそれぞれの手法には、「影響評価結果のわかりやすさ」「水の地域性・季節性」「水利用可能量の閾値を表現できているか」「水質汚染物質が水利用可能量へ与える影響の評価」など、それぞれ課題が指摘されている中で、例えばケーススタディ1で使用している手法は、水源や地域による水の不足の程度の違いを反映することができ、羊毛の輸入等による各国での水消費による影響を評価しています。また、ケーススタディ3で使用している手法では、水質汚染を水量に換算することで、「水消費」と「水質劣化」という二つの影響を「水量」へと統合して影響評価結果を表すことが可能です。なお、この手法では、算出の基準となる水質環境基準によって結果が異なってくることから、算出にあたっては水域・類型などの影響についても考慮する必要があることが指摘されています。

(3)評価事例集
 第3章「評価事例集」では、国内の事業者が実際に算出している事例として、農作物及び食料品で4製品、工業製品で5製品の9製品を対象に、具体的なウォーターフットプリント算出の事例を「評価事例集」として取り上げました。各製品について、複数の影響評価手法を用いてウォーターフットプリントを算出し、各手法による結果の相違や特徴を示しています。この中で、例えば水量と水質の統合化手法の相違によって評価結果が2桁異なるものも見られるなど、算出の目的等にあわせた適切な手法の選択が重要であることが示唆されました。

 なお、「ウォーターフットプリント算出事例集」の構成は以下のとおりです。

   1.ウォーターフットプリントとは
    1.1 ウォーターフットプリントの概念
    1.2 ウォーターフットプリントの開発経緯と国際規格化の議論
    1.3 ウォーターフットプリント評価の目的と手法の関係
   2.ウォーターフットプリント算定手法 ~衣類製品を対象としたケーススタディ~
    2.1 目的と調査範囲の設定
    2.2 インベントリ分析
    2.3 ウォーターインパクト評価
    2.4 結果の解釈
   3.評価事例集
    3.1 農作物/食料品(うるち米、ピーマン、MicVac調理品(肉じゃが)、豚肉)
    3.2 工業製品(給食用食器、事務服(ベスト)、洗濯機、冷蔵庫、シャンプー(植物由来プラスチック容器を使用))
   4.データベース/算定ツールの紹介


添付資料
ウォーターフットプリント算出事例集[PDF 3,087KB]

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
直通   :03-5521-8312
代表   :03-3581-3351
課長   :大村 卓 (内線6610)
課長補佐 :安田 将広(内線6618)
係長   :島村 正幸(内線6624)

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