報道発表資料

平成12年7月3日 この記事を印刷

全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)/平成12年度夏期観察の実施計画及び平成11年度冬期観察の結果について

1.全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、肉眼や双眼鏡等を使った身近な方法による星空観察を通じ、参加者に光害など大気環境問題への関心を高めてもらうことを目的に、昭和63年(1988年)から、環境庁と(財)日本環境協会が都道府県・政令指定都市・中核市を通じ参加団体を募り実施している。

2.平成12年度夏期観察は、平成12年7月21日(金)から8月3日(木)までを観察期間として実施する。参加方法等についての詳細に関する問い合わせは、各都道府県・政令指定都市・中核市の大気保全担当部局まで。

3.平成11年度冬期観察の結果は以下のとおりであった。

(1)参加団体は46都道府県の403団体(冬期観察の過去最高)、参加人数は延べ5,294人
(2)観察の結果において、夜空が星の観察に適していた場所の上位は、宮崎県宮崎市、栃木県大田原市、岡山県加茂川町など

調査結果

1 平成12年度夏期観察の実施計画

(1)観察期間: 平成12年7月21日(金)から8月3日(木)まで
(この期間中に1日以上観察)

(2)観察方法: [1] 肉眼により、高度の異なる天の川の3部分(白鳥座付近、たて座付近、いて座付近)を観察する。
[2] 双眼鏡を用い、こと座のベガ(織姫星)を含む3つの星の作る三角形の中の星を観察し、何等級の星まで見えたかを記録する。
[3] こと座の1等星ベガを中心とする夜空をカラースライド写真に撮影する。

(3)参加方法: 都道府県・政令指定都市・中核市の大気保全担当部局(別表参照)へ参加申込みを行い、「観察の手引き」に基づき観察を実施し、その結果を大気保全担当部局まで報告する。

2 平成11年度冬期観察の結果

(1) 観察期間: 平成12年1月25日(火)から2月7日(月)まで
(この期間中に1日以上観察)

 

(2) 観察方法: [1] 肉眼により、高度の異なる天の川の3部分(ペルセウス座付近、ふたご座付近、いっかくじゅう座付近)を観察する。
[2] 双眼鏡を用い、“すばる(プレアデス星団)”のラケットの中の星を観察し、何等級の星まで見えたかを記録する。
[3] おうし座の1等星アルデバランを中心とする夜空をカラースライド写真に撮影する。

参加団体から報告された3項目の観察結果については、(財)日本環境協会及びスターウォッチング研究会(座長 村山定男 国立科学博物館名誉館員)が集計・解析を行った。

(3) 参加団体・参加者数:全国で46都道府県の403団体(過去最高、前年度比40団体増加)、延べ5,294人(前年度比312人減少)が参加

表1 観察参加団体・人数の推移(冬期)
年度
参加団体数 都道府県 市区町村
参加延べ人数
 昭和63年度
 平成元年度
 平成2年度
 平成3年度
 平成4年度
 平成5年度
 平成6年度
 平成7年度
 平成8年度
 平成9年度
 平成10年度
75団体

38

 73

166団体 39 146
142団体 37 140
179団体 39 157
188団体 40 158
250団体 43 194
286団体 44 218
291団体 45 265
345団体 44 254
386団体 46 286
361団体 45 292
1,556
3,198
2,774
3,003
2,831
4,090
4,108
4,454
5,197
5,562
5,606
 平成11年度
403団体 46 318
5,294

(4)

観察結果

[1] 天の川の観察結果
  星空を観察する際、観察する部分の高度が低いほど、大気環境の影響を受けやすくなり、星が観察しにくくなる。冬期観察では、天空(高度の高い位置)から順に、「ペルセウス座付近」、「ふたご座付近」、「いっかくじゅう座付近」の天の川の観察状況を調査している。
  平成11年度冬期における部分別の観察状況(天の川の見えた地点の割合)は、「ペルセウス座付近」37.9%、「ふたご座付近」37.0%、「いっかくじゅう座付近」26.5%であった。
  また、「ペルセウス座」付近の天の川の観察できた割合を、都市の規模別に見ると、巨大都市(人口100万人以上)5.9%、大都市(人口30万人以上100万人未満)8.2%、「中都市(人口10万人以上30万人未満)16.0%、小都市(人口10万人未満)58.9%であり、都市の規模により観察状況に大きな差が生じている。
 
[2] 双眼鏡による観察結果
  参加者各人に双眼鏡を用い、“すばる(プレアデス星団)”のラケットの中の何等級の星まで見えるかを観察してもらい、その結果を基に、都市の規模別の平均観察等級(観察できた星の等級の平均)を算出した。(表2・図1参照)

表2 すばるのラケットの中に見える星の平均観察等級の都市規模別比較
都市の規模
 (人口)
巨大都市
(100万以上)
大都市
(30万以上
100万未満)
中都市
(10万以上
30万未満)
小都市
(10万未満)
全観察地点
の平均
昭和63年度
平成元年度
平成2年度
平成3年度
平成4年度
平成5年度
平成6年度
平成7年度
平成8年度
平成9年度
平成10年度
7.3
7.9
7.8
7.5
8.0
8.2
8.5
8.0
8.0
7.8
8.2
8.1
8.3
8.0
8.5
8.1
8.2
8.4
8.0
8.1
8.2
8.4
8.3
7.9
8.0
8.2
8.3
8.3
8.4
8.1
8.1
8.2
8.6
8.6
9.1
9.1
9.2
9.4
9.1
9.0
8.8
8.8
8.5
8.7
8.5
8.6
8.6
8.8
8.8
8.6
8.7
8.5
8.4
8.3
8.6
平成11年度 7.6 8.0 8.3 8.7 8.4

注)星の等級について
  天体を地上で観測した時のみかけの明るさを表した数字。その星自体の明るさを表す絶対等級と区別して、みかけの等級ともいう。等級は数字が1減るごとに約2.5倍明るくなる。
  表2においては、数字が大きいほど暗い星まで見えることとなる。


図1 すばるのラケットの中に見える星の平均観察等級の推移

[3] カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」
  夜空の明るさは、撮影範囲・露出時間等を一定条件にして撮影したカラースライド写真から、光の透過量を測定(測定機器:デンシトメーター)し、それから求めた夜空の明るさを星の等級に換算した値で求めており、数値が小さいほど夜空が明るく、大きいほど夜空が暗い状態を示す。(表3・図2参照)

表3 カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」の都市規模別比較
都市の規模
 (人口)
巨大都市
(100万以上)
大都市
(30万以上
100万未満)
中都市
(10万以上
30万未満)
小都市
(10万未満)
全観察地点
の平均
昭和63年度
平成元年度
平成2年度
平成3年度
平成4年度
平成5年度
平成6年度
平成7年度
平成8年度
平成9年度
平成10年度
17.5
17.0
17.8
17.0
17.7
18.2
18.5
18.0
17.7
18.1
18.6
18.3
18.3
17.9
18.1
17.7
18.1
18.4
18.0
17.7
18.1
19.7
18.8
18.6
18.6
18.2
18.4
18.9
18.9
19.0
19.2
19.4
21.8
21.0
21.0
20.8
20.8
20.6
21.1
21.4
20.8
20.7
20.6
20.7
19.9
19.8
19.8
19.6
19.5
19.9
19.7
19.8
19.7
19.9
平成11年度 17.5 17.9 18.9 20.8 19.8


図2 カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」の推移

 

[参考]
平成11年度冬期観察において夜空の明るさが星の観測に適していた場所
夜空の
明るさ
(等級)
都道府県 市区町村 観察場所(参加団体)
22.4 宮崎県 みやざきし
宮崎市
つばきやま
椿山森林公園駐車場(椿山スターウォッチング研究会)
22.3 栃木県 おおたわら
大田原市
与一公園駐車場(夢集団・星とロマンを語る会)
22.2 岡山県 かもがわちょう
加茂川町
加茂川町ストックファーム(加茂川町)

22.0
鹿児島県 かささちょう
笠沙町
笠沙美術館(黒瀬展望ミュージアム)パティオ(コスモ笠沙'21)
宮崎県 さいとし
西都市
アンジュラスの広場(茶臼原星を見る会)
岡山県 ちゅうおうちょう
中央町
ふたかみ
二上山荘駐車場(天邪鬼の会)
福岡県 ほしのむら
星野村
星のふるさと公園内「星の文化館」駐車場
((財)星のふるさと星の文化館)
宮城県 まるもりまち
丸森町
こうや
丸森町立 耕野小学校校庭(丸森町立耕野小学校)
東京都 おがさわらむら
小笠原村
評議平ヘリポート(母島観光協会)
和歌山県 かわべちょう
川辺町
かわべ天文公園臨天ひろば(かわべ天文公園)

注1)   「星の観察に適していた場所」については、カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ(暗さ)」を基本に、肉眼や双眼鏡を使った観察結果や観察日時等も考慮して評価したものである。
 
注2)   この評価の結果は、平成11年度冬期全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)に自発的に参加した団体による任意の地点の観察結果に基づいて評価したものであり、全国の星空を網羅的に調査したものではない。従って、ここで発表した観察地点以外で、「星の観察に適した場所」もあり得る。

3 ホームページの紹介

(1)環境庁ホームページ

  環境庁ホームページ(http://www.eic.or.jp/)報道発表資料の中で、「全国星空継続観察」の実施結果及び実施予定に関する情報を掲載。また、こどものページにおいても、事業を紹介。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課大気生活環境室
室    長 :藤田八暉(内線6540)
 室長補佐 :平塚 勉  (内線6541)
 担    当 :弥吉 元毅(内線6546)
        :佐藤 誠  (内線6546)

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