報道発表資料

平成26年7月3日
自然環境
この記事を印刷

生物多様性条約の実施に関する第5回作業部会(WGRI5)及び第18回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA18)の開催結果について(お知らせ)

 生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)の各議題について検討を行う条約実施に関する第5回作業部会(WGRI5)及び第18回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA18)が、それぞれ6月16日(月)~20日(金)及び6月23日(月)~28日(土)に、モントリオール(カナダ)で開催されました。会合では、資源動員戦略、条約プロセスの効率性、地球規模生物多様性概況第4版、海洋・沿岸の生物多様性、侵略的外来種、合成生物学等、広範な議題について議論され、合計23本の勧告が採択されました。これらの勧告は、COP12で検討される予定です。

1.第5回条約実施に関する作業部会(WGRI5)の概要

会議名称

日本語:第5回条約実施に関する作業部会(WGRI5)

英 語:The fifth meeting of the Ad-Hoc Open-ended Working Group on Review of Implementation of the Convention

開催期間:平成26年6月16日(月)~20日(金)

場所:モントリオール(カナダ)

会議の概要:

本会合では、締約国代表の他、国際機関、NGO等約300名の参加により、合計12本の勧告案が政策的観点から検討され、採択されました(一部留保が付いたものも含む)。主要な議題の概要は下記の通りです。

(1)生物多様性国家戦略の改訂・実施状況レビュー

  生物多様性日本基金を通じた我が国の生物多様性国家戦略改定等への支援に対し、多くの国から謝意や賛辞が表明されました。生物多様性国家戦略の改訂や国別報告書を提出していない国に対して早期提出を強く促し、全ての締約国に対して国家戦略の実施を強化することを求めるCOP12への勧告が採択されました。

(2)条約及び戦略計画2011-2020の実施に関する実施状況評価

  能力養成、科学技術協力及びクリアリングハウスメカニズムについて、それぞれ進捗状況が評価され、今後の展開について議論されました。科学技術協力、能力養成及び技術移転を含む戦略計画の実施及び愛知目標の達成に向けた主要なCOP12の決定については、「ピョンチャンロードマップ2020」としてとりまとめられることとなっています。このうち科学技術協力については、韓国政府のイニシアティブにより新たな枠組みの立ち上げが検討されており、科学技術協力の強化に向けた締約国間の情報共有や協力の実施等を求めるCOP12への勧告が採択されました。

(3)資源動員戦略

COP11で採択された暫定報告枠組みを使った各国の資源動員状況報告等に基づき、資源動員目標等について議論されました。資源動員に関する最終目標については、生物多様性に関する国際的な資金フローを2015年までに倍にして2020年まで維持する目標、COP13における目標の見直し、条約実施のニーズと必要な資金に関するギャップを著しく減少させるための国内の資源動員目標等が議論され、COP12への勧告の主要部分は合意に至らないまま留保付きで採択され、COP12に議論が持ち越されました。

(4)貧困削減及び持続可能な開発のための生物多様性

  貧困削減や開発への生物多様性の統合に関して締約国に行動を求めるとともに、持続可能な開発目標及びポスト2015年国連開発アジェンダについて締約国が戦略計画2011-2020及び愛知目標を適切に反映する必要性を強調し、事務局長に対して関係機関や締約国等と協力してその適切な反映を支援し、結果をCOP13で報告するよう求めるCOPへの勧告が採択された。また、同議題に関連するイニシアティブとして、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップが勧告に盛り込まれました。

(5)条約プロセスの効率性

  条約の効率的な運用方法について議論が行われ、WGRIを補助機関会合とすること、COPとカルタヘナ及び名古屋議定書の締約国会議を同時開催すること、生物多様性国家戦略の査読を試行的に実施することについて決定することや、締約国会議の度に各締約国が国家戦略の実施状況等について報告することを求めるCOP12への勧告が決定されました。

【本会合の公式ウェブサイト】 http://www.cbd.int/wgri5/

2.第18回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA18)の概要

会議名称

日本語:第18回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA18)

英 語:The eighteenth meeting of the Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice

開催期間:平成26年6月23日(月)~28日(土)

開催地:モントリオール(カナダ)

会議の概要:

本会合では、締約国代表の他、国際機関、NGO等約500名の参加により、合計11本の勧告案が科学技術的観点から検討され、採択されました(一部留保が付いたものも含む)。主要な議題の概要は下記の通りです。

(1)地球規模生物多様性概況第4版

地球規模生物多様性概況第4版は、各愛知目標の達成状況に関する科学的分析や、各締約国からの国別報告書や生物多様性国家戦略等に基づき、戦略計画2011-2020及び愛知目標の達成状況及び今後の達成見込みついてとりまとめるものです。本会合では、報告書案について議論が行われ、今後の査読過程を踏まえてCOP12までに報告書及び関連文書を完成させること、戦略計画実施及び愛知目標達成に向けて必要な主要な行動リストを作成することを事務局に求め、COP12に対して、同報告書を歓迎し、事務局及び各締約国が主流化に努め、主要な行動リストの活用を奨励する勧告が採択されました。なお、同勧告に含まれた本報告書の主要な結論は下記の通りです。

○ほとんどの愛知目標について施策の進展があった一方、現状では目標達成には不十分で、目標達成のためには緊急かつ追加的な対策が必要。

○愛知目標の達成は貧困削減や持続可能な開発に大きく貢献する。

○愛知目標達成に向けた行動としては、生物多様性損失の根本原因に対処する主流化施策の実施、生物多様性国家戦略の策定・実施、情報共有や資源動員等が効果的。

○生物多様性と生態系サービスの価値について社会全体のステークホルダーや政府機関に周知することを通じ、戦略計画実施及び愛知目標達成に向けた支援を拡大することが必要。民間参画や主流化にはパートナーシップが必要。

○科学技術協力、能力養成及び技術移転の推進が必要。

○あらゆるセクターからの資金の著しい増加が求められる。

(2)海洋・沿岸の生物多様性

 生態学的及び生物学的に重要な海域の基準に合致する海域の抽出結果について共有され、各国での海域抽出や、関係する科学的知見の活用を各締約国に求め、更なる地域ワークショップの開催を事務局に求めること等を内容とするCOP12への勧告が採択されました。また、水中騒音の生物多様性への影響軽減に向けた措置の実施を各締約国に促すことや、海ゴミの影響や海洋酸性化への対応を求めること等も同勧告に含まれました。

(3)侵略的外来種

ペット・展示生物・生き餌・生食料として導入される侵略的外来種に関係するリスクへの対策に関する自主的ガイダンスの採択とその規制措置等への活用を求めることを内容とするCOP12への勧告が採択されました。同ガイダンスでは、関係機関の役割、リスク評価の実施、リスク軽減に向けた施策の実施、リスク評価や侵略的外来種リストの情報共有等についてとりまとめられています。

(4)合成生物学

合成生物学から生じる構成要素,生物及び産品によって引き起こされる生物多様性等への影響について議論されました。同分野は条約実施に関係する一方、新規事項として優先的な対応をすべきかどうかを決定するためには分析に必要な情報が現在は十分にないと結論づけました。また、事務局による更なる情報収集や専門家会合の開催について要請された一方、生物多様性へのリスク評価や、商業利用時の野外実験や配慮事項等のCOP12への勧告の主要部分については合意に至らないまま留保付きで採択され、多くの事項についてCOP12に議論が持ち越されました。

(5)気候変動と生物多様性

気候変動と生物多様性については、我が国からの提案により、防災・減災に関する国際目標である兵庫行動枠組みに関連し、締約国に対して気候変動への適応及び防災・減災に関する国内施策の実施時に生態系の活用を求めること等を内容とするCOP12への勧告が採択されました。

【本会合の公式ウェブサイト】 http://www.cbd.int/doc/?meeting=SBSTTA-18

連絡先
環境省自然環境局自然環境整備課生物多様性地球戦略企画室
直  通:03-5521-8275
代  表:03-3581-3351
室  長:奥田 直久(内 6480)
企 画 官:柴田 泰邦(内 6660)
室長補佐:中山 直樹(内 6485)

ページ先頭へ