報道発表資料

平成25年12月12日
保健対策 総合政策
この記事を印刷

第15回 化学物質の内分泌かく乱作用に関する 日英共同研究ワークショップの結果について

 第15回化学物質の内分泌かく乱作用に関する日英共同研究ワークショップを、12月9日、10日に愛知県名古屋市において開催しました。本ワークショップでは、両国の研究担当者による研究成果の発表、意見交換及び今後の研究計画の検討等が行われたほか、行政担当者による情報交換等が行われました。

1 目的

 平成11年3月に開催されたG8環境大臣会合において、化学物質の内分泌かく乱作用に関して英国と共同研究を実施することが合意され、5カ年の日英共同研究事業が開始されました。平成16年度に5年間の延長が決定され、さらに平成21年11月の第11回ワークショップにおいて、5年間の継続に関する文書の調印を行い、現在第3期の共同研究を実施しているところです。
 今年度のワークショップでは、調査研究を実施している以下の4つの枠組み(コアプロジェクト)について、両国の研究担当者が成果発表及び意見交換を行った上で、今後の具体的研究課題についての検討を行いました。

4つの枠組み(コアプロジェクト):
Core1:
処理排水中及び環境中の主要な内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質及び新たな化学物質の挙動を推定するための研究、並びにそれら化学物質の環境中への排出を低減するための研究
Core2:
内分泌かく乱化学物質が起こしうる環境リスクを評価するための野生生物への悪影響を推定する方法(試験法)の開発
Core3:
水生生物及びその他の生物の生殖及び成長への影響を把握するための化学物質試験法における様々なエンドポイントの評価(遺伝子レベルや分子生物学的なアプローチ)に関する研究
Core4:
英国及び日本における野生生物への環境リスク(個体群レベルでの影響等)の解析

2 日時

平成25年12月9日(月)、10日(火)

3 場所

名古屋マリオットアソシアホテル(愛知県名古屋市)

4 出席者

日本:
井口泰泉(研究統括者、自然科学研究機構)、田中宏明(京都大学)、山崎邦彦(環境省)、他(16名)
英国:
トム ハッチンソン(研究統括者、プリマス大学)、デビット・ウィリアム(英国 環境・食料・農村地域省)、マイク・ロバーツ(英国 環境・食料・農村地域省)、他(15名)
その他:
豪州の研究者(1名)     

5 結果の概要

(1)日英共同研究におけるこれまでの研究成果及び今後の研究計画について

 両国の研究担当者より、これまでの研究成果についての発表及び今後の研究計画についての議論がなされた。概要は以下のとおり。

[1]
研究成果の概要
Core1:
 医薬品類等の下水処理過程での挙動及び生分解や吸着など環境中での挙動に関する調査結果、環境中濃度の推定等に向けた数理モデルの検証結果並びに環境試料中のエストロゲン及び抗エストロゲン様作用の評価に向けたレポータージーンアッセイの適用に関する研究成果等が報告された。
Core2:
 化学物質の抗アンドロゲン様作用(抗男性ホルモン様作用)等を検出するための新たな試験法の開発に向けたメダカ及びイトヨを用いた検証実験の結果等が報告された。
Core3:
 魚類における化学物質のエストロゲン様作用に対する種ごとの感受性の違い、種々のホルモン受容体を用いたIn vitroアッセイシステムの構築に向けた研究成果及びメダカでのアンドロゲンによる尻鰭の乳頭状突起(二次性徴)の形成メカニズムなど分子生物学的なアプローチによる研究成果等が報告された。
Core4:
  日本における野生のカエル類に見られる精巣卵の調査及びエストロゲン物質を用いた検証実験の結果並びに海産魚類(マハゼ及びボラ)における雄でのビテロゲニン生成及び精巣卵発現等の実態に関する調査結果等が報告された。
[2]
来年度の研究計画
Core1:
 医薬品類等の環境中での光分解、生分解及び吸着メカニズムを考慮した基本的なモデルの検討、フィールドデータに基づくモデル推定値と実測値の差異等についての検証並びに下水処理水等に含まれるエストロゲン又は抗エストロゲン様作用を示す物質の特定に向けた検討等を進める。
 
Core2:
 化学物質の抗アンドロゲン様作用を検出するためのメダカでの尻鰭の乳頭状突起の形成に着目した試験法及び化学物質の内分泌かく乱作用の検出に有効な新たなエンドポイントの検討等を進める。
 
Core3:
 各種魚類でのエストロゲン様物質に対する感受性の差異などエストロゲン受容体とリガンドの相互作用の解明及び各種受容体を用いたレポータージーン試験法の確立等に向けた検討等を進める。
 
Core4:
 野生のカエルについての精巣卵発現等のデータの蓄積及び化学物質との関連性についての検討、並びに海産の魚類及び貝類での各種バイオマーカーについての実態調査並びにそれらの化学物質との関連性等についての検証を進める。
 

(2)行政担当者等による情報交換等について

 化学物質の内分泌かく乱作用に関する取組状況について、日本及び英国の行政担当者等より説明を行い、意見交換が行われた。今後も緊密に情報共有を行うことが確認された。

(3)次回ワークショップについて

 次回ワークショップは平成26年度に英国で開催することが合意された。

※化学物質の内分泌かく乱作用に関する日英共同研究については、下記ホームページ(専門家向け 英語のみ)でも概要を御覧いただけます。
http://www.uk-j.org

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通    03-5521-8261
代表    03-3581-3351
課長    牧谷 邦昭(内6350)
課長補佐  森川 博司(内6365)

環境保健部企画課
環境リスク情報分析官
      山崎 邦彦(内6391)

ページ先頭へ