報道発表資料

平成25年8月30日
総合政策
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南愛媛第一風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、8月30日、愛媛県宇和島市及び南宇和郡愛南町に設置予定の「南愛媛第一風力発電事業」(太陽産業株式会社)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 環境大臣意見では、[1]事業実施区域周辺には他の風力発電事業が多数存在することから、累積的な影響を考慮した環境影響評価を行うこと、[2]事業実施区域内に現存しているアカガシを主体とした照葉樹林の改変を最小限とするよう施設の配置を再検討すること、[3]騒音、振動、動植物等に対する影響については最新の知見を用いて新たに予測及び評価を行うこと等を求めている。
 今後、事業者は、今回の環境大臣意見及び自治体の長からの意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえた環境影響評価の実施が求められることとなる。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、1万kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を経済産業大臣に言うことができるとされている。
 本件は、太陽産業株式会社が南愛媛第一風力発電事業(出力23,000kw、今後事業者において再検討予定)に係る環境影響評価準備書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者には、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる

環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

 本事業は、愛媛県宇和島市、南宇和郡愛南町の稜線沿いにおいて、総出力23,000kw(定格出力1,000kW級の風力発電設備23基、今後、発電施設の規格、配置台数について事業者において再検討予定)の風力発電を新設する事業である。
 本事業の事業実施区域周辺には、他事業者による複数の風力発電事業が建設中又は環境影響評価の手続中であり、本事業の供用時には少なくとも1事業の供用が見込まれている。

3.環境大臣意見の概要

(1)評価書の作成に当たっての全般的な留意事項について

 事業者による風力発電の配置や構造の変更内容を評価書の作成までに確定し、その上で、環境影響評価法、電気事業法、主務省令に従い、必要な事項を記載すること。

(2)環境影響評価の項目の再選定について

 「風車の影」、「生態系」及び「廃棄物等」について、環境影響評価の項目として選定し、適切な調査、予測及び評価を実施し、可能な限り環境影響を回避・低減するよう環境保全措置を講じること。また、工事の実施における「工事用資材等の搬出入」、「建設機械の稼働」及び「造成等施工による一時的な影響」を影響要因とする項目についても選定し、適切な調査、予測及び評価を実施すること。

(3)環境影響評価の予測及び評価結果の再検討について

 事業自体の変更内容を踏まえた上で、各評価項目について、地域の専門家等の意見を踏まえて適切な追加調査を実施し、評価に係る根拠や経緯を明確にし、改めて科学的かつ客観的な予測及び評価を行い、その上で環境影響を回避・低減するための適切な環境保全措置を検討し、これらを含め、全体的に記載を見直すこと。

(4)累積的な影響を踏まえた調査、予測及び評価の実施について

 本事業の供用時には、隣接地において他事業者により風力発電事業の供用が見込まれているため、周辺における風力発電事業の計画を踏まえ、適切な調査、予測及び評価を実施し、可能な限り環境影響を回避・低減するよう環境保全措置を講じること。

(5)騒音及び超低周波音について

 騒音及び超低周波音については、必要に応じて、風力発電設備の配置等を含めた環境保全措置について再検討するとともに、事業者が講ずる環境保全措置による影響の低減効果について定量的に予測及び評価すること。

(6)動物及び植物について

[1]
重要な鳥類等の調査、予測及び評価について
 重要な鳥類等の動向を把握するために必要な調査地点、調査時期、調査回数等の調査の実施手法について、専門家等からの意見を反映し、重要な鳥類等に対する適切な追加調査を実施すること。
[2]
累積的な環境影響を考慮した環境影響評価について
  対象事業実施区域近傍では他の風力発電施設の設置が予定されている。一方、対象事業実施区域周辺は1日あたり最大1,000羽以上のサシバの渡りが確認されており、これらの渡りをする鳥類に対して本事業は障害となることが懸念されることから、累積的な影響について予測及び評価を行い、具体的に評価書に記載すること。
[3]
環境保全措置及び事後調査について
  重要な鳥類等に対する環境影響を可能な限り回避、低減する観点から、風力発電設備等の配置や構造の変更や鳥類の誘引が確認された場合の風力発電設備等の配置や鳥の渡りの時期の稼働制限等を含めた環境保全措置について、専門家等からの意見を踏まえて再検討するとともに、供用後も含めて事後調査を実施すること。
 併せて、衝突等による死亡・傷病個体の確認を高い頻度で適切に実施し、死亡・傷病個体が確認された場合は、関係機関への連絡、死亡・傷病個体の搬送、原因分析への協力を行うとともに、近傍風力発電事業者との情報共有及び必要な措置を検討すること。
[4]
稜線沿いの照葉樹林について
 対象事業実施区域内の稜線沿いにおいて、アカガシを主体とした照葉樹林が現存しており、照葉樹林が事業の実施により改変を受け縮小することから、これを回避・低減するべく、照葉樹林の改変を最小限とする風力発電設備や取付道路の配置について再検討すること。
[5]
渓流等を生息場所とした水生生物への配慮
工事中及び施設供用中における土砂や濁水の流出防止対策を確実に実施すること。

(7)周辺自治体等への意見聴取について

 対象事業実施区域に位置する宇和島市津島町及び南宇和郡愛南町周辺の自治体及び住民等に対する情報提供及び意見聴取を実施し、当該意見を踏まえ、評価書を作成すること。

[参考]

事業概要
・名称
南愛媛第一風力発電事業
・事業者
太陽産業株式会社
・計画位置
愛媛県宇和島市、南宇和郡愛南町
・出 力
23,000kW(1,000kW級風力発電機を23基設置予定※)
※今後、発電施設の規格、配置台数について事業者において再検討予定。
環境影響評価に係る手続
・平成25年6月19日
経済産業大臣から環境大臣への意見照会
・平成25年8月30日
環境大臣意見の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :瀬川 恵子 (内6231)
室長補佐:長谷川敬洋(内6233)
審査官  :柏谷 和久 (内6253)

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