報道発表資料

平成24年10月19日
地球環境
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「低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)」第1回年次会合の開催結果について(お知らせ)

 低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)第1回年次会合が10月16−17日にタイのバンコクにおいて開催されました。このネットワークは、本年4月15日に東京で実施された「東アジア低炭素成長パートナーシップ対話」で日本が提案した「東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォーム」にも位置づけられている気候変動緩和分野の研究者のネットワークです。
 本会合には、14 カ国5 国際機関から合計124 名が出席しました。
 本会合では、低炭素型発展に向けてアジア地域の研究者が共通に取り組むべき、本地域に特徴的な最先端の研究課題を7つの分科会で論議しました。加えて研究者と政策決定者などによる対話セッションにおいて、それぞれの立場からの要望と課題を提示し、アジアの低炭素型発展に向けて智恵を結集し、これを政策や実装につなげていくことが重要との議論を行いました。
 今回の会合の成果は統合報告書に纏められ、気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)のサイドイベント等で発表・報告される予定です。また、上記のほかにも低炭素に関連した様々な会合、機会に向け積極的に発信されます。

1.LoCARNet の概要

(1)経緯

  • アジアの低炭素発展に資する研究、及びその実現に向けた人材育成は、日本に大きな蓄積がある。NIESが主導する研究チームは、アジア太平洋統合評価モデル(Asia-Pacific Integrated Assessment Model:AIM)を用いて各国の低炭素成長の可能性を現地の研究者とともに研究してきた。また、G8諸国の研究機関を中心とした低炭素社会研究国際ネットワーク(International Research Network for Low Carbon Societies: LCS-RNet)は、アジアにおいてはインドネシア、タイ、カンボジア、マレーシア、ベトナムにおいて研究者・政策担当者の対話の促進、研究者間の連携支援のワークショップを開催してきた。こうした活動の結果、アジアにおける低炭素知識を地域で共有すべきとの必要性が浮かび上がってきた。
  • 2011年10月、カンボジア・プノンペンで開催されたASEAN+3環境大臣会合で、環境省・LCS-RNet事務局は当地域の低炭素発展政策形成の基礎的持続的対応能力を高めることを目的としたアジアにおける低炭素開発分野の研究ネットワークの設立を提案した。
  • 2012年4月14日、「東アジア低炭素成長パートナーシップ対話会合」の前日に開催された、NIES、JICA、及びIGESの三機関によるサイドイベント「東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォーム」において、「低炭素アジア研究ネットワーク(英文名称:Low Carbon Asia Research Network: LoCARNet)」の立ち上げを宣言した。
  • 翌 15日のパートナーシップ対話会合にて、細野豪志環境大臣(当時)が LoCARNetの立ち上げを報告した。LoCARNetはナレッジ・プラットフォームの知識中核として機能することが期待されている。

(2)目的

 LoCARNetは、アジア地域の科学に基づく低炭素成長のための政策形成と実行に貢献する研究者のネットワークである。年次会合では、同ネットワークが広くアジア規模で研究者を糾合して科学的政策を構築しようとしていることを関係者に広く周知し、研究の将来方向を模索し、域内の研究を推進するとともに、低炭素アジアの実現に向け、研究者と政策担当者等、関係者との対話を促進することを目的とする。

2.第1回年次会合概要

共催:
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)、アジア開発銀行(ADB)、環境省
タイ・エネルギー及び環境大学院連合(JGSEE)、タイ温室効果ガス管理機構(TGO)
(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)・低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)事務局
日程:
平成24年10月16日(火)−17日(水)
開催場所:
バンコク(タイ)
参加国・国際機関(順不同):
中国・インド・インドネシア・日本・ラオス・マレーシア・ミャンマー・ネパール・オマーン・フィリピン・パプアニューギニア・タイ・米国・ベトナム・ADB・APN・GGGI・UNEP・UNESCAP。
我が国環境省からは関地球環境局長他が出席。

(1)プログラム概要

10月16日
  • 開会式、基調講演(3 講演)、分科会(7 分科会)
10 月17 日
  • 対話セッション(3 セッション)、総括セッション、閉会

(2)主な成果

  • アジア地域の研究者が共通に取り組むべき、本地域に特徴的な最先端の研究課題として、「統合評価モデル利用による統一政策決定」、「森林土壌と土地利用」、「GHGインベントリの体系化と利用」、「低炭素都市の構築」、「新しい発展概念へのアジアの伝統的価値からのインプット」、「国際制度との統一的な政策体系の作り方」、「アジアの特性を踏まえた発展に必要な技術体系のあり方」の7 テーマが議論された。
  • また、政策決定者、並びに関係者による対話セッションにおいて、それぞれの立場からの要望と課題を提示し、アジアの低炭素型発展に向けて智恵を結集し、これを政策および実装につなげていくことが重要との議論が行われた。
  • 気候変動へは喫緊の対応が必要であり、科学的な政策決定のためには世界のあらゆる智恵を集約して対応しなくてはならない。このため、低炭素成長に向けた知識共有の場としてのLoCARNet の重要性が改めて強調された。
  • 低炭素社会構築に向けた手順及び手法は共通でありうるが、一方で解決策は社会経済的また政治的状況によって変わりうる。各国・各地域による低炭素成長に向けた取り組みは、それぞれの国・地域の特長を踏まえたものであるべきで、故にそれぞれの国・地域の自律性を高めてゆくことの重要性が再確認された。
  • また、政策決定者、並びに関係者による対話セッションにおいて、それぞれの立場からの要望と課題を提示し、アジアの低炭素型発展に向けて智恵を結集し、これを政策および実装につなげていくことが重要との議論が行われた。
  • 低炭素成長に関する優良事例や経験、比較分析を共有していくことが重要であり、またこうした過程において地域協力(南南協力)が有効であるとの指摘があった。
  • 国レベルの取り組みと地方レベルの取り組みとのリンクが重要であるとの指摘があった。また、都市が低炭素社会に向けた革新的な取り組みのよい事例となりうることが再確認された。
  • 様々な関係者、とりわけ民間セクターの関与が重要であること、コベネフィットを考慮していくことが不可欠であるとの示唆があった。

3.今後の予定

  • 本会合の成果は報告書として取りまとめられ、11 月下旬から12 月上旬にかけて開催されるCOP18 のサイドイベントやLoCARNet のウェブサイト(以下参照)等で公表される予定。
  • 本会合の成果を含む LoCARNet の進捗は、来年度日本とカンボジアとの共同議長により開催される予定の第2回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話会合において報告される予定。
  • 次回年次会合(第二回)は、2013年7月に神奈川県横浜市で実施される「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」と同時期に開催予定。
  • 低炭素社会構築に向けた手順及び手法は共通でありうるが、一方で解決策は社会経済的また政治的状況によって変わりうる。各国・各地域による低炭素成長に向けた取り組みは、それぞれの国・地域の特長を踏まえたものであるべきで、故にそれぞれの国・地域の自律性を高めてゆくことの重要性が再確認された。

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連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
直通:03-5521-8247
代表:03-3581-3351
 室長  :辻原 浩   (内線 6730)
 補佐  :森 芳友   (内線 6731)
 専門官:星野ゆう子 (内線 6745)
 担当  :稲子谷昂子(内線 6733)

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