報道発表資料

平成24年9月24日
保健対策
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第3回国際化学物質管理会議(ICCM3)の結果について(お知らせ)

 9月17日(月)から21日(金)、ナイロビ(ケニア)において、第3回国際化学物質管理会議(ICCM3)が開催されました。
 今回の会議では、2020年までに化学物質が人の健康・環境に与える著しい悪影響を最小化するような方法で生産・使用されることを目標とした「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)」の実施状況のレビューや今後の活動等についての検討が行われ、国際的に議論が進められている「新規の課題」([1]ナノテクノロジー及び工業用ナノ材料、[2]電気電子製品のライフサイクルにおける有害物質、[3]製品中化学物質及び[4]塗料中鉛)及び[5]ペルフルオロ化合物(PFC)の管理と安全な代替物質への移行について、今後の活動に関する決議が行われました。また、内分泌かく乱物質を新たに「新規の課題」へ追加することについて合意されました。
 また、我が国より、本年9月にSAICM関係省庁連絡会議において策定したSAICM国内実施計画について、報告を行いました。

1.背景

 2006年2月に開催された第1回国際化学物質管理会議(ICCM)において、「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(Strategic Approach to International Chemicals Management:SAICM)が策定されました。
 SAICMは、2002年のヨハネスブルグサミット(WSSD)で採択された「2020年までに化学物質が人の健康・環境に与える著しい悪影響を最小化するような方法で生産・使用されるようにする」との目標(WSSD2020年目標)に向けて、予防的なアプローチの考え方に沿った、科学的なリスク評価に基づくリスク削減、化学物質に関する情報の収集と提供、各国における化学物質管理体制の整備、途上国に対する技術協力の推進等の分野での戦略と行動計画として2006年に定められたものです。この計画のフォローアップのために定期的にICCMを開催することとされています。

2.会議及び関連会合の概要

・開催期間:
平成24年9月17日(月)〜平成24年9月21日(金)
9月16日(日)に、SAICMの進捗、内分泌かく乱物質等に関する技術・情報ブリーフィング、アジア太平洋地域会合を含む各地域会合等が開催された。
・開催場所:
ナイロビ(ケニア)
・主催:
国連環境計画(UNEP)
・出席者:
各国政府代表、関係国際機関、産業界、非政府機関等約120カ国、約550名が参加。 日本政府からは環境省(戸田英作 環境省環境リスク評価室長ほか)、外務省、厚生労働省、経済産業省の担当官が出席
・会議文書等:
議題・会議文書等は以下のウェブサイトから入手可能です。
http://www.saicm.org/index.php?option=com_content&view=article&id=96&Itemid=485

3.会議の主な結果

(1)SAICMの実施状況のレビュー

 SAICMの実施状況については、WSSD2020年目標達成に向けた実施のための着実な努力が様々な主体により進められている一方、途上国では実施のための能力が欠如しており、資金・技術支援が引き続き必要であるとの指摘が途上国等からありました。このため、資金支援等の議論において、この点が考慮されることになりました。

(2)「新規の課題」及び「世界行動計画」への項目の追加等

 第2回ICCMで採択され、国際的に議論が進められている「新規の課題」([1]ナノテクノロジー及び工業用ナノ材料、[2]電気電子製品のライフサイクルにおける有害物質、[3]製品中化学物質及び[4]塗料中鉛)及び[5]ペルフルオロ化合物(PFC)の管理と安全な代替物質への移行について、今後の活動について決議が行われました。また、内分泌かく乱物質を新たに「新規の課題」へ追加することについて合意されました。
 なお、毒性の高い農薬の段階的な禁止について、世界化学物質アウトルック(Global Chemicals Outlook)を踏まえ、アフリカ地域等の途上国より、優先リストを作成すべきとの意見が提出され、次回会合に向けて引き続き議論されることとなりました。
 各分野の決議の主な内容は以下のとおりです。

[1]
ナノテクノロジー及び工業用ナノ材料:SAICM文書の一つである「世界行動計画」に追加する活動項目(工業用ナノ材料に係る情報共有や意識向上に係る活動の推進、人の健康や環境の安全に関する事項についての理解の促進等13項目)を決定しました。また、情報交換の促進、技術及び適切な管理に関するガイダンス(international technical and regulatory guidance)の作成等の取組を促進することが推奨されました。
[2]
電気電子製品のライフサイクルにおける有害物質:SAICM文書の一つである「世界行動計画」に追加する活動項目(関係主体の意識向上・コミュニケーションの強化等、バーゼル条約等における取組への支援等13項目)を決定しました。また、関連する取組の優良事例に係る情報を整理・活用するために引き続き取り組んでいくことを決定しました。
[3]
製品中化学物質:製品中の化学物質のライフサイクルを通して情報共有等を進めるための 国際的なプログラムの立ち上げに係る提案を次回会合に向けて作成することが決定されまし た。
[4]
塗料中鉛:国際的な連携組織(Global Alliance)を通じて、塗料中の鉛の廃絶を目指した取組 を進めることが決定されました。
[5]
ペルフルオロ化合物(PFC)の管理とより安全な代替物質への移行:OECD及びUNEPにより設置された一層の進捗を達成する重要なメカニズムである「国際PFCグループ」に対して、参加者の拡大、関係する条約事務局や国際機関との緊密な協力等が呼びかけられました。
[6]
内分泌かく乱物質:内分泌かく乱物質に関する意識向上や理解の促進のため、協力して行動することが決定されました。

(3)実施のための資金・技術支援

[1]
途上国における能力向上やSAICM実施を支援するための「クイックスタートプログラム(QSP)」については、基金の設立から5年間に限るとされていた拠出の受入れ期間を次回会合まで延長することが決定されました。
[2]
SAICMの長期的な資金支援については、主流化、産業界の関与及び外部資金の活用を含む資金調達の手法(統合的アプローチ)をベースとすることとし、化学物質及び廃棄物分野の長期的な資金支援にSAICMが含まれるようにすることが決定されました。
[3]
また、UNEP事務局長による統合的アプローチに関する来年2月のUNEP管理理事会への提案については、ICCM3での議論を踏まえて作成すべきことが決定されました。

(4)ハイレベル対話

 9月20日(木)には、政府、国際機関、企業、NGOの代表者が参加して、国内の化学物質管理能力の強化についてパネルディスカッションが行われ、WSSD2020年目標の達成に向けて関係者間の連携の重要性が再確認されました。ハイレベル対話での議論を受けて、事務局において、2020年目標の達成に向けたガイダンスを作成することとされました。我が国からは、WSSD2020年目標の達成に向けた今後の戦略を示すものとして、本年9月にSAICM関係省庁連絡会議において策定したSAICM国内実施計画について、報告を行いました。

(5)保健分野の関与の強化

 第2回ICCMにおいて作成することが決議されたSAICM実施への保健分野の関与を強化するための戦略が採択されました。

(6)その他

 SAICM事務局の2013〜2015年の予算案を決定。
 次回、第4回国際化学物質会議(ICCM4)は2015年に開催される予定(開催地は未定)。
 今回の会議では、戸田環境省・環境リスク評価室長が、副議長及び書記として、会議の円滑な進行・運営に貢献しました。

4.評価及び今後の対応

 環境省としては、新規の課題ごとの今後の具体的な取組や途上国の能力向上等のためのQSPの延長等の決定は、WSSD2020年目標達成に向けた取組を強化する上で重要なものと評価しています。
 今後は、今回会議の結果を踏まえつつ、本年4月に閣議決定された第4次環境基本計画、SAICM国内実施計画、「化学物質と環境に関する政策対話」での議論等に基づき、関係省庁を含む様々な主体と連携して包括的な化学物質対策を推進していきます。

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表: 03-3581-3351
直通: 03-5521-8261
課長:上田 康治(内:6350)
補佐:水谷 好洋(内:6356)
担当:森谷 直子(内:6356)
環境リスク評価室
室長:戸田 英作(内:6340)

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