報道発表資料

平成24年9月20日
自然環境
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第5回世界自然保護会議の結果概要について(お知らせ)

 国際自然保護連合(IUCN)主催の第5回世界自然保護会議(WCC5)が9月6日(木)から15日(土)までの10日間、済州島(韓国)で開催されましたのでその結果概要をお知らせします。
 IUCN会員総会では、役員選挙が実施され北島信一氏(前ジュネーブ代表部大使)が南・東アジア地域の地域理事として選出されたほか、生物多様性保全等に係る動議が約180件採択されました。

1.第5回世界自然保護会議(WCC5)の概要

 国際自然保護連合(IUCN;International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)の4年に1度の会員総会と、それに併せて行われる「世界自然保護フォーラム」で構成される。全体テーマは「Nature+(ネイチャープラス)」。本テーマは、自然が私たちの生活のあらゆる側面とつながっているという重要性と、自然のレジリエンス(回復力)の向上について表現したもの。

(1)期日
平成24年9月6日(木)〜15日(土)
(2)場所
済州国際コンベンションセンター(韓国)
(3)参加者
153カ国から、IUCNを構成する会員及び科学者等10,000人以上が参加。我が国からは外務省、環境省、水産庁及び国際自然保護連合日本委員会等NGO等から40人以上が参加。
(4)プログラム
9月6日
開会式
9月7日〜11日
会員総会及び世界自然保護フォーラム
9月12日〜15日
会員総会
会員総会では、役員選挙、決議の採択、2013-2016年のIUCN活動計画の決定等が行われ、世界自然保護フォーラムでは、 550以上のワークショップ、イベント等が開催された。

2.主な結果

(1)環境省関連のサイドイベント

 環境省は、世界自然保護フォーラムにおいて、以下のワークショップ及び展示を主催又は共催した。

(ア)
ワークショップ「地域、国家、地方レベルにおけるAP-BONの確立と推進に向けた主戦略の策定のための国際ワークショップ」(9月8日)
約50人の参加者が出席。アジア太平洋地域における生物多様性観測のネットワーク化促進について議論を行った。
(イ)
ワークショップ「自然を生かした回復力の向上:生態系回復の科学と実践の政策への反映」(9月10日)
約90人の参加者が出席。SATOYAMAイニシアティブにおける社会生態学的生産ランドスケープの指標や、三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興プロジェクトなどを巡り、自然を生かした回復力の向上に関する議論を行った。
(ウ)
ワークショップ「国際的な保全目標の文脈におけるアジア太平洋地域の持続可能な海洋・沿岸資源管理」(9月10日)
約50人の参加者が出席。アジア太平洋地域の各地における、地域社会による海洋・沿岸資源管理の事例について、生物多様性条約の愛知目標11の達成にも貢献するものとして議論を行った。
(エ)
パビリオンイベント※1「アジア保護地域憲章:伝統と21世紀の管理手法の統合」(9月11日)
約20人の参加者が出席。アジア自然公園会議及び同会議で採択を予定しているアジア保護地域憲章について、環境省及びIUCNアジア事務所から紹介し、会議や憲章の内容について参加者を交えた議論を行った。
(オ)
アジア自然公園会議及び三陸復興国立公園に関するブース展示(9月7日〜15日)
平成25年11月に宮城県仙台市で開催するアジア自然公園会議、平成25年度当初に創設を予定している三陸復興国立公園についてポスター展示による紹介を行った。

 また、以下のサイドイベントにおいて、三陸復興国立公園に関するプレゼンテーションを行った。

(カ)
ノレッジカフェ※2「津波後の教訓:自然を活用した対策の災害軽減対策への統合」(9月8日)
東日本大震災における津波の被害からの回復や今後の災害に備えて自然を活用した対策について議論が行われた。
(キ)
パビリオンイベント※1「人々を守るための保護地域」(9月10日)
自然災害や気候変動の影響から人々を守るための保護地域の役割とそのための活動について、世界各地の事例紹介と議論が行われた。
※1:パビリオンイベント:
会議場メインロビー等にテーマ別に設置されたパビリオンスペースで行われるイベント。
※2:ノレッジカフェ:
円卓を用いて少人数(12名程度)で120分間の議論を行うもの。特定のテーマに関する知識を深め、パートナーシップを深めるために最適なイベント。

(2)役員選挙

 IUCNの会長、理事、各専門委員会委員長等の選挙が実施された。新たな会長には中国のチャン・シンシェン(Zhang Xinsheng)氏が選出された。また、南・東アジア地域理事として、我が国からの候補である北島信一氏(前ジュネーブ代表部大使)が同地域1位で選出された。なお、当該理事を1期4年間務めた小池寛治氏(国連大学学長特別顧問)は任期を満了した。

(3)各種動議等の審議

 会員総会では、2013-2016年のIUCN活動計画が決定されたほか、IUCNの運営等に関する決議がなされた。また、生物多様性保全、希少種、保護地域、生態系管理、気候変動、エネルギー等の動議(計186件)が審議され、以下を含む、約180件が採択された。

  • 2013年に日本でアジア自然公園会議が開催されることに配意するとともに、第6回世界自然公園会議をオーストラリアで2014年に開催する(動議45)
  • 地質学的に重要な地域を保護地域として保全するとともに地域の発展にも活用するジオパークなどの取組をIUCNの世界保護地域委員会が支援する(動議56)
  • 生態系を活用した自然災害リスク軽減の方策を推進する(動議75,76)
  • 生物多様性条約第10回締約国会議において採択された「生物多様性戦略計画2011-2020」の重要性を踏まえ、IUCNが同戦略の実施及び愛知目標の達成に貢献することを決定するとともに、各国に対し、着実な国別目標の設定や生物多様性への直接的影響の削減等を求める(動議152)
  • アジア太平洋地域生物多様性観測ネットワークの活動を推進する(動議161)

(4)その他

  • 9月8日には、韓国の主催により「世界国立公園CEOフォーラム」が開催された。各国の国立公園管理機関・部局の長を中心に42カ国から約150名が参加し活発な議論が行われた。日本からはアジア自然公園会議の開催について紹介した。最後に、若い世代や都市住民が自然と触れる機会が減少している問題を踏まえて、2014年の世界自然公園会議に向けて、国立公園を中核とする保護地域において人々と自然をつなげるための世界的キャンペーンを各国が推進する「国立公園と保護地域に関する宣言」が採択された。
  • 9月7日には、世界の保護地域に関する新たな報告書“Protected Planet Report 2012”が公表され、陸域の12.7%、海域の1.6%が保護地域に指定されていることなどが紹介された。本報告書は今後2年毎に公表される予定であり、次回は2014年に開催されるIUCN世界国立公園会議及び生物多様性条約第12回締約国会議に向けて公表される予定。
  • IUCN親善大使を務めるシンガーソングライターのイルカさんが参加し、9月8日夜に世界自然保護フォーラムのプログラムの一つとして開催されたコンサートに出演。 また、9月10日には、親善大使に関するIUCNとの覚え書きに署名し、引き続き2年間IUCN親善大使を務めることとなった。
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
代表:03-3581-3351
 直通:03-5521-8274
 室長   奥田 直久 (内6480)
 企画官 中尾 文子 (内6488)
 担当   森 有希   (内6493)

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