報道発表資料

平成24年9月10日
総合政策
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銭函風力発電事業等5事業に係る環境影響評価準備書に対する環境省意見の提出について(お知らせ)

 銭函風力発電事業等5つの風力発電事業に係る環境影響評価準備書について、9月7日付けで経済産業省資源エネルギー庁に対し、環境影響評価項目の再検討並びに騒音・低周波音及び動植物に関する環境保全措置及び事後調査等を求める環境省意見を提出した。

1.背景

 平成24年10月1日より、風力発電所の設置又は変更の工事の事業が環境影響評価法(平成9年法律第81号。以下「法」という。)の対象事業に追加されることとなっている。
 これに伴い、経済産業省資源エネルギー庁は、これまで自主的に行われてきた環境影響評価手続から法の手続に円滑に移行できるよう、法に準じた手続きを定めた「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」(平成24年6月6日。以下「実施要綱」という。)を策定し、平成24年9月末までは、実施要綱に基づいて手続を行うよう事業者に指導している。
 今回、経済産業省資源エネルギー庁から、銭函風力開発株式会社が事業者となる銭函風力発電事業、松前風力開発株式会社が事業者となる松前北部風力発電事業、日本風力開発株式会社が事業者となる横浜町風力発電事業、六ケ所村千歳風力発電事業及び野辺地陸奥湾風力発電事業に係る環境影響評価準備書について、環境省に対して意見照会があった。
 これら5準備書については、実施要綱に基づく環境影響評価準備書として位置付けられるものであり、今後、事業者には、環境省及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業省勧告を踏まえ、実施要綱(平成24年10月1日以降においては法)に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

2.意見の概要

5事業に共通の意見

(1)法及び関係法令等に従った環境影響評価書の作成について
環境影響評価書の作成に当たっては、法及び発電所主務省令※等関係法令に従い、必要な事項を遺漏なく記載すること。
特に、対象事業の目的及び内容、環境保全措置並びに事後調査については、具体的かつ詳細に記載すること。

※発電所主務省令:「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」(平成10年通商産業省令第54号)

(2)環境影響評価項目の再検討について
当該事業に係る事業特性及び地域特性を適切に整理した上で、環境影響評価項目の選定について再検討すること。
(3)環境影響評価の予測・評価の結果の再検討について
評価の軸は、「環境への影響が実行可能な範囲でできる限り回避・低減されているかどうか」であるべき。また、個々の生物種への影響の可能性が示唆されているにも関わらず、全体としては「影響がない又は極めて小さい」と結論付けるなど、調査結果と乖離が見られる。
評価書においては、根拠や経緯を明確にし、科学的・客観的な評価とするよう見直すこと。
(4)事後調査結果の公表
事後調査を実施した場合には、その結果について公表すること。また、事後調査の結果に応じて、追加的な環境保全措置を実施した場合は、その結果も含めて公表すること。

銭函風力発電事業に対する意見

(1)騒音及び低周波音について
低周波音について「参照値」を用いた評価を行っているが、参照値は環境目標値ではない。現況からの増分等を用いて適切に評価を行うこと。
住宅寄りの5基の風車を削減した効果について、可能な限り定量的に予測・評価を行うこと。
低周波音については対策の効果等に不確実性があることから、事後調査や環境保全措置を適切に実施すること。なお、事後の対策については、環境基準等のみによることなく、現況からの増加も加味し、必要な場合には、稼働時間の調整等を検討すること。
(2)動物及び植物について
鳥類、特に希少猛禽類に対する影響を回避・低減するための環境保全措置について、可能な限り具体的に評価書に記載すること。
オオワシやオジロワシについては、一般に、北海道内において1・2月に出現頻度が最大となると言われているが、この時期の調査が行われておらず、調査が不十分である可能性がある。追加調査の必要性について検討すること。
本地域において多数の猛禽類が確認されていること、鳥類等の衝突の予測は不確実性が大きいことから、事後調査及び環境保全措置について、具体的に評価書に記載すること。併せて、死亡・傷病個体を適切に確認し、関係機関による原因分析への協力等に努めること。
本地域は、北海道自然環境保全指針により「すぐれた自然地域」と位置付けられ、「海岸植生、天然防風林、特異な昆虫等(エゾアカヤマアリ等)の生息地、すぐれた砂丘・砂浜」等の自然要素に配慮すべきとされていることから、こうした目標との整合性について記載すること。
鳥類、特に希少猛禽類に対する影響を回避・低減するための環境保全措置について、可能な限り具体的に評価書に記載すること。
(3)景観について
銭函海岸についても景観の評価の対象範囲(眺望点)に追加することを検討し、検討の結果、対象としない場合にはその理由を具体的に評価書に記載すること。

松前風力発電事業に対する意見

(1)騒音及び低周波音について
騒音及び低周波音の事後調査の実施手法及び事後調査の結果を踏まえて検討すべき環境保全措置について可能な限り具体的に評価書に記載すること。
(2)動物について
本地域において、多数の希少猛禽類が確認されており、その影響を最小化するために予測、評価を再実施し、必要な環境保全措置を講じること。
鳥類の衝突等について、高い頻度の事後調査を実施すること。併せて、死亡・傷病個体を適切に確認し、関係機関による原因分析への協力等に努めること。
(3)景観について
管理棟、変電施設及び蓄電施設等の建設による景観への影響を予測し、評価すること。

横浜町風力発電事業、六ケ所村千歳風力発電事業及び野辺地陸奥湾風力発電事業に共通の意見

(1)複合的な影響を踏まえた環境影響評価の実施について
本事業地周辺では、事業者が実施する複数の事業計画が存在し、工事中及び供用時に騒音や低周波音、景観、動植物等への影響が複合的なものになるおそれがあることから、工事計画を含めた事業計画を具体的に整理し、必要に応じて、周辺における風力発電事業の計画を踏まえ、環境影響評価を実施すること。
(2)騒音及び低周波音について
住居等までに距離が短く、騒音・低周波音が著しく増大することが予測されていることから、風力発電設備等の配置等を含めた環境保全措置について再検討するとともに、事業者が講ずる環境保全措置による低減効果について評価書に記載すること。
騒音及び低周波音の事後調査の実施及び事後調査の結果を踏まえて検討すべき環境保全措置について可能な限り具体的に評価書に記載すること。
(3)動物及び植物について
動物及び植物の調査期間が夏期のみであることから、評価書の作成に当たっては、適切な時期において追加調査を実施すること。
動物及び植物に対する環境影響を可能な限り回避・低減する観点から、風力発電設備等の配置等を含めて検討するとともに、鳥類の衝突等に関する予測については不確実性が大きいことから、事後調査を実施すること。併せて、死亡・傷病個体を適切に確認し、関係機関による原因分析への協力等に努めること。

横浜町風力発電事業に対する意見

風力発電設備の設置個所の一部が特定植物群落である「横浜町のカシワ林」の分布範囲に含まれることから、事業計画を見直し、カシワ林への影響を回避すること。

【参考】

銭函風力発電事業

・事業者
銭函風力開発株式会社
・計画位置
北海道小樽市銭函
・出力
30,000kW(2,000kW級風力発電機を15基設置)
・運転開始予定
平成27年4月

松前北部風力発電事業

・事業者
松前風力開発株式会社
・計画位置
北海道松前郡松前町
・出力
40,000kW(2,000kW級風力発電機を20基設置)
・運転開始予定
平成27年6月

横浜町風力発電事業

・事業者
日本風力開発株式会社
・計画位置
青森県上北郡横浜町
・出力
42,000kW(2,000kW級風力発電機を21基設置)
・運転開始予定
平成29年12月

六ケ所村千歳風力発電事業

・事業者
日本風力開発株式会社
・計画位置
青森県上北郡六ヶ所村
・出力
44,000kW(2,000kW級風力発電機を22基設置)
・運転開始予定
平成29年12月

野辺地陸奥湾風力発電事業

・事業者
日本風力開発株式会社
・計画位置
青森県上北郡野辺地町
・出力
36,000kW(2,000kW級風力発電機を18基設置)
・運転開始予定
平成29年12月

環境影響評価法への経過措置に係る手続

・平成24年6月6日
経済産業省が「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」を公表
・平成24年7月13〜17日
経済産業省への準備書の届出
・平成24年7月20〜23日
環境省への意見照会
・平成24年8月17日
北海道知事意見の提出(銭函風力発電事業及び松前北部風力発電事業)
・平成24年8月22日
青森県知事意見の提出(横浜町風力発電事業、六ケ所村千歳風力発電事業及び野辺地陸奥湾風力発電事業)
・平成24年9月7日
環境省意見(総合環境政策局長意見)の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :田中 紀彦 (内6231)
課長補佐(併)室長補佐
      :上田 健二 (内6238)
室長補佐:横井三知貴(内6233)
審査官  :柏谷 和久 (内6253)
審査官  :田中 貘  (内6232)

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