報道発表資料

平成24年7月31日
地球環境
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第21回地球温暖化アジア太平洋地域セミナー(The Twenty-First Asia-Pacific Seminar on Climate Change)の結果について(お知らせ)

 環境省は、豪州気候変動省エネルギー省との共催、アジア開発銀行の後援により、7月26日(木)・27日(金)の2日間、東京・アジア開発銀行研究所において「第21回地球温暖化アジア太平洋地域セミナー」を開催しました。
 今回のセミナーには、アジア太平洋地域(17カ国)及び国際機関等(12機関)から55名の緩和・適応分野における技術開発・移転事業の担当官、専門家、気候変動に係る行政官が参加し、同地域の技術開発・移転について議論を行いました。
 環境省からは、島田参与が議長を務めたほか、梶原審議官ほかが参加しました。

1.日時

平成24年7月26日(木)・27日(金)

2.主催

環境省、豪州気候変動・省エネルギー省

3.後援

アジア開発銀行

4.事務局

海外環境協力センター(OECC)

5.開催場所

東京・アジア開発銀行研究所(霞ヶ関ビル)

6.参加者

アジア太平洋地域諸国(17カ国)・国際機関等(12機関)の担当官等

7.主な成果

 本セミナーでは、アジア太平洋地域における気候変動に係る技術の開発・移転に関し、同地域の途上国より、緩和・適応分野における技術開発・移転に係る具体的事業から得られた成果や教訓、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の枠組みの下で行われてきた技術ニーズ評価(Technology Needs Assessments: TNAs)の成果と課題、開発援助機関より、関連事業の支援の経験が共有された。その結果を踏まえ、国内の利害関係者間の調整等を行う政府機関の役割、技術ニーズが開発計画に反映されていないこと、気候変動リスク軽減のための公的資金の重要性等について議論が行われた。資金の動員方法については、技術開発のサイクルによって異なることが指摘され、技術開発・移転を促進するためには、技術、資金、政策の全体を俯瞰する必要があることが議論された。各テーマについて以下のような議論が行われた。(結果については、近日中に要約(英文)をまとめ、以下ウェブサイトに公表予定。)
http://www.climateanddevelopment.org/ap-net/seminar/h01.html

(1)技術開発・移転に係る具体的事業から得られた教訓

途上国内で技術関連の事業を進めていくためには、政府のリーダーシップ(ステークホルダー間の調整)、長期的な政策や法制度、公的資金、能力開発が必要。収益が期待できる緩和技術では、民間部門の促進環境の整備が必要。
適応分野においては、一般に技術開発・移転の定義が不明瞭、気候変動の予測や早期警報システム等は開発事業と不可分、公的資金が重要、緩和分野と比べた場合、地域(住民)のナレッジの活用やコミュニティレベルにおける普及活動が重要と認識された。また、保険制度との組み合わせにより、リスク回避の仕組みの構築の可能性も指摘された。
TNAsについては、その結果が途上国の国内の開発計画や予算割当を担当する関係省庁に共有されていないことが根本的な問題との指摘もあった。

(2)技術開発・移転のための資金支援

資金の動員方法は技術開発のサイクルによって異なる。研究開発段階では、技術の育成のために政府の果たす役割が大きいが、商用化、市場拡大、普及段階では、産業界や金融機関とのリンケージが重要。特に技術の普及段階では、資金の形態(融資、貿易保険等)を考慮すべき。
緩和技術の促進のためには、カーボン・ファイナンス(例:クリーン開発メカニズム(CDM))の効果についても議論された。CDMが技術開発・移転に一定の効果があった一方で、より高度な技術を促進するためには限界があったことが認識された。
国内外の金融機関が、融資の検討ができるように、気候変動に係る技術を理解するための能力開発が必要であることも提案された。
技術移転の推進に向けて、新たに設立された緑の気候基金(GCF)への高い期待が寄せられた。

(3)技術開発・移転に向けたスキームとプラットフォームのあり方

ネットワークの確立、強化、効果的な活用の重要性が議論された。環境省と国連環境計画(UNEP)がイニシアティブを持つ「アジア太平洋適応ネットワーク(Asia Pacific Adaptation Network: APAN)」の経験を通じ、国内のフォーカルポイント、5つの専門グループとともに、地域センターの果たす意義について共有された。
国際的・地域的な取り組みは、途上国やその地域レベルのコミュニティにも共有されるべきだとの意見も出された。特に、特定の技術や資金の仕組みについては、途上国によってニーズが異なるので、途上国のフォーカルポイントが、技術ニーズと資金の仕組みのマッチングを行うことが重要である旨、共有された。
ナレッジ・マネジメントや能力強化も、アジア太平洋地域において、技術開発・移転の重要な要素だと認識された。例えば、技術移転に関する専門家グループ(Expert Group on Technology Transfer: EGTT)が構築してきたTT Clear等のウェブサイトは、同地域のプラットフォームづくりに補完的に活用されるべきとの意見が出された。
連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
直通:03-5521-8330
室長:新田 晃
補佐:浦上 亜希子
係員:大嶋 恭 子

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