報道発表資料

平成12年8月29日 この記事を印刷

ダイオキシン類の環境測定に係る精度管理指針(案)の作成及びパブリックコメントの実施について

1. 環境庁では、今般、ダイオキシン類の環境測定を実施する機関が精度管理の観点から自ら講ずべき措置を定めた「ダイオキシン類の環境測定に係る精度管理指針」の案を作成したのでパブリックコメントのために公表する。今後、測定分析機関等の意見を求めた上で必要な修正を加え、本年10月を目途に確定し、公表する予定である。環境庁としては各測定分析機関等において本指針に準拠した業務管理が行われるよう、その普及に努めることとしている。

2. このような指針を作成する背景は、ダイオキシン類の環境測定が、操作が煩雑で熟練した技術を必要とし、かつ、要求される測定濃度レベルが極めて低いために、その精度管理が不可欠となっていることである。
 このことは、環境庁が(財)日本環境衛生センターに委託して実施したダイオキシン類に係る環境測定分析統一精度管理調査においても、問題点が明らかにされ、精度管理のための取組の継続・強化の必要性が指摘されている。
 また、平成11年3月にダイオキシン対策関係閣僚会議が決定したダイオキシン対策推進基本指針においては、「精度管理事業の充実強化を図りつつ、ダイオキシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針を作成すること等により、ダイオキシン類の測定・分析が可能な公的検査機関及び民間検査機関を育成・拡充」することが規定されている。

3. 環境庁では、上記精度管理調査の一環として、委託先に「ダイオキシン類環境測定精度管理検討会」(座長:森田昌敏国立環境研究所統括研究官)を設け、基本指針に規定されている「ダイオキシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針の検討」を行ってきたが、同検討会において指針案が取りまとめられた。指針案は、第1部において、精度管理を行う上で必要な組織、内部監査、標準作業手順書の作成、品質保証・品質管理計画書及び同結果報告書の作成等を記述している。また、第2部において、試料採取、試料の前処理、ガスクロマトグラフ質量分析計による測定などの各作業毎に精度管理の観点から必要な事項等を記述している。
1.ダイオキシン類の環境測定と精度管理
 ダイオキシン類の環境測定は、試料採取後ダイオキシン類を溶媒により抽出し、必要なクリーンアップを行った上で、高分解能のガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)で定量することにより行われている。持ち込まれた水質試料を熟練した分析技術者が分析を行っても、1週間以上の時間が必要とされている。また、要求される濃度レベルは、ダイオキシン類の環境基準が、例えば水質では1pg-TEQ/lとなっているが、実際の検体では、異性体毎の測定が必要であり、GC-MSに打ち込む段階で0.1pg/μl程度の測定を行うことが要求される。このようなダイオキシン類の環境測定の特質から、その精度管理に係る取組が不可欠となっている。
 環境庁では環境測定分析に関する技術の向上等を目的として、環境測定分析統一精度管理調査(以下「精度管理調査」という。)を実施しているが、平成10、11年度にダイオキシン類を対象とする調査を実施し、去る7月19日、平成11年度の調査報告を発表した。その調査報告では、計算や記入上の誤りがあったほか、土壌試料で一部のダイオキシン類異性体及びコプラナーPCB異性体に異常値として棄却される回答が多かったことなどから、精度管理のための取組の継続・強化の必要性を指摘している。
 また、平成11年3月に策定(同年9月改訂)された「ダイオキシン対策推進基本指針」(以下「基本指針」という。)においては、[1]外部機関や海外施設に検査を委託する場合の信頼性確保の在り方について早急に検討を行うこと、[2]ダイオキシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針を作成すること等により、ダイオキシン類の測定・分析が可能な公的検査機関及び民間検査機関を育成・拡充すること、などが規定されているところであり、環境庁としても対応が必要となっている。

2.ダイオキシン類環境測定精度管理検討会
 精度管理調査は、環境庁が(財)日本環境衛生センター(以下「センター」という。)に委託して実施している。基本指針の規定等に対応するための検討が必要になったことから、平成11年10月、精度管理調査の一環として、センターに「ダイオキシン類環境測定精度管理検討会」(座長:森田昌敏国立環境研究所統括研究官)を設け、専門家による検討を開始した。平成11年度は、主としてダイオキシン類の環境測定において的確な精度管理を実現するための指針について検討を行い、平成12年度第1回の検討会(8月9日開催)において、「ダイオキシン類の環境測定に係る精度管理指針」の案(以下「指針案」という。)がまとめられた( 別添資料参照)。
 環境庁としては、今般、本指針案を公表し、これに対する意見を求めた上で必要な修正を加え、ダイオキシン対策推進基本指針に定める「ダイオキシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針」とする予定である。

3.指針案の概要
 指針案は、第1部総括的事項と第2部各論により構成されている。
(1) 第1部総括的事項
 第1部では、総括的事項として、精度管理を行う上で必要な組織、内部監査、文書・記録の統一的な管理、標準作業手順書の作成、試薬・器具・装置・施設に係る記録の作成、品質保証・品質管理計画書、品質保証・品質管理結果報告書の作成等について記述している。
(2) 第2部各論
 第2部では、試料採取、試料の前処理、ガスクロマトグラフ質量分析計による測定、定量結果の確定及び結果の報告等の各作業毎に精度管理の観点から必要な事項等について記述している。

4.今後の対応
(1) 指針案に対する意見等の聴取
 指針案をよりよいものとするため、ご意見等があれば、平成12年9月28日(木)までに、下記へ提出していただきたい。
送付先
担当:環境庁企画調整局環境研究技術課 精度管理指針担当
(郵便の場合) 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
(FAXの場合) 03−3580−3542
(電子メールの場合) kicho-kengi@eanet.go.jp
(2) 精度管理指針の公表
 (1)により提出のあった意見等に基づき、必要に応じ指針案に修正を加え、平成12年10月を目途に指針を確定し、公表する。
(3) 今後の検討会における取組
 外部機関や海外施設に検査を委託する場合の信頼性確保の在り方について、昨年度末から検討に着手しており、基本的な考え方は整理されている。これについて、更に検討を進めるほか、指針の中で作成することとされている文書等のうち、参考例等を提示すべきものについて、検討を行うこととしている。
(4) 指針の活用
 環境庁としては、ダイオキシン類の環境測定の精度を向上させるとともに、精度管理指針の普及を図るための措置として、平成13年度から環境省が行うダイオキシン類の請負調査等における受託機関の選定に当たって、指針に規定されている事項が確保されているかどうかを、審査することとしている(詳細は別途発表)。

参考1 ダイオキシン対策推進基本指針(平成11年3月30日ダイオキシン対策関係閣僚会議決定、平成11年9月28日改訂)の関連規定

5.ダイオキシン類に関する検査体制の整備
(1)  適切な対策の実施に不可欠なダイオキシン類の検査体制の整備を図る。このため、ダイオキシン類の検査の信頼性を確保するため、国際的動向を踏まえ、排ガス及び排水中の標準的な測定・分析方法について、本年9月までに前倒しでJIS規格を制定し、それ以外の分野についても標準的な測定・検査法を示し、その普及に努める。また、標準として参照できる環境標準試料の供給を行う。さらに外部機関や海外施設に検査を委託する場合の信頼性確保の在り方について早急に検討を行い、平成12年度中に結論を得る。
(2)  地方公共団体の検査機関におけるダイオキシン類の測定分析体制の整備については、平成11年度予算で更に推進する。また、精度管理事業の充実強化を図りつつ、ダイオキシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針を作成すること等により、ダイオキシン類の測定・分析が可能な公的検査機関及び民間検査機関を育成・拡充する。

参考2 平成12年度ダイオキシン類環境測定精度管理検討会検討員名簿
氏名職名
浅田 正三 (財)日本品質保証機構 環境計画センター千葉分析試験所 所長
植田 忠彦 東京都衛生研究所 生活科学部 副参事研究員
塩崎 卓哉 (株)東レリサーチセンター 有機構造科学研究部 環境分析室長
高菅 卓三 (株)島津テクノリサーチ 分析部事業推進室課長
谷   學 グリーンブルー(株) 代表取締役社長
豊田 正武 厚生省医薬品食品衛生研究所 食品部長
福島 実 大阪市立環境科学研究所 生活衛生課 研究副主幹
宮崎 章 通商産業省資源環境総合研究所 水圏環境保全部長
宮田 秀明 摂南大学薬学部教授
森田 昌敏 環境庁国立環境研究所 地域環境研究グループ 統括研究官
脇本 忠明 愛媛大学農学部教授

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局環境研究技術課
課          長 :勝又 宏  (内6240)
 試験研究調整官 :松井 佳巳(内6241)
 主          査 :伊藤 恒之(内6244)
 担          当 :齋藤 広伸(内6246)

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