報道発表資料

平成12年8月25日 この記事を印刷

平成11年度公共用水域等のダイオキシン類調査結果について

1. 環境庁は、平成11年度、全国の公共用水域の水質、底質、水生生物及び地下水質のダイオキシン類について調査を行った。今般、建設省が一級河川で調査した分を含め、同年度の全国的な調査結果を取りまとめた。

2. 平成11年度の調査は、平成10年度の全国調査に比べ地点数・検体数を大幅に増やして行われたが、その調査結果の概要は次のとおりである。

環境媒体 平成11年度調査結果
地点数平均値濃度範囲
公共用水域水質地点
568
pg-TEQ/L
0.24

pg-TEQ/L
0.054〜14
地下水質地点
296
pg-TEQ/L
0.096

pg-TEQ/L
0.062〜0.55
公共用水域底質地点
542
pg-TEQ/g
5.4

pg-TEQ/g
0.066〜230
水生生物 検体
2,832
pg-TEQ/g
1.4

pg-TEQ/g
0.032〜33

3.環境庁としては、この調査結果をダイオキシン類対策特別措置法に基づく各都道府県・市の環境監視等に活用していただくとともに、さらに分析を加え環境基準の検証等のための重要な知見として用いていく。

I 調査の内容

趣旨
 本調査は、水環境中におけるダイオキシン類の実態を全国的に把握し、環境基準の検証等に必要な知見の集積を図るため、平成10年度ダイオキシン類緊急全国一斉調査(以下「平成10年度調査」という。)に引き続き、公共用水域の水質、底質、水生生物及び地下水質について調査を行ったものである。
 なお、一級河川・直轄区間については建設省が調査を分担し、環境庁が行った調査とあわせて、ここに集計した。

調査対象媒体
公共用水域水質・底質、水生生物
地下水質

調査地域及び地点数
1) 公共用水域の水質・底質
 各都道府県毎に、環境基準点を基本とし、各10地点程度を選定。
 なお、建設省調査は、一級河川・直轄区間について各水系2地点程度を選定。
 具体的には、水質568地点(うち建設省調査72地点)、底質542地点(同48地点)を対象。

2) 水生生物
 1)の調査地点のうち、水生生物が採捕可能な地点で実施。
 具体的には、543地点2,832検体(うち建設省調査45地点116検体)を対象。

3) 地下水質
 各都道府県毎に、飲用井戸を中心に、各6井戸程度を選定。
 具体的には、296地点を対象。

検体採取時期
 原則として、平成11年9月から11月。

調査対象物質
 ダイオキシン類(PCDD、PCDF及びコプラナーPCBのうち表1に示す異性体)を対象とし、各異性体の毒性等価係数(TEF)はWHO−1998によった。
 異性体ごとの定量下限値及び検出下限値は表1のとおり。
 検出限界値未満の数値の取扱は、それぞれの異性体について、検出下限以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満の値は検出下限の1/2の値を用いて、各異性体の毒性等量を算出し、それらの値を合計して毒性等量を算出した。

調査方法
1) 公共用水域水質・地下水質
河川水は、原則として2回、測定を行った。1検体は、試料水を2日に分けて採取し、混合したものを用いた。
湖沼、海域、地下水については、1回・1日の試料水を採取し測定した。
その他については、日本工業規格「工業用水・工場排水中のダイオキシン類及びコプラナーPCBの測定方法JIS K 0312 : 1999 」によった。

2) 底質
 ダイオキシン類に係る底質調査暫定マニュアル(平成10年7月環境庁水質保全局水質管理課)によった。

3) 水生生物
 ダイオキシン類に係る水生生物調査暫定マニュアル(平成10年9月環境庁水質保全局水質管理課)によった。

II 調査結果

公共用水域水質
 公共用水域の水質については、全国568地点で調査を実施した。
 ダイオキシン類濃度の平均値は0.24pg-TEQ/lで、平成10年度調査結果(平均0.40pg-TEQ/l)より低く、濃度範囲は0.054〜14pg-TEQ/lで、平成10年度調査結果(0.0014〜13pg-TEQ/l)とほぼ同程度であった。
 また、環境基準(1pg-TEQ/l)を超過したのは10地点(全体の1.8%)であった。


地下水質
 地下水質については、全国296地点で調査を実施した。
 ダイオキシン類濃度の平均値は0.096pg-TEQ/lで、平成10年度調査結果(平均0.081pg-TEQ/l)と同程度であり、濃度範囲は0.062〜0.55pg-TEQ/lで、平成10年度調 査結果(0〜5.4pg-TEQ/l)の範囲内であった。
 また、環境基準値(1pg-TEQ/l)を超過した地点はなかった。


公共用水域底質
 底質については、全国542地点で調査を実施した。
 ダイオキシン類濃度の平均値は5.4pg-TEQ/gで、平成10年度調査結果(平均7.7pg-TEQ/g)より低く、濃度範囲は0.066〜230pg-TEQ/gで、平成10年度調査結果(0〜260pg-TEQ/g)の範囲内であった。


水生生物
 水生生物については、全国543地点2,832検体で調査を実施した。
 ダイオキシン類濃度の平均値は1.4pg-TEQ/gで、平成10年度調査結果(平均2.1pg-TEQ/g)より低く、濃度範囲は0.032〜33pg-TEQ/gで、平成10年度調査結果(0.0022〜30pg-TEQ/g)とほぼ同程度であった。


III 精度管理の実施

 本調査では、ダイオキシン類の測定結果の精度管理のため、環境庁及び(財)日本環境衛生センターが以下の措置を行った。
 各測定機関が作成した試料採取、前処理、分析の各段階における精度管理の計画書を、測定前に審査。
 専門家、(財)日本環境衛生センター担当者及び環境庁職員が、各測定機関の査察を行うとともに、必要に応じて分析手順、チャート等を精査。
 底質及び水生生物の共通試料を各測定機関に提供し、各機関の測定結果を回収して点検。
 以上の結果、分析能力上問題となる機関はなかった。

IV まとめ

1) 調査結果の評価
 本調査は、平成10年度調査と比較して、環境基準点を中心に調査地点・検体数を大幅に増やし実施した。
 各環境媒体ごとのダイオキシン類濃度の平均値は、平成10年度調査のそれに比べ概ね低くなったが、これは調査地点数の増加による影響もあると考えられるので、両年度の平均値の比較をもって経年的な濃度変化を論ずることはできないと考える。
 一方、各環境媒体ごとの検出値の範囲は、調査地点・検体数の大幅な増加にかかわらず、概ね平成10年度調査結果の範囲内であった。

2) 今後の取組
 本調査で明らかになった一部の高濃度事例については、既に関係自治体において原因究明対策などの取組が行われている。
 今後、この調査結果を活かして、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく都道府県・市による環境監視などの適正かつ効果的な運用を図っていく必要があり、環境庁として、その徹底を期していく。
 なお、ダイオキシン類に係る環境監視は、平成12年度以降、ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて、都道府県・市による常時監視に引き継がれる。

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局水質管理課
課 長 :小沢 典夫(内線6630)
 補 佐 :横田 敏宏(内線6637)

環境庁水質保全局企画課
室 長 :岩田 元一(内線6670)
 補 佐 :森川 格  (内線6672)

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