報道発表資料

平成10年5月29日 この記事を印刷

生物多様性条約第4回締約国会議の結果について

生物多様性条約第4回締約国会議(COP4)は、140以上の締約国と地域及び関係国際機関等の参加のもと、去る5月4〜15日に、スロバキア共和国の首都ブラティスラバで開催された。その結果、バイオセーフティ議定書の採択までの日程等が決議されたほか、内陸水、沿岸海洋及び森林の生物多様性に関する作業計画が採択されるとともに、クリアリング・ハウス・メカニズム(CHM)、条約の履行措置、条約の制度的事項とその作業計画などについても決議がなされた。
 開催日
 1998年(平成10年)5月4日(月)〜15日(金)

 開催場所
 スロバキア共和国ブラティスラバ

 出席者
 140以上の締約国と地域及び関係国際機関等。
 我が国からは、鹿野環境庁長官官房審議官を代表として、環境庁、外務省、農林水産省、林野庁、水産庁、通商産業省から計12名が出席。

 主な決議内容
(1)内陸水(inland water)の生物多様性
 水資源開発と流域の生態系の保全の観点から主に議論が行われ、内陸水の生態系、同定と監視、評価方法及び分類法(taxonomy)等に関する作業計画や科学技術助言補助機関(SBSTTA)の活動に関する作業予定等が採択された。

(2)沿岸海洋の生物多様性
 SBSTTA第3回会議(SBSTTA3)で作成された作業計画をもとに検討が行われ、{1}統合的沿岸海洋域管理(IMCAM)、{2}生物資源、{3}保護区域、{4}養殖、{5}外来種に関する作業計画が採択され、また、珊瑚礁に関し、珊瑚の白化現象を分析し、関連情報をCOP5に用意することをSBSTTAに求めることなどが決議された。

(3)農業の生物多様性
 農業の生物多様性の分野では、FAOとの緊密な協力、生物多様性の持つエコロジカルな機能を増進する農法の助長と生物多様性に与える負の影響を小さくする農業システムの導入、農業の生物多様性の評価の方法及び同定と監視のための手段の開発と適用、農業の生物多様性の複数年の作業計画の第1次及び次フェーズの展開のための助言と勧告、予防的アプローチなどについての決議が採択された。

(4)森林の生物多様性
 SBSTTA3で作成された森林の生物多様性に関する作業計画をもとに検討が進められ、森林の生物多様性の保全と持続可能な利用のために必要な研究、協力及び技術の開発に焦点を当てた作業計画が採択された。作業計画の実施に当たっては、各機関は協力して行うこと、地球環境ファシリティ(GEF)に資金協力をもとめることなどが、また、森林に関する政府間フォーラム(IFF)との協調・協力、気候変動枠組条約や砂漠化防止条約との連携・協力など、SBSTTAに対し森林の生物多様性の現状と傾向及び保全と持続可能な利用のための選択肢についてCOP5に助言を用意することなどが決議に含められた。

(5)クリアリング・ハウス・メカニズム(CHM)
 CHMについては、CHMの活動を通じて得られた経験を国別報告書に含めること、CHMの実行にあたって適切なCHM作業グループなどを設けること、CHM活動の啓蒙普及のためのパンフレットやニュースレターを発行することなどが決議された。

(6)バイオセーフティ
 この議題については、{1}第5回作業部会を1998年8月17〜28日に開催すること(於モントリオール)、また、第6回作業部会を1999年2月に開催し(1週間の予定)、引き続いて臨時締約国会議を開催すること(於モントリオールの予定)、{2}臨時締約国会議において採択された議定書は、ニューヨークの国連本部において署名のため採択の日から3ヶ月以内に公開されること、{3}臨時締約国会議においては、バイオセーフティ議定書の採択及び議定書の第1回締約国会議の準備について議論することなどが決議された。

(7)条約第8条(j)の履行(原住民の知識等)
 平成9年11月にマドリードにて行われた原住民の知識に関するワークショップについてホスト国のスペインより報告が、また、原住民の代表からの原住民の知識に対する国際的な保護を求めるアピールが行われた。
 決議については、伝統的知識などに対する保護の法的な形態及び他の適切な形態の適用や開発への助言や条約第8条(j)の実行に関する助言をCOPへ準備することなどを役割とするアドホック・オープンエンドの会期間作業グループを設置すること、作業グループは締約国及び原住民などの代表者を含むオブザーバから構成されること、会合はSBSTTAと連動することなどが決議された。

(8)国別報告書
 国別報告書については、暫定報告書の提出国及び未提出国は1998年12月31日までに報告書を提出するように努めること、事務局は提出された各国の報告書をもとに取りまとめたレポートの改訂版をSBSTTA4に用意、SBSTTAはその内容を検討し、将来の国別報告書の提出間隔及びフォームなどについての勧告をCOP5に用意することなどが決議された。

(9)CSDと生物多様性関連条約、他の国際協定・機関及び関連プロセスとの関係
 生物多様性関連条約、機関やプロセスの事務局との調整及び地域レベル等での関連するプロセスとの協力を継続すること、保護地域においてとられている方法やアプローチなどの優良な管理事例を促進する観点から他のプロセスとの関係を進展すること、2002年のアジェンダ21実行のレビューに貢献するようCOPを支援するための条約の実行に関するレポートを用意することなどが決議された。

(10)制度的事項及び作業計画
 主な内容は、COP5が2週間の期間で2000年の第2四半期に開催されること、COPの運営及びその準備を改善するためのアレンジを検討するオープンエンドの会合を持つこと、当該会合は3日間の期間で、1999年に予定されている会議に連動して開催されることのほか、決議案は遅くてもCOP開始の3週間前に締約国に配布されるようにすること、事務局は通常のCOPの仮注釈議題をできれば会議開催の6か月前に締約国に配布すること、締約国は仮議題について追加提案がある場合は少なくとも6週間前に事務局に知らせることなど、また、SBSSTAの作業形態(modus operandi)及びCOP7までの作業計画を採択、作業計画については通常の各COPにおいてレビューすることなどが決議された。

(11)資金メカニズム
 本件に関しては、条約の活動の資金援助に関する追加的資金源及びGEFからの資金提供を受ける優先的な課題等について議論が行われ、資金メカニズムの効率性、追加的資金源及び資金源に関する追加的ガイダンスについての決議が採択された。

(12)条約の履行の措置
 条約第11条については、生態系アプローチや締約国の条件等に留意しつつ適切な奨励措置の企画と実行を促進すること、奨励措置の形成に向けての最初のステップとして、生物多様性を脅かすものや生物多様性の減少・損失を引き起こす原因を同定すること、奨励措置の企画と実行を支援する法的・政策的枠組みを開発すること、COP5への奨励措置に関するケーススタディを準備することなど、また、奨励措置の企画と実行に関する情報を第2回の国別報告書に含めることなどが決議された。
 条約第13条については、普及啓発は、COPの作業計画のもとすべてのセクター及びテーマに組み入れられ、不可欠な構成要素になること、少なくともCOP7では決議に述べられた活動の実行についての進捗のレビューをすることなどが決議された。
 条約第14条については、影響評価について、情報交換及び経験の共有を目的として生物多様性の影響評価に関するケーススタディなどの様々な情報を事務局に送付すること、事務局はこれらの情報を取りまとめたレポートを準備することなどが、責任と補償については、生物多様性への損害に適用される責任と補償における措置と協定に関する情報を事務局に提出すること、事務局はCOP5での検討のために提出された情報をもとにとりまとめた報告書を用意することなどが決議された。

(13)アクセス及び利益配分
 この議題については、{1}アクセスと利益配分のメカニズム等を検討する会期間会合の開催、{2}条約発効以前に取得され生息域外で保存されている遺伝資源に関する情報の事務局への提供、{3}遺伝資源へのアクセス及び遺伝資源の利用から生じる利益の配分に関し、法律、政策やケーススタディなどすべての関連事項を参考とし、あらゆる選択肢を研究することを役割とする地域バランスのとれた専門家パネルを設定すること、{4}資金メカニズムはアクセスや利益配分についてのメカニズムの形成や能力向上などの支援に重点をおくことなどが決議された。

 次期締約国会議
 生物多様性条約第5回締約国会議(COP5)は、2000年に、ケニア共和国ナイロビにおいて開催される予定。
連絡先
環境庁自然保護局計画課
計画課長 :小林 光   ex6430
 担当官   :伊巻 和貴 ex6482

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