報道発表資料

平成23年12月22日
大気環境
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平成23年度「日本モデル環境対策技術等の国際展開」事業に係る「第10回持続可能な消費と生産に関するアジア太平洋ラウンドテーブル」への参加結果について(お知らせ)

 インドネシア・ジョグジャカルタで開催された「第10回持続可能な消費と生産に関するアジア太平洋ラウンドテーブル(APRSCP)」(主催:インドネシア環境省ほか)において、「日本モデル環境対策技術等の国際展開」事業の一環として、 環境技術等に関するパッケージ施策の推進に関するパネルディスカッションを実施しました。

1.経緯

 アジア諸国においては、著しい経済成長を遂げる中、大気汚染や水質汚濁、温室効果ガスの排出等の環境問題が深刻化しています。 アジア諸国と密接な関係を有する我が国は、アジア諸国がこれらの環境問題に対処し、持続可能な経済発展を実現するため、 国際協力の更なる展開が求められています。このため、環境省では、平成20年6月に「クリーンアジア・イニシアティブ」を提唱し、 我が国の公害克服の経験を基に、環境対策・測定技術、規制体系、 人材育成などをパッケージにして普及・展開し、低炭素型・低公害型社会へ誘導するための施策等を進めることとしています。
 また、平成22年6月に閣議決定した「新成長戦略」において、「日本の『安全・安心』等の制度のアジア展開」、 「日本の『安全・安心』等の技術のアジアそして世界への普及」が掲げられているところです。
 当室では、平成21年度から「日本モデル環境対策技術等の国際展開」事業を開始しており、 その一環として、中国、ベトナム及びインドネシアとの間で、日本の経験に基づき、 適正な環境技術の導入に有効な法制度や人材育成などをパッケージとして推進する協力事業を実施しています。
 今般、インドネシアで開催されるAPRSCPに参加し、アジア諸国において、こうした二国間事業の成果の共有を図るとともに、 環境技術等に関するパッケージ施策の有効性及び必要性等について議論するため、パネルディスカッションを実施いたしました。

2.概要

 (1)開催日時
 平成23年11月10日(木) 16:00〜18:00
 (APRSCPの開催期間は、11月9日(水)〜 11日(金))
 (2)開催場所
 シェラトン・ムスティカ・ジョグジャカルタ ホテル
 (インドネシア・ジョグジャカルタ)
 (3)パネルディスカッションのパネリスト及びコーディネーター(順不同、敬称略)
 パネリスト
 高梨祐司          千葉県環境研究センター センター長
 野口裕司          社団法人 埼玉県環境検査研究協会 業務本部本部長
 ダスルル・チャニアゴ   インドネシア環境省 第7局 標準化・環境技術担当課 課長
 ドゥ・ナム・タン       ベトナム天然資源環境省 環境総局 環境管理科学院 副院長
 レイナルド L. エスグエラ フィリピン科学技術省 産業技術開発研究所 上級科学研究専門家
 西本俊幸          環境省 水・大気環境局 総務課 環境管理技術室長
 コーディネーター
 西宮康二          社団法人 海外環境協力センター 業務部長
 (4)参加者
 のべ約50名
 参加者の所属(順不同):インドネシア環境省、インドネシア地方政府環境部局、 インドネシア企業関係者、SWITCH−Asia、ベトナムクリーナープロダクションセンター、 ドイツ−インドネシア商工会議所、独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所、財団法人地球環境戦略研究機関 等
 (5)開催結果
 パネルディスカッションでは以下のプレゼンテーションが行われました。
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西本室長より、「環境管理のためのパッケージ・アプローチ」と題して、「法制度整備」、「人材育成」、「環境技術の普及」からなるパッケージ・アプローチの重要性、日本のこれまでの公害克服経験、環境管理の実施を担保するスキームや体制構築の具体的手段、インドネシア及びベトナムで実施している二国間協力事業について報告があった。
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ダスルル課長より、「インドネシアにおける環境に優しい技術開発のための政策及び将来の方向性」と題して、インドネシアの環境規制と環境に優しい技術の導入推進のための施策とその概要について報告があった。
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ドゥ・ナム・タン副院長より、「ベトナムにおける最近の環境政策及びパッケージ・アプローチの今後の展望」と題して、ベトナムにおける現在の環境問題及び環境施策の概要、日本との共同政策研究の内容、ベトナムにおけるパッケージ・アプローチの今後の展望について報告があった。
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エスグエラ専門家より、「環境管理のためのパッケージ・アプローチ」と題して、フィリピンにおける現在の環境の状況と課題、パッケージ・アプローチの観点から望まれる施策、有効な環境管理のための環境技術実証(ETV)制度の役割とその効果について報告があった。
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野口本部長より、「環境技術実証(ETV)事業における実証試験について」と題して、日本における環境技術実証事業実施の背景とこれまでの実績、環境技術評価の必要性、実証試験の実際と課題について報告があった。
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高梨センター長より、「『環境保全の規制体系』と『人材育成』をつなぐ環境測定分析統一精度管理調査が果たす役割について」と題して、日本における環境測定分析統一精度管理調査の概要、測定分析精度の重要性及び環境測定分析の精度管理分野における人材育成の重要性について報告があった。
 上記プレゼンテーションを受けて、タン副院長より、環境管理を推進するためには、住民及びコミュニティーの環境に対する認識の向上、そしてそれ以上に政策決定者の環境に対する意識向上が重要であることが指摘されました。また、エスグエラ専門家から、パッケージ・アプローチはフィリピンにおける現在の環境政策の流れにも合致していること、技術やその性能といった基本的な情報がアジア諸国で共有されることがアジア諸国の技術導入の観点からも重要であることが述べられました。西本室長からは、パッケージ・アプローチの適用には、特に実施主体の育成が鍵となること、環境管理の推進に際しては住民のコンセンサスが不可欠であり、住民の意識向上が重要であること、環境技術実証・認証制度についてはアジア共通のスキーム構築を検討することも有益であると考えられることを表明しました。
 最後に、コーディネーターの西宮部長より、以下のとおりパネルディスカッションのまとめがなされました。
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ASEAN諸国各国において環境保全における課題は異なるが、「法制度の整備」、「人材育成」、「環境技術の普及」は、個別の課題として対応されるべきものではなく、包括的に対応することが有効であり、このようなパッケージ・アプローチはASEAN諸国各国において適用できる可能性がある。
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環境管理の推進には住民の関与が不可欠であり、住民の先を見通した考え方や活動を推進する必要がある。ひいてはこれがパッケージの推進にもつながる。
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各国の経済活動はつながっている。そしてその経済活動において、グローバルな市場で生き残るためには、環境の視点は非常に重要であり、そのためにパッケージ・アプローチを効果的に取り入れることは有益であると考えられる。
連絡先
環境省水・大気環境局総務課環境管理技術室
直通:03-5521-8297
代表:03-3581-3351
室長:西本 俊幸(内線6550)
補佐:高野 厚 (内線6551)
担当:山本 享 (内線6554)

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