報道発表資料

平成23年8月1日
大気環境
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平成22年度アスベスト大気濃度調査結果について(お知らせ)

 石綿による大気汚染の現状を把握し、今後の対策の検討に当たっての基礎資料とするとともに、国民に対し情報提供していくため、大気中の石綿濃度の測定を平成17年度より毎年実施しています。今般、平成22年度の測定結果を取りまとめました。
 平成22年度は、全国54地点162箇所を対象としましたが、一部の解体現場内の測定結果を除き、敷地境界及び一般環境において石綿以外の繊維も含む総繊維は特に高い濃度は見られませんでした。
 なお、引き続き石綿による大気汚染の状況を把握するため、平成23年度も大気環境モニタリングを行う予定です。

1.調査目的

 本調査は、平成17年12月27日付け「アスベスト問題に係る総合対策」(「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」決定)に基づき、石綿による大気汚染の現状を把握し、今後の対策の検討に当たっての基礎資料とするとともに、国民に対し情報提供するために実施しているものです。

2.調査方法

(1)調査地点

 旧石綿製品製造事業場等、廃棄物処分場等及び建築物の解体工事等の作業現場をはじめ全国54地点162箇所を対象に、大気中の石綿及びその他の繊維も含む総繊維数濃度の測定を行いました。また、平成22年度は非飛散性の石綿含有建材の廃棄物処理施設への混入が問題となったことから、新たに破砕施設における調査も実施しました。このうち、建築物の解体工事等の作業現場及び破砕施設を除く40地点82箇所については、年2回測定を実施しました。

(2)測定方法

 試料の採取及び分析は「アスベストモニタリングマニュアル(第4版)」(平成22年6月 環境省水・大気環境局大気環境課)に基づいて行いました。これは、光学顕微鏡を用いて石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度を分析し、総繊維数濃度が1本/Lを超過した場合は、電子顕微鏡で石綿を同定する方法です。

(3)測定精度の管理等

 測定結果についての測定者間のばらつきを少なくするため、測定者に対する講習会やクロスチェック等の精度管理を実施しました。
 また、調査の方法、調査結果の評価等については、「環境省アスベスト大気濃度調査検討会」(座長:神山宣彦/東洋大学 客員教授)にて専門家の助言を得ました。

3.調査結果

(1)地域分類別の総繊維数濃度及び石綿成分の割合

 調査結果の概要は、表1及び表2のとおりです。これらには、大気中の調査結果のほか、解体等現場の作業現場内の排気口等における調査結果も併せて示しています。
 また、各調査地点の地域名、調査期間、石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度等は、別添1に記載したとおりであり、石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度が1本/Lを超えた地点の石綿の有無及び石綿の成分の割合は、別添2に記載しました。

ア 発生源周辺地域

 調査を実施した29地点のうち、総繊維数濃度が1本/Lを超えた地点は解体現場(作業現場内の排気口等を含む)の5地点でした。このうち、石綿が確認されたのは、4地点でした。

イ バックグラウンド地域

 調査を実施した21地点のうち、総繊維数濃度が1本/Lを超えた地点はありませんでした。

ウ その他の地域(破砕施設

 調査を実施した4地点のうち、総繊維数濃度が1本/Lを超えた地点は2地点でしたが、いずれも石綿は確認されませんでした。

表1 地域分類別の総繊維数濃度結果

注1)
「解体現場」とは、建築物等の解体、改造又は補修作業現場を意味している。また、「敷地境界」とは、解体現場等の直近で一般の人の通行等がある場所との境界。「セキュリティゾーン前」とは、作業員が出入りする際に石綿が直接外部に飛散しないように設けられた室の入口の外側、「集じん出口」とは、集じん・排気装置の外部への排気口付近を意味している。
平成22年度アスベスト大気濃度調査に関する検討結果を踏まえ、これまで「前室付近」としていたものを「セキュリティゾーン前」とし、「排気口付近」としていたものを「集じん出口」とした。
注2)
平成21年度アスベスト大気濃度調査に関する検討結果を踏まえ、これまで「地域」としていたものを「地点」とし、「地点」としていたものを「箇所」とした。
注3)
各測定箇所の総繊維数濃度の評価に当たっては、平成元年12月27日付け環大企第490号通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」に基づき、注4)の場合を除き、各地点で3日間(4時間×3回)測定して得られた個々の測定値を地点ごとに幾何平均し、その値を当該地点の総繊維数濃度としている。
注4)
解体現場等においては、解体等の工事には短期間で終了するものがあるため、各地点で1日間(4時間×1回)測定し、その測定値を当該地点における総繊維濃度としている。
注5)
ND(不検出)の場合には「計数した視野(100視野)で1本の繊維が計数された」と仮定して算出した値に「未満」を付けて記載している。
注6)
表中の( )内の数値は地域数における内数である。

表2 石綿が確認された地点の石綿成分の割合

 静岡県内の解体現場において、敷地境界では総繊維数濃度が1本/Lを超えていなかったものの、セキュリティゾーン前で高濃度が疑われる現場があったため、直ちに環境省から所管自治体に連絡しました。
 所管自治体において、事業者に対し、原因の究明、今後の対応について指導がなされました。事業者により、作業場内の負圧状況が弱まったことが原因と推測されたことから次の対応が図られました。

セキュリティゾーンのアスベスト飛散防止のための養生強化
作業場内の負圧状況を強化するため、集じん・排気装置を追加
監視員による養生エリア内外の差圧の定期的な記録

 所管自治体が当該解体現場において、セキュリティゾーン前の箇所を含め大気濃度調査を実施し、アスベストによる大気の汚染がないことを確認しています。
 なお、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被災地の建築物における石綿除去工事において確認された、集じん・排気装置の不具合が原因と推察される石綿の飛散事例を踏まえ、平成23年6月30日付け基安化発第0630第1号・環水大大発第110630002号「石綿等が吹き付けられた建築物等からの石綿等の飛散及びばく露防止対策の徹底について」を関係自治体及び関係団体宛て発出しています。

【参考】
大気汚染防止法に基づく石綿製品製造工場に対する敷地境界基準:10本/L(リットル)
WHO環境保健クライテリア(EHC 53):「都市における大気中の石綿濃度は、一般に1本以下〜10本/Lであり、それを上回る場合もある。」「一般環境においては、一般住民への石綿曝露による中皮腫及び肺がんのリスクは、検出できないほど低い。すなわち、実質的には、石綿のリスクはない。」

(2)過去の調査結果との比較(継続調査地域)

 今回の調査のうち29地点60箇所については、過去の調査(平成7年度及び平成17年度〜平成21年度)と同一地点において調査を実施しました。当該地点について、調査地域分類別に集計・整理した平成22年度の結果は、表3のとおりです。
 平成7年度及び平成17年度〜平成21年度の調査結果を比較した表を表4に、グラフを別添3に示しました。総繊維数濃度は、低いレベルで推移していると考えられます。

表3 過去と同一調査地域における平成22年度調査結果(総繊維数濃度)
注1)
各測定箇所の総繊維濃度の評価に当たっては、平成元年12月27日付け環大企第490号通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」に基づき、各測定箇所で3日間(4時間×3回)測定して得られた個々の測定値を測定箇所ごとに幾何平均し、その値を総繊維濃度としている。
注2)
調査地域の分類に当たっては、過去の調査結果においては異なる分類を行っていた地域もあるが、平成22年度の調査地域に合わせて分類した。

表4 同一調査地域における調査結果の比較(総繊維数濃度)
(平成17年度〜平成22年度)

4.今後の対応

 環境省では、引き続き石綿による大気汚染の状況を把握するため、平成23年度も大気環境モニタリングを行う予定です。
 なお、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被災地においても、バックグラウンド地域の大気濃度調査を実施しています。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
直通:03-5521-8295
代表:03-3581-3351
課長:山本 光昭(6530)
課長補佐:栗林 英明(6533)
担当:磯崎 勇太(6534)

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