報道発表資料

平成23年4月21日
自然環境
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未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子の混入に関する検査結果について(お知らせ)

 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)に基づく承認を得ていない遺伝子組換えパパイヤの種子が我が国で流通していないかを把握するため、農林水産省が種苗会社の保有する種子について検査を行っているところ、今般、遺伝子組換えパパイヤの種子が検出されましたのでお知らせします。
 今後、環境省では、生物多様性への影響を防止するため、種苗の流通上の措置、当該未承認遺伝子組換えパパイヤの栽培状況の把握、台湾当局からの科学的情報の収集、学識経験者からの意見聴取をはじめ、農林水産省と連携し、必要な措置を講じることとしています。

1 これまでの経緯

昨年12月、沖縄県内の農産物直売所やホームセンターで販売されていた生果実及び苗の一部において、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律第97号。以下「カルタヘナ法」という。)で未承認の遺伝子組換え体が混入している可能性が示され、その後の検査の結果、農林水産省は生果実8検体のうち、1検体(品種不明)から採取した種子について、遺伝子組換え体であることを確認しました。
これを受けて、農林水産省では、我が国で未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子が流通していないかを把握するため、種苗会社が保有するパパイヤ種子について、遺伝子組換えパパイヤが含まれていないか検査を実施しています。この検査において、今般、対象としている組換え遺伝子配列を持つパパイヤが検出されました。

検査結果

品種名等種苗会社名等検査結果
「台農5号」
(平成18年7月に台湾の種苗会社から輸入された種子(ただし、当該種子は未販売))
有限会社 わかば種苗店
(沖縄県 那覇市)
陽性
なお、これまでに種子23種類(18品目)を検査し、その結果、今回陽性となった「台農5号」を除く全種類が、陰性(対象としている組換え遺伝子配列を持たない)でした。これで、国内で商業栽培されているパパイヤ品種の種子のうち、検査未了のものは2種類のみです。

2 今回確認された遺伝子組換えパパイヤの種子について

パパイヤリングスポットウイルスによる病害への耐性を持たせるために台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの導入遺伝子と同様の塩基配列を持つ種子が、沖縄県内の種苗会社が保有するパパイヤ種子から検出されたもの。
台湾当局からの情報では、台農5号は遺伝子組換え体ではない通常の品種として、交雑育種により昭和62年に開発されたとされており、組換え遺伝子を有することとなった経緯は現時点では明らかになっていません。同種は、他の品種の葉柄が緑色なのに対し、葉柄が赤いなどの特徴があります。今般、検査した種子は、平成17年以降、「台湾農産」(注1)から輸入され「台農5号」(注2)の名称で販売されてきたものと同一であると考えられます。
農林水産省による種苗会社への聞き取りの結果、「台農5号」の輸入・販売に関する情報について、以下のことが確認されています。
今般検査した「台農5号」は、平成18年7月に、「有限会社 わかば種苗店」(沖縄県 那覇市)が、国内の種苗輸入会社である「小林種苗株式会社」(兵庫県 加古川市)を通じ、「台湾農産」から輸入したものであること
「台農5号」の種子は、平成17年以降、すべてが「台湾農産」から我が国に輸入されていること
平成17年以降、「台湾農産」からの「台農5号」の種子の輸入に関与した企業は、
1)
直接、「台湾農産」から輸入した「有限会社 フタバ種苗卸部」(沖縄県 南城市)
2)
「小林種苗 株式会社」を通じて輸入した「有限会社 わかば種苗店」、「株式会社 田中農園」(福岡県 大牟田市)
の4社であること(ただし、「有限会社 わかば種苗店」を除く3社は、現在、当該種子を保有していないとのこと)
4社による「台農5号」の輸入実績は平成20年までであり、いずれの社も平成21年以降、輸入していないこと
4社は、平成22年以降、国内において「台農5号」の種子を販売していないこと
また、農林水産省が昨年12月から本年3月にかけて、計3回、沖縄県内の種苗会社、ホームセンター等を調査した際、「台農5号」の種子は販売されていなかったことから、「台農5号」の種子が市中に存在する可能性は低いものと考えられます。
カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物を環境中で使用(栽培、販売等)する者は、事前に我が国の生物多様性への影響について評価し、主務大臣(農作物の場合、農林水産省及び環境省)の承認を得なければならないとされていますが、現在、国内で承認されている遺伝子組換えパパイヤはありません。
 なお、米国で開発されたパパイヤリングスポットウイルス抵抗性遺伝子組換えパパイヤについては、平成22年3月の生物多様性影響評価検討会における検討の結果、生物多様性への影響を生じるおそれはないとの学識経験者の意見が示されており、他法令の審査終了を待って承認する予定です。(日本版バイオセーフティクリアリングハウス 意見募集実施(第42回)済み案件参照http://www.bch.biodic.go.jp/bch_3_1_8.html
また、当該遺伝子組換えパパイヤによる我が国の生物多様性への影響については、別紙「農林水産省及び環境省の共同見解」を参照してください。
(注1)
英語名:Taiwan Agricultural Development Co., Ltd.、所在地:台湾台北市
(注2)
台湾の種苗会社からの「送り状」(Invoice)における記載は「Papaya Seeds, No.5」又は「Papaya Seeds, Tainong No.5」

3 今後の対応

 生物多様性への影響を防止するため、種苗の流通上の措置、当該未承認遺伝子組換えパパイヤの栽培状況の把握、台湾当局からの科学的情報の収集、学識経験者からの意見聴取をはじめ、農林水産省と連携し、必要な措置を講じます。
 具体的な当面の対応については、次のとおりです。

種苗の流通上の措置

 環境省は、農林水産省とともに、カルタヘナ法第30条に基づき、「有限会社 わかば種苗店」、「株式会社 田中農園」、「有限会社 フタバ種苗卸部」及び「小林種苗株式会社」に対し、以下の事項について、報告することを命じます。

過去5年間における「台農5号」の輸入、販売及び在庫の実績の有無並びにどのような品種と認識していたのか
アの実績がある場合においては、入手先及び販売先並びに入手先・販売先別の取引時期、取引形態及び取引数量
自社若しくは販売先が保有する在庫の回収や廃棄など、生物多様性影響防止のために講じた、または、今後講じる取組
再発防止に向けて講じた、または、今後講じる措置

なお、農林水産省においては以下の対応を実施することとしています。

・栽培されているパパイヤに対する措置

 沖縄県と協力の上、「台農5号」が栽培されているほ場の特定及び遺伝子組換え体の伐採等の処理を行っていくこととしています。また、この際の伐採等の処理の進捗状況について、県から報告を受けることとしています。
 なお、「台農5号」の栽培面積は、沖縄県の聴き取り調査から、現在のところ、パパイヤの商業栽培の総面積(※)の2割弱です。平成22年以降は、当該パパイヤ種子の販売は無いこと及びパパイヤは通常3年ごとに改植されることから、現在の「台農5号」の栽培面積は平成21年と比較して、減少しているものと推定されます。

(※)
平成23年度4月時点の聴き取り調査によれば、約21haです。
・種子及び苗の検査 

 これまでに国内に存在する23種類(18品目)の種子を検査しました。今後は、残り2種類の種子を検査し、結果を公表します。その後、果実中に種子がないために、組織培養や挿し木により育成されるパパイヤ苗(3種類)の検査を早急に完了する考えです。そのため、早急に葉の検査法を確立し、これらについて検査し、その結果を公表することとしています。

・台湾当局との連携

 台湾当局と連携して、非組換え体であるとされてきた台農5号に、いかにして遺伝子組換え体が混入したのかについて原因の究明に取り組むこととしています。

4 備考

遺伝子組換えパパイヤの食品としての安全性については、別途、「食品安全基本法」及び「食品衛生法」により審査される仕組みがあります。
これまでの経緯は、「遺伝子組換え体混入の可能性のあるパパイヤの検査について」(平成23年2月22日公表)をご覧ください。 http://www.env.go.jp/press/13514.html

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8344
室長:牛場 雅己(内:6980)
室長補佐:宇賀神 知則(内:6983)
担当:植竹 朋子(内:6982)

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