報道発表資料

平成11年9月24日 この記事を印刷

平成10年度 農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類調査結果について

環境庁では,農林水産省の協力を得て,平成10年度に農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類調査を実施し,その結果を取りまとめた。
 全国52地点において,農用地土壌及び農作物のダイオキシン類(※)濃度を測定した結果,農用地土壌では平均値が28pg-TEQ/g(最小0.066〜最大130)であり,農作物(6品目)では平均値が0.026pg-TEQ/g-wet(最小0.000071〜最大0.61)であった。
 今後,環境庁では本調査結果を詳細に解析するとともに,今年度以降も引き続き農林水産省と連携して農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類調査を実施し,知見の集積を図り,農用地土壌中のダイオキシン類に由来する曝露リスクの検討に資することとしている。
(※) ここでは,ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(以下「PCDD」という。)
 及びポリ塩化ジベンゾフラン(以下「PCDF」という。)にコプラナーポリ塩化ビフェニル(以下「コプラナーPCB」という。)を含めて「ダイオキシン類」という。
1 調査内容
(1) 概 要
 環境庁では,平成10年度,「ダイオキシン対策に関する5ヶ年計画」に基づき,全国的なダイオキシン類汚染の実態を把握するため,「ダイオキシン類緊急全国一斉調査」を実施した。農用地においても土壌及び農作物のダイオキシン類含有の実態を把握するため,農林水産省の協力を得て,「農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類調査」を実施した。
(2) 調査地域
 全国の農用地52地点(各都道府県1地点以上)
(3) 調査試料
 農用地土壌並びに農作物として水稲(玄米),大根(根),馬鈴薯(塊茎), キャベツ(葉),甘藷(塊根)及び牧草(茎葉)の6品目を調査した。
(4) 調査時期
 平成10年秋から平成11年春にかけて,各調査地点において農用地土壌及び農作物試料を同時に採取し,調査を行った。
(5)

調査方法

  1. 試料の採取
     「ダイオキシン類に係る土壌調査暫定マニュアル」に従い,同一地区の同一作物が栽培されている5圃場程度の各地点において農作物と農作物を採取した地点直下の農用地土壌を5試料ずつ採取し,農作物及び農用地土壌それぞれ等量混合した上で分析に供した。

  2. 試料の分析
     農用地土壌については,「ダイオキシン類に係る土壌調査暫定マニュアル」に従い,前処理,分析を行った。
     農作物については,「農薬登録保留基準告示試験法」に準拠して検体を調製し,「平成9年度食品中のダイオキシン類等汚染実態調査(厚生省)」の分析方法に従い,ダイオキシン類を分析した。

(6)

調査対象物質,換算方法及び定量下限値
 ダイオキシン類(PCDD,PCDF及びコプラナーPCB(14種))を分析した。
 また,ダイオキシン類の分析結果については,1997年にWHOが提案した毒性等価係数(TEF)を換算係数として用いて毒性等量(以下「TEQ」という。)に換算して表示した。以下,調査結果において,ダイオキシン類の濃度表示はすべてTEQ換算した数値である。
 定量下限値については,以下のとおり。

対象物質 ダイオキシン類
PCDD及びPCDF コプラナー
PCB
4,5塩素化物 6,7塩素化物 8塩素化物
農用地土壌
農作物 大根、
キャベツ
0.025 0.05 0.125 0.05
甘藷,
馬鈴薯
0.05 0.10 0.25 0.10
水稲,
牧草
0.10 0.20 0.50 0.20

 なお,単位については,農用地土壌の場合pg/g,農作物の場合pg/g-wet。

2 調査結果

 52地点における調査結果は,以下のとおり(表1,表2)。

(1) 農用地土壌
 ダイオキシン類の濃度は,平均値が28pg-TEQ/g(最小0.066〜最大130)であった。平成11年3月に環境庁,厚生省及び農林水産省が連携して実施した「埼玉県所沢市を中心とする野菜及び茶のダイオキシン類等実態調査」の農用地土壌調査結果(最小3.1〜最大23(n=11))を含め,これまでの農用地における土壌調査結果(最小0.22〜最大370(n=75))と比較して,概ねその範囲内であった。
(2) 農作物
 ダイオキシン類濃度は,農作物(6品目)全体では,平均値が0.026pg-TEQ/g-wet  (最小0.000071〜最大0.61)であった。
  作物種ごとでは,キャベツは平均値が0.0046pg-TEQ/g-wet(最小0.00009〜最大0.018)  甘藷は平均値が0.0085pg-TEQ/g-wet(最小0.00025〜最大0.047),水稲は平均値が  0.025pg-TEQ/g-wet(最小0.00019〜最大0.13),大根は平均値が0.00057pg-TEQ/g-wet  (最小0.000071〜最大0.0019),馬鈴薯は平均値が0.0075pg-TEQ/g-wet(最小0.00033  〜最大0.021),牧草は平均値が0.12pg-TEQ/g-wet(最小0.0044〜最大0.61)であっ た。
 平成11年3月に環境庁,厚生省及び農林水産省が連携して実施した「埼玉県所沢市 を中心とする野菜及び茶のダイオキシン類等実態調査」の農作物調査結果(最小0.0085〜最大1.7(n=16)),厚生省の「平成9年度食品中のダイオキシン類等汚染実態  調査」(農作物について最小ND〜最大0.43(n=70)),平成11年2月にJA所沢が発表した「所沢産農作物中のダイオキシン類濃度調査結果について」等のこれまで  の農作物調査結果(最小ND〜最大1.7)と比較して,概ねその範囲内であった。
3 調査結果のまとめ
(1) 農用地土壌についてのダイオキシン類の濃度は,平均値が28pg-TEQ/g(最小0.066〜   最大130)であり,概ね従来の調査結果の範囲内であった。
(2) 農作物についてのダイオキシン類の濃度は,平均値が0.026pg-TEQ/g-wet(最小0.000071〜最大0.61)であり,概ね従来の調査結果の範囲内であった。
(3) 今後,本調査結果を詳細に解析するとともに,今年度以降も引き続き農林水産省と連携して農用地土壌及び農作物に係るダイオキシン類調査を実施し,知見の集積を図り,農用地土壌中のダイオキシン類に由来する曝露リスクの検討に資することとしている。

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :西尾  健 (内線6650)
 補 佐 :福盛田共義 (内線6652)
 係 長 :米田 太一(内線6654)

ページ先頭へ