報道発表資料

平成22年5月25日
自然環境
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生物多様性条約第14回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA14)の結果について(お知らせ)

 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の各議題について検討を行う生物多様性条約第14回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA14)が5月10日(月)〜21日(金)に、ナイロビ(ケニア)で開催されました。
 同会議では、2010年以降の条約の目標(ポスト2010年目標)、持続可能な利用、生物多様性と気候変動、保護地域等広範な分野について議論されました。

1.第14回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA14)の結果概要

(1)
開催地・日程
場所:
ナイロビ(ケニア) 国連環境計画(UNEP)本部
日程:
平成22年5月10日(月)〜21日(金)
(2)
主な結果の概要
本会合においては、合計18の勧告案が科学技術的観点から検討され、勧告(一部留保が付いたものを含む)が採択されました。これらの勧告は本年10月に我が国で開催されるCOP10において検討される予定です。
主な議題における結果の概要は以下のとおりです。
ア.
地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)
会合初日の5月10日、生物多様性条約事務局が取りまとめたGBO3報告書が公表され、世界では未だ生物多様性の劣化が進んでおり、「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」との条約の世界目標(2010年目標)は全体として達成されなかったことが結論づけられました。
また、GBO3の結果を受けた条約実施の取組強化、GBO3の広報・普及などが勧告されました。
イ.
2010年以降の成果重視型の最終目標及び目標の検討(ポスト2010年目標)
ポスト2010年目標について科学技術的観点から検討を行うとのSBSTTAの役割に基づき、事務局が作成した5つの最終目標と20の目標案に対して各国から表明された多様な意見が取りまとめられ、5月24日から開催される第3回条約の実施レビューに関する作業部会(WGRI3)での検討のために提出されました。
例えば、保護区に関する2020年までの目標については、海域と陸域の統一的な目標設定の是非について議論されたほか、海域の保護区については6%、10%、15%、陸域については10%、15%、20%といったさまざまな数値目標が提案されました。
ウ.
保護地域
保護地域に関する作業の強化戦略、内陸水の保護、持続可能な資金確保、気候変動に関する適応・緩和、保護区管理の効率性、外来種管理、海洋保護区の推進、保護地域における生態系の回復の推進等を内容とする勧告が採択されました。
作業部会での審議では、生息域のネットワーク構築や国境を越えた管理の必要性、保護地域の実効的な計画・管理のために多くの利害関係者の参画を得ることの重要性、劣化した保護区の回復措置の必要性などが強調されました。
エ.
持続可能な利用
食料用の野生鳥獣(ブッシュミート)の持続可能な利用と保全、持続可能な利用に関するアジスアベバ原則・ガイドラインの適用の推進、農業や林業等に関する持続可能な利用に関する専門家グループの設置などを内容とする勧告が採択されました。
SATOYAMAイニシアティブについては、
[1]
イニシアティブを主導する我が国への謝意、
[2]
SATOYAMAイニシアティブが人間の福利向上及び生物多様性の保全にとって有効な手段と成り得ること
[3]
事務局として適宜SATOYAMAイニシアティブを支援していくこと 等が勧告されました。
多くの国々からSATOYAMAイニシアティブへの賛同、協力が表明されましたが、一部の国からは、イニシアティブの詳細について、COP10までにより理解を深めていく必要があること、また保護貿易主義の根拠とされないことについて意見が示されました。
オ.
海洋と沿岸の生物多様性
2012年までに海洋保護区ネットワークを構築するとの世界目標の達成に向けた取組の推進、公海上の生物多様性保全に関する生物多様性条約からの科学・技術的助言の実施、持続可能でない漁業による影響を検討するための関係機関との協力、海洋酸性化の影響の検討等を内容とする勧告が採択されました。
我が国からは、海洋の生物多様性保全に向けた国際的協調の必要性、持続可能な漁業に関する取組等について指摘したほか、藻場などの生態学的に重要な沿岸地域の劣化防止と回復を各国が行うように求める提案を行い、勧告に盛り込まれました。
カ.
生物多様性と気候変動
気候変動が生物多様性に与える影響の予測や、気候変動への適応のための生態系を基本とした手法(Ecosystem-based approaches)の導入の推進等を内容とする勧告が採択されました。
特に途上国における森林の減少と劣化に由来する排出の削減(REDD)に関しては、REDDへの期待が示される一方、気候変動枠組条約における議論を予断するような文言への警戒も示されました。またリオ3条約(生物多様性条約、気候変動枠組条約、砂漠化対処条約)間の合同作業プログラムに関する勧告についても、肯定論と慎重論の双方が示されました。
キ.
農業の生物多様性
農業および農地が生物多様性に果たす役割の重要性を認識し、国連食糧農業機関(FAO)との連携を図りつつ、2010年以降の各種取組を進めていくことが勧告として採択されました。
また、我が国の提案により、ラムサール条約第10回締約国会議において採択された水田の生物多様性に関する決議X/31(日本、韓国政府共同提案)を各国が完全に履行すること、また、農業生態系、特に水田が生物多様性の保全及びその持続可能な利用に果たす重要性を認識し、更なる調査・研究を推進する勧告が盛り込まれました。
ク.
バイオ燃料
バイオ燃料の生産と使用が潜在的な有益性を有することは、各国の間で概ね認識が共有され、その影響に関する調査・研究を推進していくべきであるとの合意は形成された一方、負の影響に関する認識や取組のあり方については、関係国の間で意見が分かれました。
ケ.
世界植物保全戦略の改定
2011年から2020年までの世界植物保全戦略の改定案が検討され、全ての既知の植物種の保全状況を評価すること、絶滅のおそれのある植物種の少なくとも75%を生息域内で保全すること等を内容とする戦略案が勧告されました。

2.サイドイベントの開催

SBSTTA期間中、SATOYAMAイニシアティブに関する各国・機関の理解の促進を図るため、サイドイベントを環境省及び国連大学の主催により第1週目と2週目の2回開催し、本イニシアティブの趣旨・内容を紹介するとともに、参加者との意見交換を行いました。
サイドイベントには各60〜70名程度の参加者があり、イニシアティブが対象とする地域に関する質問や関連する他の取組との連携のあり方についてのコメント等が出されました。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8150
室長:鳥居 敏男(6480)
室長補佐:中澤 圭一(6433)
担当:奥田 青州(6476)

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