報道発表資料

平成22年1月25日
廃棄物
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絶縁油中の微量PCB に関する簡易測定法マニュアルについて(お知らせ)

 環境省では、微量PCB汚染廃電気機器等の効率的かつ確実な処理の推進の観点から、絶縁油に含まれる微量のPCB濃度を短時間にかつ低廉な費用で測定できる方法(簡易測定法)に関する検討を行ってきました。これまでの検討の結果、活用可能と判断された測定方法について、「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」を作成しましたので、公表いたします。

1.趣旨

 微量PCB汚染廃電気機器等は、PCBが使用されていた電気機器等と異なり、銘板等ではPCBの含有の有無を判断することができず、多くの電気機器等について実際に絶縁油に含まれるPCB濃度の測定を行う必要性があります。このことから、微量PCB汚染廃電気機器等の効率的かつ確実な処理を進めるためには、分析精度が担保されつつ短時間にかつ低廉な費用で絶縁油に含まれる微量のPCB濃度を測定できる方法(簡易測定法)の確立が求められています。
 このような背景のもと、環境省では、調査委託先である財団法人産業廃棄物処理事業振興財団に設置された「微量PCBの測定に関する検討委員会」(微量PCB測定委員会)(委員長:森田昌敏愛媛大学農学部生物資源学科教授)において、絶縁油に含まれるPCB濃度の簡易測定法に関する検討を行ってきました。
 なお、本検討は、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会微量PCB混入廃重電機器の処理に関する専門委員会においてなされた議論等も踏まえつつ実施しています。詳細は、平成21年3月の同専門委員会とりまとめ「微量PCB混入廃電気機器等の処理方策について」(http://www.env.go.jp/council/03haiki/yoshi03-16.html)等をご参照下さい。

2.検討方法

 昨年度に行った公募に対して応募のあった測定方法及び従前より評価を進めてきた測定方法について、簡易測定法に関する測定要件を下記(1)のように定め、下記(2)により検討を行いました。

(1)
測定に関する要件
[1]
絶縁油(トランスに使用される絶縁油(トランス油)及びコンデンサに使用される絶縁油(コンデンサ油))に含まれる微量のPCBを測定することができる方法として、下記の(a)に示す条件又は(b)に示す条件の全てを満たすものであること。
(a)
簡易定量法(PCB濃度を簡易に確定することができる測定方法)含有するPCB濃度が0.5mg/kg程度のものを中心に0mg/kgから1.0mg/kgの範囲にある、トランス油に係る試料とコンデンサ油に係る試料について、(1)から(3)の全てを満たすもの。
(1)
検出下限値が0.15mg/kg以下である。
(2)
前処理を含む3回以上の測定を行った場合の変動係数が15%未満である。
(3)
当該測定方法による測定値と高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法(平成4年厚生省告示第192号別表第2に定める方法)による測定値の差が−20%〜+20%の範囲内に入っている。
(b)
迅速判定法(PCB濃度が基準値以下であることを迅速に判定できる測定方法)含有するPCB濃度が0.5mg/kg程度のものを中心に0mg/kgから1.0mg/kgの範囲にある、トランス油に係る試料とコンデンサ油に係る試料について、(1)から(3)の全てを満たすもの。
(1)
検出下限値が0.3mg/kg以下である。
(2)
前処理を含む3回以上の測定を行った場合の変動係数が30%未満である。
(3)
偽陰性率(基準値(0.5mg/kg)を超えるものを検出できない確率)が1%未満である。
[2]
前処理から分析結果の算定までに要する時間が概ね4時間以内であり、かつ、測定に要する費用(消耗品、人件費、分析機器の減価償却・維持管理、報告書作成費含む)が、年間2万検体受注した場合に概ね1万円以内であるもの。
(2)
検討の概要
 下記のような手順で検討を行った。なお、必要な場合は、検討対象の測定方法を併合又は改良した上で検討を行った。
[1]
調査委託先で用意された共通試料について応募機関による測定を行った。
[2]
応募機関による測定の結果等を基に評価を行い、絶縁油中の微量のPCB濃度の測定ができる可能性があると評価された方法について、応募機関が作成したマニュアルに基づき、共通試料について中立機関による測定を行った。
[3]
中立機関による測定の結果等を基に評価を行い、絶縁油中の微量のPCB濃度の測定に活用ができると判断された方法について、廃電気機器等に使用された絶縁油中のPCB濃度の測定に活用できるよう、測定方法に関するマニュアルを作成した。

3.検討結果及び今後の予定

 これまで行ってきた検討の結果、絶縁油中の微量PCB濃度の測定に活用ができると判断された測定方法(下表参照)について、今般、「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」を別添のとおり作成しました。評価検討作業は現在も継続中であり、検討の結果新たに活用可能と判断される方法を本マニュアルに順次追加し、本年7月1日よりこれらの方法により測定することとします。
 今後は、廃電気機器等に係る絶縁油のPCBによる汚染状況の確認の際に本マニュアルに定める簡易測定法が活用されるよう、必要な周知等を行っていきます。

表絶縁油中の微量PCB濃度の測定に活用ができると判断された簡易測定法

簡易定量法
機器分析法
高濃度硫酸処理/シリカゲルカラム分画/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)法
加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)法
溶媒希釈/ガスクロマトグラフ/高分解能質量分析(GC/HRMS)法
加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/トリプルステージ型ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS/MS)法
加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/ガスクロマトグラフ/四重極型質量分析(GC/QMS)法
PCBの一部の化合物濃度から全PCB濃度を計算する方法
生化学的分析法
加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/フロー式イムノセンサー法

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
代表:03-3581-3351
課長:坂川 勉(内線6871)
課長補佐:松崎 裕司(内線6880)
主査:斎藤 史紀(内線6895)

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