報道発表資料

平成21年5月12日
自然環境
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(お知らせ)平成20年度(第40回)ガンカモ類の生息調査暫定値について

 ガンカモ類の生息調査(通称「全国ガンカモ一斉調査」)は、我が国に渡来するガンカモ類の冬期の生息状況の把握を目的として、昭和45年から各都道府県の協力を得ながら実施しているものです。平成20年度は第40回目の調査実施となり、平成21年1月11日を中心に平成19年度とほぼ同数の全国約9,000地点において約4千人の協力を得て調査を行いました。
 その結果を暫定値として取りまとめたところ、全国において、ハクチョウ類約7万4千羽、ガン類約14万2千羽、カモ類約173万9千羽が観察されました。過去10年間の調査結果の推移を見ると、全国におけるガンカモ類合計の観察数に大きな変化は見られませんでしたが、種別に見ると例年よりやや観察数が少ない種が目立つ年になりました。
 平成20年度は、東北地方を中心に平成19年度に給餌の報告があった地点の半数程度で給餌が行われておらず、給餌を休止した地点では、オオハクチョウやオナガガモの減少が認められました。

1.調査概要
・目的 我が国におけるガンカモ類の冬期の生息状況を把握すること
・調査期間 平成21年1月11日(予備日:1月4日〜18日)
・調査地 ガンカモ類の生息地になっている全国約9,000地点の湖沼等
(ハクチョウ類及びガン類については、原則として全ての生息地を対象とし、カモ類の生息地については、可能な限り多くの生息地を対象としました。)
・調査方法 全国的に定めた調査日に、各都道府県において各調査地点に調査員を配置し、双眼鏡等を使用した目視により、ガンカモ類の個体数を種ごとにカウント
・集計 各都道府県の調査結果を環境省において全国集計
2.結果概要
平成20年度の調査結果の特徴は以下のとおりです。
(1)全国における観察数
 平成19年度とほぼ同数の約9,000の全国の調査地点のうち、約5,900地点でガンカモ類が観察され、そのうちコハクチョウなどのハクチョウ類は約610地点、マガンなどのガン類は約100地点、マガモなどのカモ類は約5,800地点で観察されました。全国における観察数は、ハクチョウ類約7万4千羽、ガン類約14万2千羽、カモ類約173万9千羽でした(表1)。
  • 観察数を平成19年度と比較すると、ハクチョウ類では約7%(約5千羽)、ガン類では約4%(約6千羽)、カモ類では約9%(約16万6千羽)減少したが、過去10年間の調査結果の推移をみると、平成20年度の観察数はこの期間の変動範囲内に収まっている(図1)。
  • ハクチョウ類については、コハクチョウは約1%、オオハクチョウは約13%減少しているが、過去10年間の調査結果の推移を見ると、最近は10%程度の増減を繰り返しており、特に著しい減少とは言えない。
  • ガン類については、マガンやコクガンは平成19年度とほぼ同数が記録されている。一方で、ヒシクイは約30%(約3千5百羽)減少し、過去10年間の調査結果の推移によると増減を繰り返しながら減少傾向にあるように見えるが、越冬地の北上やねぐらの分散の影響もあって個体数の把握が困難な種であるため、正確な変化傾向の把握にはより詳細な調査の実施が必要。
  • カモ類合計は大きな増減を繰り返しているものの、平成20年度は過去10年間では平成12年度に次ぐ少ない年度であり、種類別に見てもほとんどの種の観察数が減少している。特に減少幅が大きい種としては、オナガガモ(約27%、約5万9千羽)とマガモ(約12%、約4万9千羽)が挙げられる。
(2)地域別の傾向
 都道府県別の観察数は表2に示した。
  • ハクチョウ類は、北海道、東北6県及び新潟県の地域で観察数が多く、この地域で全国の約90%に当たる約6万6千羽が観察された。特に、新潟県、宮城県、山形県では、各県とも観察数は1万羽を超えており、3県のみで全体の約63%に当たる。
  • ガン類では、マガンは宮城県で全国の約93%に当たる約12万5千羽が観察され、中でもラムサール条約登録湿地である、蕪栗沼(かぶくりぬま)、伊豆沼、内沼(うちぬま)及び化女沼(けじょぬま)の4湖沼で、そのほとんど(約12万4千羽)が観察された。コクガンは、北海道、青森県、宮城県で全体の97.8%に相当する845羽が記録された。
  • ガン類の中でも、平成19年度と比べ特に観察数の減少が見られたヒシクイには、生態や分布の異なる2亜種(亜種ヒシクイとオオヒシクイ)が知られており、主にオオヒシクイが分布する日本海側の各県では積雪などで年度による記録数の変化が大きく、平成19年度に約3千3百羽と比較的多かった秋田県での観察数が平成20年度は約千2百羽に減少する一方、平成19年度に百羽だった山形県では上池・下池(ラムサール条約登録湿地)で合計約千百羽が観察された。また、年による変動が比較的少なかった宮城県(両亜種が越冬する)での観察数は、平成19年度の約5千羽から約2千9百羽に減少した。特に亜種ヒシクイの多くがねぐらをとることが知られている化女沼での観察数が平成19年度の約3千羽から約千2百羽に減っており、周囲の水田等に分散していた可能性が考えられる。
  • カモ類については、広く全国に分布して観察された。観察数の変動が大きかった種についてみると、マガモは中部地方以西に大きく減少している県が多く、オナガガモは中部地方以北で大きく減少している県が多い。
(3)給餌について
 平成20年度は、平成19年度に給餌の報告があった全国約440地点のうち、東北地方を中心に、半数程度にあたる約240地点で給餌が行われていないという報告がありました。
 また、主要な給餌対象種になっているハクチョウ類及びカモ類のうち減少が著しいオナガガモについて、給餌状況ごとの観察数を平成19年度の結果と比較したところ、以下のとおりでした。
  • オオハクチョウは、給餌休止地点(平成19年度は給餌を実施しているが、平成20年度は給餌を実施していない調査地点)における観察数が減少する一方、非給餌地点(平成19年度、平成20年度とも給餌を実施していない調査地点)における観察数は増加した。(図2-1)。
  • コハクチョウは、給餌休止地点における観察数が増加する一方、非給餌地点における観察数は減少した。(図2-2)
  • オナガガモは、給餌状況に関わらず観察数が減少した。(図2-3)。
 なお、今回の集計結果は暫定値であり、現在行っているデータ精査の結果を踏まえて6月頃を目途に確定値を取りまとめる予定です。本結果を利用される場合には、その点を御留意願います。
3.資料
表及び図は、以下のページから参照できます。
〈ガンカモ類の生息調査の成果物の提供ページ〉
http://www.biodic.go.jp/gankamo/seikabutu/index.html
連絡先
環境省自然環境局野生生物課
電話:03-5521-8283(直通)
     03-3581-3351(代表)
課長:星野 一昭(内6460)
課長補佐:小川 靖志(内6465)
係長:西野 雄一(内6465)

環境省自然環境局生物多様性センター
電話:0555-72-6033(直通)
センター長:鳥居 敏男
総括企画官:阪口 法明
科長:藤田 道男
担当者:吉田 祥子

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