報道発表資料

平成21年3月31日
廃棄物
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福岡県宮若市(旧若宮町)における産業廃棄物不法投棄事案に係る特定支障除去等事業実施計画(案)に対する「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」第4条の規定に基づく環境大臣の同意について

 環境大臣は、総務大臣との協議を経て、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)」第4条の規定に基づき、標記実施計画(案)に平成21年3月30日(月)付けで同意した。

1. 事案の概要等

 福岡県宮若市(旧若宮町)において、産業廃棄物の処理業(収集運搬業・中間処理業)の許可業者であるグリーン産業(株)が、同社敷地内及びその隣接地(以下「当該地」という。)に廃油入りドラム缶等を大量に埋設するなどの不法投棄を行った事案。
 県は、平成2年に、焼却施設の事故等で当該地に滞留していた廃ドラム缶等(200リットルドラム缶換算で7,616本)を行政代執行等により処理した。
 しかし、その後、平成14年度から15年度にかけて旧若宮町及び県が実施した掘削調査により、当該地内地中からドラム缶等が発見され、ドラム缶から漏出した廃油に起因するVOCやダイオキシン類等による土壌汚染及び地下水汚染が確認された。

○ 場所:
福岡県宮若市(旧若宮町)金生字牛谷
○ 許可場所:
[1] 産業廃棄物中間処理業(焼却: 廃プラ、汚泥、廃油)
[2] 産業廃棄物収集運搬業(燃えがら、汚泥、廃油、廃プラ等)
○ 不法投棄量:
[1] 有害産業廃棄物:
・ 廃油
(掘り出し後新しいドラム缶に移し替えて保管中のもの:約20m3
ドラム缶294本から当該地内に流出した廃油[土壌及び地下水を汚染](最大で約40m3と推定)
[2] その他の特定産業廃棄物:
廃油混合土(掘り出し後保管中のもの:約200m3
廃タイヤ、廃プラ等(保管中のもの:約300m3
汚染土壌等(約2,700m3
 高濃度汚染土壌等(約1,000m3
 地中壁外の上流側廃棄物混合汚染土壌(約1,700m3

2. 生活環境保全上の支障

 高濃度のVOC及びダイオキシン類に汚染された地下水により、下流部の水道整備計画区域外の民家井戸等を含む当該地外の地下水を汚染するおそれ。

3. 支障除去等事業の概要

(1)地下水汚染対策

 当該地外から当該地内に流入及び当該地内から当該地外に流出する地下水をコントロールするため、ドラム缶が埋設されていた上流及び下流の断層を取り囲むようにその周囲に鉛直地中壁を設置する。
 当該地内への雨水の地下浸透を抑制して揚水処理する量の減量を図るために、覆土及び雨水集排水路を設置する。
 主たる汚染源である汚染地下水を浄化するために、大口径揚水井戸を設置して、地中壁内の汚染地下水を揚水し、設置した水処理施設において処理して放流する。

(2)廃油、汚染土壌等の処理対策

 県が平成15年から16年にかけて実施した掘削調査において、掘り出して保管している廃油(約20m3)及び掘削汚染物(廃油混合土:200m3、廃タイヤ・廃プラ等:約300m3)は、特別管理産業廃棄物又は産業廃棄物として処理業者に委託して処理する。
 当該地中心付近の高濃度汚染土壌等(約1,000m3)については、大口径揚水井戸等の設置の際に掘削し、処理業者に委託して処理する。
 地中壁外上流側の廃棄物混合汚染土壌(約1,700m3)については、掘削し、環境基準を超過していた場合には場外に搬出し適正に処分する。また、産業廃棄物については土壌と分離して適正に処分する。

4.事業費

約1,170百万円

5.事業実施期間

平成21年度〜平成24年度

6.責任追及の状況

(1)不法投棄行為者等に対する措置等

 グリーン産業(株)は平成8年に解散し、同法人の代表取締役であった3名のうち2名は死亡が確認されており、唯一生存している元代表取締役に対して平成19年9月に措置命令を発出した。また、同社の役員又は従業員についても、今後とも可能な限り調査を行い、不適正処理への関与が明らかになった場合には、徹底した責任追及を行う。
 排出事業者については、平成2年の行政代執行等による撤去実施時に、処理を委託していたことが判明した20社に対して委託量に見合う廃棄物の撤去協力を得ている。今後、新たな把握は困難であるが、新たな排出事業者が判明した場合には、徹底した責任追及を行う。
 土地所有者については、当該地の当時の土地所有者及びその後の土地所有者や関係者に対して、様々な角度から資産状況等の調査を行い、不適正処理への関与が明らかになった場合には、徹底した責任追及を行う。

(2)費用の求償

 行為者等に対して引き続き調査を実施し、不適正処理への関与が明らかになった場合には措置命令を発出し、支障除去等事業に係る費用の求償を行っていく。
 また、違法性のある排出事業者について把握できた場合には、当該排出事業者に対して措置命令を発出し、支障除去等事業に係る費用の求償を行っていく。

7.行政対応の検証と再発防止策

 平成2年の行政代執行前に、廃油入りドラム缶や廃タイヤ等の埋立を、なぜ発見できなかったのか。平成2年の行政代執行時に、また、それ以降、平成14年度の旧若宮町の調査によるドラム缶の確認まで、なぜ発見できなかったのか。この本事案における最も大きな問題点について、人員体制不足、組織体制不足、専門知識欠如、問題意識不足等の根本的な原因により立入頻度の低さ、洞察力不足、粗暴者への対応力不足、市町村行政との連携不足などの面で、日常の立入調査、監視体制が不十分であったものと検証した。
 監視指導については、これまで、専管課の設置、人員の増加、土木職等専門職や現職警察官の配置など監視指導体制の充実強化及び職員の資質向上等の取り組みを図っているが、検証の結果を踏まえ、今後さらに、出先機関の機能強化、警察との連携等による監視指導に係る組織体制の強化、マニュアル整備、情報の共有化、研修会への積極的な参加等による職員の資質向上、不適正処理是正プロジェクトチーム設置等による費用求償措置に係る取り組み強化のほか、市町村等との連携強化、最新技術の導入、学識経験者等の活用等により再発防止策を徹底していくことで、不適正処理の未然防止と早期改善に努め、再び同様の事態が生じることのないよう万全を期していく。

連絡先
環境省環境省廃棄物・リサイクル対策部
適正処理・不法投棄対策室
代表(03)3581−3351
直通(03)5501−3157
室長:荒木 真一(内線 6881)
室長補佐:冨田 悟(内線 6896)
係員:日浦憲太郎(内線 6883)

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