報道発表資料

平成21年1月19日
自然環境
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「いきものみっけ」夏の実施結果の最終取りまとめについて

 環境省生物多様性センターでは、本年7月より、市民参加の生きもの調査「いきものみっけ〜100万人の温暖化しらべ〜」を実施し、夏の調査対象であるセミ3種の確認情報、温暖化に関するアンケート及び自由投稿によるコメントを広く国民の皆さんから収集してきました。今般、夏の実施結果を最終的に取りまとめましたので、お知らせします。延べ報告件数は11,232件(10月28日現在)、うち「いきものしらべ」は9,335件、「温暖化意識しらべ」では1,897件でした。
 夏の「いきものしらべ」では、セミ3種の初鳴き日及びクマゼミの分布域の変化について注目しましたが、ミンミンゼミ及びツクツクボウシは都道府県や地方による初鳴き日の変化の傾向は見られなかった一方、クマゼミでは多くの府県で早くなっていました。また、クマゼミの分布域については定着していると思われる個体だけを見ると、ここ17年での北上は見られないということがわかりました。
 「温暖化意識しらべ」については、寄せられたアンケートを居住地域別、年代別等により集計するとともに、自由投稿で寄せられた温暖化に関するコメントは、多く寄せられた意見や興味深い指摘などについてまとめました。
これらの結果は、公式サイト上でも公表いたします。

1.概要

 「いきものみっけ」では、季節ごとに3種類の生き物や自然現象を対象にその確認日を調べる「いきものしらべ」と、身近なところで何に温暖化を感じているかをアンケート形式で調べる「温暖化意識しらべ」の2項目について、広く一般の方々から情報を寄せていただいています。夏の「いきものしらべ」では、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ及びクマゼミの鳴き声を聞いた日の情報を収集しました。(参考:公式サイト www.mikke.go.jp

2.延べ報告件数について

 10月28日までにいただいた延べ報告件数は、合計11,232件でした(秋以降の調査は除く)。各調査の内訳は、以下のとおりです。

いきものしらべ 温暖化意識しらべ
ミンミンゼミ 4,857 温暖化意識チェック 1,520
ツクツクボウシ 3,065 これって温暖化? 377
クマゼミ 1,413    
合計 9,335 合計 1,897

3.「いきものしらべ」における結果について

 夏の「いきものしらべ」では、セミ3種(ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミ)の鳴いている日や場所の情報を全国からお送りいただき、その結果を都道府県別に集計を行い、1995(平成7)年の「身近な生きもの調査」における結果等と比較し、初鳴き日及び分布の変化について調べました。結果の詳細については、別紙1及び別紙2を御参照ください。

●初鳴き日の結果(概要)
 ミンミンゼミとツクツクボウシは、都道府県や地方による初鳴き日の変化に傾向は見られなかった一方、クマゼミについては多くの府県で早くなる傾向が見られました。これは同じセミ類でも気温への反応は種によって異なるためと考えられます。クマゼミは5月や6月の平均気温と初鳴き日との関係が強い種であることが気象庁のデータから分かっていますが、今回調査した2008年の気温が1995年に比べ高くなったことから、初鳴き日が早くなる傾向が見られたのだと考えられます。
●クマゼミの分布の結果(概要)
 寄せられた1,413件の情報を基にクマゼミの分布図を作成し、1995年に実施した「身近な生きもの調査(セミのぬけがら調査)」と1991年の文献からわかる当時の分布域との比較を行いました。その結果、定着していると思われる個体だけを見ると、ここ17年くらいでは急激な分布の拡大傾向は見られませんでした。ただし、飛び地的な報告が北陸地方や関東北部の3地域からそれぞれ1件ずつありましたので、今後こうした北陸や関東北部の地域でクマゼミが本当に定着しているのか、詳細な調査を重ねる必要がありそうです。

4.「温暖化意識しらべ」における結果について

●「温暖化意識チェック」の結果(概要)
 「温暖化意識チェック」は、季節ごとに設けた4項目の質問にアンケート形式でお答えいただくものです。1,581件の方々に回答をお寄せいただき、その結果、最近温暖化を感じている人の割合は全体の93%(1,418件)に上ることがわかりました。また、「梅雨の前から蚊に刺されるようになった」、「夜、暑くて寝苦しい日が増えた」、「冷房をつける日が増えた」という質問に対しても、半数以上の人が「はい」と回答しました。これらの皆さんの意識と実際のデータとを比較、分析も行いましたので別紙3を御参照ください。
●「これって温暖化?」の結果(概要)
 「これって温暖化?」は、皆さんが普段の暮らしの中で感じている「これって温暖化による変化かな?」と感じた出来事について、200字以内で自由に投稿していただくものです。9月30日時点で377件の投稿がありました(別紙4)。投稿者の属性や投稿内容の傾向を把握するため、都道府県別、年代別、カテゴリー別、キーワード別に集計しました(別紙4、図2−2、表2−1)。また、投稿の中で、多く寄せられた意見や興味深い指摘を選び、「身近な日常生活に関するコメント」、「生き物に関するコメント」、「その他のコメント」に分類しました(別紙4)。ここで御紹介したコメントについては、今後公式サイト上で、「みっけ通信」を通じて専門家による御意見や解説等を配信していく予定です。
<身近な日常生活に関するコメント>
 中高年の方々を中心に、昔に比べて季節感が変化していると感じる、衣替えなどの風習や言葉、食べ物の旬などへの影響を感じている方が多くいらっしゃいました。
<生き物に関するコメント>
 夏の「いきものしらべ」の調査対象であったセミなどの昆虫類を始めとし、渡り鳥、サルやシカなどの哺乳類、植物等様々な生き物の変化に関するコメントがありました。セミの初鳴き日の調査結果でも傾向が見られましたが、温暖化によって全ての生き物に同じような影響が出るわけではないようで、投稿コメントを見ても、セミの中でも早く鳴き始めるもの、温暖化の影響を受けにくいもの、逆に鳴き始めが遅くなるような種もいるようでした。
<その他のコメント>
 「何が本当に地球温暖化の影響なのかわからない」、「何でも地球温暖化のせいにしているのではないか」といった意見もありました。

5.冬以降の「いきものしらべ」について

 「いきものみっけ」では、現在冬の調査である「初氷の観察日」、「ジョウビタキを見た日」及び「マガンを見た日」についての情報を集めています。また、春の調査である「ウグイスの鳴き声を聞いた日しらべ」、「フキノトウを見た日しらべ」、「モンシロチョウを見た日しらべ」もいよいよ始まりましたので、これらのいきものをみっけた方は「いきものみっけ」公式サイトもしくは、郵便またはFAXで御報告ください。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局総務課生物多様性センター
電話:0555−72−6033
センター長:鳥居 敏男
総括企画官:阪口 法明
担当:岡部 佳容

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