報道発表資料

平成20年12月18日
総合政策
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環境基本計画の進捗状況の第2回点検結果について

 中央環境審議会会長より環境大臣に報告のあった第三次環境基本計画(平成18年4月7日閣議決定)の進捗状況の第2回点検結果について、平成20年12月19日(金)の閣議に報告します。
 本報告において、地球温暖化問題に対する取組については、[1]太陽光発電について、大胆な導入支援策や新たな料金システムの検討等を行うこと、[2]排出量取引の国内統合市場の試行的実施については、多くの業種・企業の参加を得、その評価を次の政策に結びつけていくこと、[3]環境税の取扱いを含め、税制のグリーン化を進めること等が、また、物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組については、循環資源ごとに、地域の特性を踏まえて、最適な規模の「地域循環圏」を形成し、地域活性化につなげるべきこと等が指摘されています。

1.第三次環境基本計画の進捗状況の第2回点検について

 第三次環境基本計画においては、中央環境審議会が、国民各界各層の意見も聴きながら、環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、その後の政策の方向について政府に報告することとされています。
 今回の点検は、昨年に続き2回目の点検となりますが、去る12月12日、点検結果が中央環境審議会会長から環境大臣に報告されました。環境省は、この点検結果を、12月19日、閣議に報告します。

2.中央環境審議会における第2回点検の進め方

○ 中央環境審議会総合政策部会において
・国民及び地方公共団体へのアンケート調査
・環境の各分野の指標の状況
・各府省の取組状況等
をもとに、点検が行われました。
○ また、効率的に点検を実施するため、
・計画に記載された10の重点分野政策プログラムのうち、重点的に点検を行う分野(下表)を選定し、
・特に焦点を当てて審議を行う重点調査事項を設定して、審議が進められました。
 参考:現時点の想定スケジュール(時々の事情等を踏まえて確定していきます。) 網掛け部分はH20点検分野
重点分野政策プログラム名 H19 H20 H21 H22
(1)地球温暖化問題に対する取組
(2)物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組
(3)都市における良好な大気環境の確保に関する取組
(4)環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組
(5)化学物質の環境リスクの低減に向けた取組
(6)生物多様性の保全のための取組
(7)市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり
(8)環境保全の人づくり・地域づくりの推進
(9)長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備
(10)国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進

3.点検報告書の概要

(1)全般的評価

(総括)

 環境保全に関する取組状況についてみると進展がみられるが、各分野で、未だ、多くの課題を抱えている状況。
 各主体が連携した取組を総合的に進めることが必要。

(各主体の状況)

 環境の状況については、地球レベルでの悪化を実感している国民の割合が高い。
 国民が環境保全に重要な役割を担うという認識は強いことから、国民の環境保全行動の実行率を更に向上させるための取組が望まれる。
 地方公共団体と事業者・民間団体との連携・協働の仕組みづくりが求められる。

(2)重点点検分野の点検

[1]地球温暖化問題に対する取組
概況
平成18年度(2006年度)の我が国の温室効果ガス排出量は減少に転じたが、依然として基準年の総排出量を6.2%上回っている。
平成18年度(2006年度)の二酸化炭素の排出量は基準年(平成2年度(1990年度))の排出量を大きく上回っているが、二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出量は基準年の排出量を下回っている。

今後の政策に向けた提言

重点調査事項[1]:京都議定書の6%削減約束の確実な達成のための取組
 京都議定書目標達成計画の厳格な進捗管理を行うとともに、更なる改定も視野に入れ、必要な対策・施策の追加を具体化し、すべての主体が全力で取り組むべき。
 森林吸収源対策については、森林整備、木材供給、木材の有効利用等を、官民一体となって着実かつ総合的に推進すべき。
重点調査事項[2]:温室効果ガスの濃度の安定化に向けた長期的継続的な排出削減等のための取組
 「低炭素社会づくり行動計画」を踏まえ、以下の取組等を進めるべき。
太陽光発電については、大胆な導入支援策や新たな料金システムの検討等を行うこと
排出量取引の国内統合市場の試行的実施について、できるだけ多くの業種・企業の参加を得、その評価を次の政策に結びつけていくこと
環境税の取扱いを含め、税制のグリーン化を進めること
 中期目標については、オープンな場で、科学的・総合的な検討を行い、平成21年のしかるべき時期に設定すべき。
 平成20年7月に開催されたサミットの成果を踏まえ、2013年以降の新たな枠組みの構築に向けて、国際的議論を主導する役割を果たすべき。
重点調査事項[3]:地球温暖化により避けられない影響への適応のための取組
 クールアース・パートナーシップについては、より多くのパートナー国の適応対策等を支援し、途上国における温暖化対策を促進すべき。
 我が国においては、気候変動影響・適応に関する調査研究を推進すべき。
[2]物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組
概況
少ない資源で如何に大きな豊かさを得るかを表す資源生産性は順調に推移。
各種リサイクルの取組の進展により、循環利用率も上昇。
最終処分量は、毎年、着実に減少。

今後の政策に向けた提言

重点調査事項[1]:
自然の物質循環と社会経済システムの物質循環の両方を視野に入れた適正な循環の確保
 循環資源ごとに、地域の特性を踏まえて、最適な規模の「地域循環圏」を形成し、地域活性化につなげるべき。
重点調査事項[2]:関係主体の連携や国際的な取組による施策の総合的かつ計画的な推進
 より環境負荷の低いライフスタイルへの変革につなげるための国民運動を展開し、情報発信することにより、関係主体の積極的な取組と連携を促すべき。
 我が国の3R関連の制度、技術等の国際展開等を通じて、国際的な低炭素・循環型社会の構築に貢献すべき。
重点調査事項[3]:物質フロー等に関するデータの迅速かつ的確な把握、分析と公表
 第二次循環型社会形成推進基本計画に盛り込まれた補助指標等を中心に、各種状況の把握等の手法の改善に向けた検討を進めるべき。
[3]化学物質の環境リスクの低減に向けた取組
概況
PRTR対象物質のうち環境基準・指針値が設定されている物質等について排出量を合計したところ、大気への排出量は全体として減少傾向、公共用水域への排出量は全体としてほぼ横ばい状況。

今後の政策に向けた提言

重点調査事項[1]:化学物質の環境リスク管理とリスクコミュニケーションの推進
 PRTR制度については、対象物質の見直しに対応するとともに、より精度の高い排出量算定方法を事業者が選択できるよう必要な措置を講ずる等、運用の改善を図るべき。
 リスクコミュニケーションについては、引き続き、企業の自主的取組に加え、必要な情報の提供のための指針・ツールの作成等、化学物質の有害性に関するデータベースの構築、人材の育成、リスクコミュニケーションの場の提供等を進めるべき。
重点調査事項[2]:国際的な観点に立った化学物質管理の取組
 国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)の推進に関し、我が国が、引き続き、アジア太平洋地域における主導的な役割を果たすことが必要。
 環境リスク評価に関しては、引き続き、OECD等の国際的な動向を踏まえ関係する取組への協力及び貢献を進めるべき。
[4]生物多様性の保全のための取組
概況
平成18年〜19年のレッドリストの改訂(第2次改訂)の結果をみると、絶滅のおそれのある種数の評価対象種数に対する割合は、増加。

今後の政策に向けた提言

重点調査事項[1]:生物多様性の保全・再生の強化のための取組
 地域の自然再生の取組の推進、生態系の保全・再生の重要性の強調等の観点から、自然再生基本方針を踏まえた取組が必要。
 野生復帰の取組や外来種対策の推進等により、多様な野生生物をはぐくむ空間づくりと野生鳥獣と共存する地域づくりを進めることが必要。
重点調査事項[2]:生物多様性の保全に向けた広域的・横断的な視点での総合的な取組
 100年後の人口等を踏まえ、国土のグランドデザインをより具体的に検討するとともに、中長期的なビジョンを検討することが必要。
 生物多様性のモニタリング・評価・情報共有に関する国際協力、世界的に重要な生態系のネットワーク構築等において、国際的な貢献を行うべき。
重点調査事項[3]:生物、生態系サービスの持続的な利用のための取組
 里地里山の保全再生を図っていくことが必要。
 生態系サービスの概念について、国民が正しく理解できるように普及・啓発を推進することが必要。
[5]環境保全の人づくり・地域づくりの推進
概況
過去1年間に体験型の環境教育・環境学習活動に参加した国民の割合は1割未満であるが、参加希望者を含めると6割を超える。
地域における環境保全のための取組に参加した国民の割合は、概ね15%〜50%程度で、取組の内容によりばらつきがある。

今後の政策に向けた提言

重点調査事項[1]:環境保全のために行動する人づくりと組織・ネットワークづくりのための取組
 環境教育・環境学習のための取組において、各府省間の緊密な情報交換を行うべき。
 環境教育をリード又はコーディネートする人材間でのネットワーク及びサポート体制を構築し、環境教育に関するノウハウ等を共有できるようにすべき。
 地域の環境保全活動を次世代につなげていくための世代間のネットワークづくりを進めるべき。
重点調査事項[2]:
環境資源の保全と有効活用の実施を統合的に進める、それぞれの持つ資源や特長をいかした地域づくりのための取組
 地域づくりにおいては、各地域にインセンティブを与える等、各地域の活力を引き出す努力をすべき。
 各地域が地域の実情に応じた将来計画を策定することが重要であり、計画策定を支援することが国の行政に求められる。

(3)環境基本計画の点検に当たって

 環境施策については、各分野を横並びにして捉えたときの適正性、効率性等についても点検していくことが必要。具体的には、このような取組が、ある分野においては適正な効果を発揮しているものの、他の分野において問題を生ぜしめているようなことがないか、逆に、複数の分野で相乗的な効果を発揮しているか、また、相乗的な効果を発揮させるためには何をすべきか等について点検していくことが考えられる。
 次回以降の点検においては、適切な点検方法のあり方についても検討していくことが必要。

(4)おわりに

 「第三次生物多様性国家戦略」が平成19年11月に、「第二次循環型社会形成推進基本計画」及び「京都議定書目標達成計画」の改定が平成20年3月に、「低炭素社会づくり行動計画」が同年7月に閣議決定されるなど、各施策の基本的枠組みは充実されつつある。このような基本的な枠組みの下で各主体が連携した取組を総合的に進めることにより具体的な各施策の実効性を高める必要がある。
 各分野における施策についても、第三次環境基本計画の策定以降のこの2年余の環境保全に関する取組状況についてみると進展がみられるが、環境の現状をみると各分野で未だ多くの課題を抱えている状況にある。各主体の積極的な取組や施策の効果を客観的に評価することなどを通じ、これらの課題の解決に向けた環境保全に対する積極的な取組が評価される社会となることが期待される。
 恵み豊かな環境の中で幸福に暮らせる持続可能な社会の実現に向け、環境保全の取組が着実に進むよう、前回の点検結果と合わせて、今回の点検結果、特に「今後の政策に向けた提言」に示した内容を、各界各層に広く周知するとともに、適切に政策に反映していくべき。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境計画課
直通:03−5521−8233
代表:03−3581−3351
課長:小川 晃範(6220)
計画官:小森 雅一(6282)
課長補佐:沓掛 誠(6224)
担当:長谷 明弘(6280)
山形 正洋(6226)

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