報道発表資料

平成20年10月16日
自然環境
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「いきものみっけ」夏の実施結果について(速報)

 環境省生物多様性センターでは、本年7月より、市民参加の生きもの調査「いきものみっけ〜100万人の温暖化しらべ〜」を実施し、夏の調査対象であるセミ3種の確認情報、温暖化に関するコメント等を広く一般から収集してきました。今般、夏の実施結果(速報)を取りまとめましたので、お知らせします。延べ報告件数は10,199件(10月14日現在)、うち「いきものしらべ」は8,233件、「温暖化意識しらべ」では1,966件でした。
 「いきものしらべ」における結果の速報は、都道府県別に集計を行い、初鳴き日と分布について注目し、平成7年の「身近な生きもの調査」の結果と比較を行いました。また、「温暖化意識しらべ」については、皆さんから自由投稿で寄せられたコメントのうち、同様の意見が多かったものや興味深いものについてまとめました。

1.概要

 「いきものみっけ」では、季節ごとに3種類の生き物や自然現象を対象にその確認日を調べる「いきものしらべ」と、身近なところで何に温暖化を感じているかをアンケート形式で調べる「温暖化意識しらべ」の2項目について、広く一般の方々から情報を寄せていただいています。夏の「いきものしらべ」では、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ及びクマゼミの鳴き声を聞いた日の情報を収集しました。(参考:公式HP www.mikke.go.jp

2.延べ報告件数について

 10月14日時点の延べ報告件数は、合計10,199件でした(秋の対象種であるヒガンバナ、イチョウ、ススキは除く)。各調査の内訳は、以下のとおりです。

いきものしらべ 温暖化意識しらべ
ミンミンゼミ 4,352 温暖化意識チェック 1,581
ツクツクボウシ 2,670 これって温暖化? 385
クマゼミ 1,211    
合計 8,233 合計 1,966

3.「いきものしらべ」における結果について

 夏の「いきものしらべ」では、セミ3種の鳴いている期間や場所を調べることにより、初鳴き日、鳴き終わり日及び分布の変化について調べています。今回の速報では、セミ3種の初鳴き日及び分布について注目し、都道府県別に集計を行い、平成7年の「身近な生きもの調査」における結果と比較しました。その詳細については、別紙1を御参照ください。

初鳴き日の比較

 ミンミンゼミについては、平成7年と比較した結果、報告の多かった6都県をみると、4県で遅くなり2都県で早くなっていました。また、ツクツクボウシについては、報告の多かった6都県をみると、4都県で遅くなり、1県で早く、また1県は変化がありませんでした。さらにクマゼミは、報告数の多かった3県をみると、いずれも初鳴き日が早くなる傾向がみられました。
 これら3種の初鳴き日と平均気温との関係について、気象庁が昭和28〜平成18年までに観測したデータを基に調べると、ミンミンゼミについては羽化直前の平均気温の影響はあまり受けておらず、ツクツクボウシでも同様に、羽化直前の平均気温の影響はほとんど受けていないことが知られており、このため都道府県によっては、平成7年よりも平均気温が上昇しているにも関わらず、初鳴きが遅くなったところもあると考えられます。一方、クマゼミについては羽化直前の平均気温との関係が強いことが知られており、5月や6月の気温が高い場合には初鳴き日が早くなると考えられますが、都道府県によっては初鳴き日が遅くなったところもあるため、今後さらに市町村別に集計するなどして、より詳しく調べる予定です。

分布の比較

 ミンミンゼミ及びツクツクボウシについては、平成7年から特に大きな変化は見られませんでした。一方、クマゼミについては、平成7年のセミのぬけがら調査では報告がなかった北陸地方や関東北部からも、確認情報が寄せられました。

4.「温暖化意識しらべ」における結果について

温暖化意識チェック

 「温暖化意識チェック」は、季節ごとに設けた質問項目にアンケート形式でお答えいただくものです。10月14日現在で、1,581件寄せられました。その結果、温暖化を感じている人の割合は全体の93%(1,477件)に上ることがわかりました。都道府県別、年代別等の詳細な分析結果については、夏の全調査が終了後取りまとめる予定です。

これって温暖化?

 「これって温暖化?」は、皆さんが普段の暮らしの中で感じている「これって温暖化による変化かな?」と感じた出来事について、200字以内で自由に投稿していただくものです。10月14日時点で385件の投稿がありました。その中で、興味深いものや複数件の投稿が寄せられた情報は、次のとおりです(詳細は別紙2を御参照ください)。

  • セミ類:ミンミンゼミやアブラゼミが、「例年より鳴き始めが遅くなっているのでは?」といったコメントが複数地域にまたがって報告されました。その他、西日本の都市部では、アブラゼミが少なくなった一方で、クマゼミが多く見られるようになったという報告がありました。
  • チョウ類:ナガサキアゲハやツマグロヒョウモンといったチョウ類について、これまでいなかった地域で最近見られるようになったという報告が多い傾向がみられました。
  • その他動植物:桜やススキについては、入学式やお月見のような季節の行事と絡めて開花時期の変化を感じている方が多くみられました。
  • 気象:今夏話題になった突然の豪雨や雷雨に関して、多くのコメントが寄せられました。また、気温や積雪量については、子どもの頃の記憶や日記と比較した変化に関する報告があり、興味深いコメントがみられました。
  • 生活:普段の暮らしの中で温暖化を感じる出来事については、多種多様な観点からの報告が多くみられました。
  • 第一次産業:気温や降水量などの影響を受ける第一次産業については、農作物、水産資源の収穫等の時期や量等、従事者の皆さんが敏感な変化を感じとられている様子がうかがえました。

5.秋以降の調査について

 「いきものみっけ」では、現在秋の調査である「ヒガンバナの開花日しらべ」、「ススキの出穂日しらべ」及び「イチョウの黄葉日しらべ」を実施しています。特に、イチョウはこれから本格的に黄葉するシーズンを迎えますので、周囲にあるイチョウを見て、一本の木についている葉がほとんど黄色くなったら、「いきものみっけ」公式HPもしくは、郵便またはFAXで御報告ください。
 また、まもなく冬の調査である「初氷の観察日」、「マガンを初めて見た日」及び「ジョウビタキを初めて見た日」についても開始します。

6.詳細な分析結果について

 今回は夏の速報結果をお知らせしましたが、夏の調査が終了後、全データを集計し、より詳細な分析、取りまとめを行い、専門家のコメントともに公表する予定です。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局生物多様性センター
電話:0555−72−6033
センター長:鳥居 敏男
総括企画官:阪口 法明
担当:岡部 佳容

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