報道発表資料

平成20年10月14日
保健対策
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「UNEP第2回水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」の結果について(お知らせ)

 水銀対策強化の選択肢を検討するため、10月6〜10日、ナイロビ(ケニア)にて「UNEP第2回水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」が開催されました。本会合では、各国政府代表、関係国際機関、NGO等約200名の参加を得て開催され、国際的な水銀対策について検討がなされました。今次会合では、今後国際的に実施すべき対策の包括的な枠組みに含まれる要素に関する議論がなされ、そのリストアップがなされました。また、事務局への比較検討依頼がなされていた3つの選択肢(単独条約、POPs条約新規議定書及び自主的取組)については、単独条約及び自主的取組の2つに絞られ、その内容とそれぞれの得失がまとめられました。
 本会合の結果は、平成21年2月に開催されるUNEP第25回管理理事会に報告され、同管理理事会において報告に基づく決定がなされる予定です。

1.背景

 国連環境計画(UNEP)においては、2001年より地球規模での水銀汚染に関連する活動(UNEP水銀プログラム)を開始し、2005年からは鉛及びカドミウムも対象に加えて議論を開始しています(UNEP重金属プログラム)。
 2007年2月、ナイロビで開催された第24回UNEP管理理事会では、水銀の世界的な需給と貿易に関する報告書、鉛及びカドミウムによる地球規模での汚染に関する報告書等が提出され、これらを踏まえて議論が行われました。議論の結果、水銀対策のための条約制定の可能性も含め、対策強化の選択肢を検討するための「水銀に関するアドホック公開作業グループ会合」(以下、「作業グループ会合」という。)の設置等の決議が採択されました(理事会決議24/3)。
 この決議を受けて、平成19年11月12−16日に第1回作業グループ会合がバンコクにおいて開催され、各国から、条約制定等法的拘束力のある文書の作成と自主的なアプローチとの選択に関する意見が表明されるとともに、大気への人為的な水銀排出の削減や水銀の需要及び供給の削減等、UNEP管理理事会が決議した優先課題に対応するための施策のリストアップと、今後の作業計画について検討がなされたところです。

2.結果概要

(1)日時等

日時:
平成20年10月6−10日(5日に準備会合として地域会合等が開催された)
場所:
ナイロビ(ケニア)
主催:
UNEP
出席者:
各国政府化学物質担当官、関係国際機関、産業界及び市民団体関係者等。
我が国からは、環境省環境安全課瀬川課長補佐、外務省の担当官他が出席。
議題:
本会合では、主に以下の二点について議論が行われた。
  • 国際的な水銀対策のための自主的取組の促進と条約等法的拘束力のある文書制定のレビューと評価
  • UNEP水銀プログラムの活動報告
会議文書:
提出された会議文書等(英文)は、以下のホームページより入手可能(http://www.chem.unep.ch/mercury/OEWG2/Documents.htm)。

(2)概要

(ア)国際的な水銀管理の枠組みに共通な要素の検討

 本会合では、自主的取組の強化及び法的拘束力のある文書の制定に共通する要素について検討し、今後国際的に実施すべき対策の包括的な枠組みに含まれる要素に関する議論がなされ、そのリストアップがなされた。
 これにより、今後の選択肢(単独条約、自主的取組)にかかわらず、国際的な対応の内容について、各国の一定の認識がなされた。リストアップされた要素については、管理理事会に報告することとされた。

(イ)法的拘束力のある文書及び自主的取組の強化

 EU諸国、スイス、ノルウェー、アフリカ諸国は法的拘束力のある文書として新規単独条約の策定を支持した。また、中東欧も、単独条約又はPOPs条約新規議定書のいずれを選択するかは地域として合意しなかったが、いずれにせよ、法的拘束力のある文書を支持した。
 一方、米国は自主的取組での対応を支持し、水銀対策のための新規の基金設置を含めた、自主的取組の枠組みを示した。また、豪は、貿易措置以外は自主的取組での対応が可能とし、自主的取組を支持するとした。
 中国は、法的拘束力のある文書の作成は時期尚早であるとし、自主的取組を支持した。また、インドは、長期的には法的拘束力のある文書の必要性は認めるものの、国内法等での措置も可能であり、自主的取組をまず進めるべきとした。
 アジア太平洋地域は、水銀対策の実施のためには資金的・技術的協力が必要であり、法的拘束力のある枠組みであれ、自主的取組であれ、資金的・技術的協力をより強化する選択肢を支持するとした。
 我が国は、水俣病経験国として、世界的な水銀取組の強化、多くの国が参加する枠組みの構築の重要性を指摘し、法的拘束力のある文書の制定と自主的取組の強化を並行して推進することを提案した。
 今次会合では、法的拘束力のある文書及び自主的取組の強化について、各国の意見の隔たりが大きく、合意には至らなかった。このため、支持の多かった、単独条約及び自主的取組の双方について得失を整理し、管理理事会に報告することとされた。

(ウ)報告書の採択

 本会合での議論を踏まえて、UNEP第25回管理理事会に提出される報告書が事務局より提案され、参加各国によって了承された。

3.今後の予定

 本会合の検討結果は、平成21年2月16−20日にナイロビ(ケニア)にて開催されるUNEP第25回管理理事会に報告され、同管理理事会において報告に基づく決定(例:国際的な水銀対策を、自主的取組、条約等法的拘束力のある文書の制定、もしくはこれら2つの組合せで行うか、どのような組織がその詳細の検討を行うか等)がなされる。
 我が国は、水銀汚染による健康被害を引き起こした水俣病の経験を踏まえ、世界各国における水銀汚染対策の強化を進めるべきと考えている。このため、引き続き、水銀管理の重要性を訴えるとともに、アジア太平洋地域グループ及び他地域グループ、事務局等との緊密な連携・意見交換を継続し、法的拘束力のある文書の制定及び自主的取組の強化に関する検討や、実質的な対応策の強化の検討等に積極的に貢献していくこととしている。

連絡先
環境省環境保健部環境安全課
直通:03-5521-8260
課長:木村 博承(内線 6350)
課長補佐:瀬川 恵子(内線 6353)
係長:伊藤 貴輝(内線 6360)
担当:寺井 徹(内線 6356)

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