報道発表資料本文


(参考)

3省合同審議会で長期毒性に係る審議が行われた物質の概要

(1)名称

2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール

(2)化学物質審査規制法における扱い(現状)

 当該物質は、自然的作用による化学的変化を生じにくいものであり、かつ、生物の体内に蓄積されやすいものであることが既に判明しており、平成16年に化学物質審査規制法に基づく第一種監視化学物質に指定され、毎年度の製造・輸入量の届出制、必要な場合の有害性の調査の指示等の規制の対象となっている。

(3)製造・輸入及び使用の状況

 平成16年度における製造・輸入量は、約120トン。
 当該物質は、主にプラスチック樹脂用の紫外線吸収剤として用いられている。当該物質が使用されている可能性がある製品は、プラスチック建材や昇華転写型写真のコーティング樹脂等であるが、樹脂を硬化させる前に、樹脂の原料にあらかじめ混合されるため、当該物質はプラスチック樹脂中に取り込まれた状態で存在する。また、各樹脂内に含まれる当該物質の量は1%未満程度である。

(4)今回明らかとなった長期毒性

 当該物質の長期毒性としては、ラットを用いた1年間の反復投与毒性試験により、肝臓等において重篤な所見が見られ、無影響量(NOEL)は0.1mg/kg/dayであった。

(5)その他安全性に関する情報
 これまでに実施された試験等により判明した当該物質の安全性に関する情報は以下のとおりである。
 これまで当該物質による人の健康被害は確認されていない。
 本物質の急性毒性は低く、ラットに体重1kg当たり1gを単回投与しても特段の異常は見られておらず、人に対して毒性影響を生じるとは考えにくい。
 当該物質を含有するプラスチック建材からは通常の使用条件においては当該物質の溶出はないと考えられるが、当該物質の用途についての調査の結果を踏まえて製品の溶出試験を行い、必要に応じて安全性評価等を実施する予定である。



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