報道発表資料本文

(別紙)

快水浴場かいすいよくじょう」の選定(「快適水浴場」の再選定)に関する 基本的考え方


平成17年4月

  1. 選定の趣旨

     近年、人工物に囲まれたくらしの中で、水辺の自然と親しみつつすこやかな心身をはぐくみ、保つことの重要性が高まっている。これとともに、水辺を訪れる人々のニーズや価値観が多様化してきている。また、環境教育、エコツーリズム、生物多様性、地球温暖化対策など、環境政策の新たな展開が見られる。
     環境省では、平成10年に「日本の水浴場55選」、平成13年度に「日本の水浴場88選」を選定してきたが、今回、新たな考え方で「快水浴場」を選定することとした。具体的には、人々が水に直接触れて自然の水を五感で感じとることができる水辺をより積極的に評価し、ひとつひとつの場の個性を重んじてすぐれたところを選定することとする。


  2. 対象

     以下の3つのカテゴリーを設け、それぞれに水質と利用人数による最低限満たすべき基準を設定する。島の海水浴場については、条件が合えば、(1)と(2)のどちらのカテゴリーで応募することも可とする。

    (1)海水浴場
    [1] 利用人数が概ね1万人/年以上
    [2] 過去3年間の環境省「水浴に供される公共用水域の水質調査」(以下、「水浴場水質調査」という。)において「AA」評価が2回以上

    (2)島の海水浴場
    [1] 島(沖縄本島を含む)に所在
    [2] 利用人数が概ね2千人/年以上
    [3] 「水浴場水質調査」に準じて平成17年度に水質調査を実施し、シーズン中の一ヶ月以上の間隔での測定結果において「AA」評価が2回以上

    (3)湖沼・河川の水浴場
    [1] 利用人数が概ね5千人/年以上
    [2] 過去3年間の「水浴場水質調査」において「AA」評価が2回以上

    なお、水に直接触れることを条件とし、専ら次のような行為を行う水辺は対象としない。(海水浴とともに潮干狩りもできるところ等は可)
      ・ヨット、ボート等、水面上の遊び
      ・釣り、潮干狩り等、生き物の採取


  3. 評価軸

    (1)美しい水辺(水質、自然景観)
    [1] 水質(有機汚濁(COD)、透明度、ふん便性大腸菌群数等)
    [2] 自然景観(海岸の形や広さ、砂や岩石の性状、侵食状況、植生、海中景観(藻場、サンゴ礁等))
    [3] 自然現象(朝日、夕日、星空、蜃気楼、汐吹き岩等)
    [4] その他(あれば自由記入)

    (2)清らかな水辺(環境への配慮・取組み)
    [1] 水質の維持・向上の取組(後背地の民家・宿泊施設等の汚水処理施設整備率、高度処理、保守、便益施設の排水の適切な処理、日焼け止め等の使用の制限等)
    [2] ゴミの減量(リデュース)、リユース、リサイクルの活動
    [3] 新エネルギー、省エネルギー等の地球温暖化対策
    [4] 水浴場の清掃、路上駐車・ラジカセ騒音・花火等周辺環境への弊害対策、禁煙・分煙の規定
    [5] その他(あれば自由記入)

    (3)安らげる水辺(安心・安全)
    [1] 水底地形(遠浅、深みがないこと等)、波や流れの安全度・安全対策施設
    [2] 津波・高波対策(防災施設、連絡体制、防災訓練)、その他災害対策
    [3] ライフセイバー/監視員/救助員の充足度、救護施設、安全情報の提供、臨時交番
    [4] サメ・クラゲ等防止策、サーフィン等との活動領域の区分、子供用ゾーンの有無
    [5] その他(あれば自由記入)

    (4)優しい水辺(利便性)
    [1] 更衣室・シャワー・トイレ・飲食・休憩施設の整備、これらの質(清掃等)
    [2] バリアフリーの配慮、宿泊施設
    [3] アクセスの容易性と改善努力(公共交通機関の便、駐車場)
    [4] その他(あれば自由記入)

    (5)豊かな水辺(水と人との関わり)
    [1] 特色ある動植物(サンゴ礁、ハマユウの自然群落等)の存在、 かつて身近だった生き物との秩序ある触れあい(ヤドカリと遊べる、カエルをさわれる等)
    [2] 特色ある歴史・文化(万葉集で詠まれた水辺、故事来歴、祭り、風俗等)も含む水辺を活かしたコミュニティーづくり
    [3] 生態系の保全活動
    [4] 環境教育の実施
    [5] 地域の自然、暮らし、文化に触れるエコツーリズム
    [6] その他(あれば自由記入)

  4. 注)(1)から(5)のうち、対策を問う項目については、「対策の必要がない」ということも評価する。


  5. 評価発表のイメージ

    (1) これまで「日本の水浴場55選」、「日本の水浴場88選」を選定してきたが、環境政策の新たな展開等を踏まえ、今回、新たな考え方で「快水浴場かいすいよくじょう」を選定することとする。
    (2) 選定された「快水浴場かいすいよくじょう」には以下のような表示をする。(5つ星が最上位)
    総合 ☆☆☆
    美しい(水質・自然景観) ☆☆☆☆
    清らか(環境への配慮・取り組み) ☆☆☆☆☆
    安らげる(安心・安全)
    優しい(利便性) ☆☆
    豊か(水と人との関わり) ☆☆☆

    (3)選定された「快水浴場かいすいよくじょう」から、総合第1位を最高の「快水浴場かいすいよくじょう」として選定する。また、海水浴場、島の海水浴場、湖沼・河川の水浴場のそれぞれのカテゴリーにおいて、総合評価で第1位を選定する。
     さらに、「美しい水辺」等の個別の評価軸毎の第1位を選定することも検討する。


  6. 今後のスケジュール

     新しい選定基準を発表してからの努力が反映されるよう、この「選定の基本的考え方」を発表し、シーズンの終了後選定に入る。
    (1)
    「選定の基本的考え方」の策定・発表
    17年  4月 選定の基本的考え方を発表)
    (2)
    各水辺での活動
    17年4〜9月 (選定を目指した地元の環境保全等の取組を期待)
    (3)
    選定
    17年10〜11月 選定の公募(都道府県からの推薦)
    18年1月頃 選定検討会開催
    18年春〜初夏頃 選定結果発表




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