報道発表資料本文

(別添)

第6回日中韓三カ国環境大臣会合
2004年12月4−5日 東京
共同コミュニケ(仮訳)


  1. 小池百合子日本国環境大臣の招待により、郭決鎬大韓民国環境部長官と解振華中華人民共和国国家環境保護総局長は東京を訪れ、2004年12月4日及び5日に第6回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)を開催した。会議の開会に当たり、高円宮憲仁親王妃久子殿下から歓迎のお言葉を賜った。
     
  2. 三大臣は、本会合が、地域環境協力及び持続可能な開発を促進するための重要な会合であるとの共通の見解を改めて強調した。三大臣は、11月の日中韓三カ国首脳会合によって、TEMMの進展に高い認識がなされたことを、高く評価した。
     
  3. 三大臣は、最近の各国及び北東アジア地域における環境への取組の進展について意見交換を行った。
     
  4. 三大臣は、ロシアの批准により、京都議定書が発効する運びとなったことを歓迎し、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の究極的な目的の達成のための第一歩として京都議定書の重要性を再確認した。また、共通だが差異のある責任に応じ、三カ国が国内での努力と国際協力を強化すべきとの共通の認識を再確認した。さらに、2004年12月6日から17日までアルゼンチンで開催される第10回締約国会議における積極的な成果に期待を寄せた。
     
  5. 北西太平洋の海洋及び沿岸の環境保全のために、UNEPが主導している北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)に関して、三大臣は、釜山及び富山での地域調整部(RCU)の開所を歓迎し、この地域調整部を通じてNOWPAPの活動が推進されることに期待を表明した。三大臣は、また、北西太平洋における海洋ゴミの問題など、NOWPAPの枠組みにおける行動のための更なる協力に向けて、三カ国が共同の取組を行うことが必要であるとの認識を共有した。
     
  6. 三大臣は、酸性雨は韓国、中国及び日本の直面する深刻な問題であることに留意し、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の活動及び北東アジア長距離越境大気汚染(LTP)に関する共同研究を活発に推進していくとの約束を再確認した。
     
  7. 三大臣は、アジア太平洋地域渡り性水鳥保全戦略に基づく保全行動計画の実施や生息地ネットワークの拡充など、生物多様性を保全するために、三カ国が引き続き具体的な行動を採ることを確認した。
     
  8. 三大臣は、北東アジア地域の干ばつや土地劣化により悪化している黄砂について注目した。環境管理やモニタリングのキャパシティビルディングに加えて、黄砂のモニタリング・ネットワークと情報共有が必要であることを認識した。三大臣は、北東アジア地域における黄砂に関するADB-GEF黄砂地域技術支援プロジェクト(RETA)の成果を歓迎した。三大臣は、関連する技術的問題を検討するための専門家のネットワークの立上げが必要であるとの見解を共有した。三大臣は更なる行動について関係するプロジェクトを発展させるため、ともに取り組むことに合意した。三大臣は、モンゴルおよび国際機関が、これらの取組に参加することを期待する旨表明した。
     
  9. 三大臣は、循環型社会又は循環経済について最近の各国での進展について意見交換を行い、特に、中国が第11次5カ年計画において3R活動、すなわちリデュース、リユース、リサイクルを含む循環経済の考え方を盛り込むことを歓迎した。三大臣は、3Rの活動が、持続可能な開発に向けた健全な物質循環を構築するために重要であることを再確認した。三大臣は、アジア地域において協力関係を築くとの意志を確認した。この関係で、三大臣は、日本が提案した3Rイニシアティブの重要性と、世界的に3R行動を推進することを目的に2005年4月に日本政府が東京で開催する3R閣僚会合の重要性を認識した。さらに、三大臣は、この問題について三カ国によるシンポジウム又はセミナーを開催するという中国が行った提案を支持した。その詳細は事務レベルで確認される。
     
  10. 三大臣は、TEMMプロジェクトについて、その開始から現在に至るまでの歩みを振り返り、各TEMMプロジェクトが成果重視であり、より効果的、効率的に実施されるべきことで全般的に見解を共有した。いくつかのプロジェクトについては、その範囲と内容について見直すべきことで一致した。TEMMの下での将来の協力分野としては、循環型社会又は循環経済、貿易と環境、エコ・ラベル等が考えられる。三大臣は、各国における環境と経済に関する政策の進展に有益であるとして、これらの分野で情報交換と政策対話を開始することを支持した。三大臣は、TEMM5で決定した子供のための共通環境教育プログラムの開発について、既存のプロジェクトの枠組において更なる進展を図るとの意志を共有した。三大臣は、優先分野である「環境共同体意識の向上」の観点から、各プロジェクトへの多様な主体の参加を促進していくとの考えを共有した。
     
  11. また、三大臣は、地域の環境問題に対処することを支援するため、北東アジアでの共同研究を推進する必要性を再確認した。この点について、三大臣は、日本の国立環境研究所、韓国の国立環境研究院及び中国の環境科学研究所で構成される三カ国環境研究機関長会議(TPM)によって促進された共同研究の進展を歓迎した。また、三大臣は、共同研究機関を設置するとの提案を韓国が行ったことを歓迎し、適当な当事者による更なる検討を求めた。
     
  12. 三大臣は、本会合が三カ国の環境政策の強化に意義ある成果をもたらしたことを認識した。また、今後、本会合が、北東アジア地域の環境管理においてより重要な役割をはたしうることを再確認した。さらに、同地域の環境管理の状況について継続して議論していく意志を確認し、このためのワーキンググループを設置することに合意した。
     
  13. 三大臣は、本地域の他の国も含めて、TEMMが引き続き地域の環境政策対話の推進を続けていくことを言明した。この点について、三大臣は、今次会合の後で開催される黄砂についての議論に、モンゴル自然環境大臣が参加することを歓迎した。
     
  14. 三大臣は、去る10月に開催されたASEAN+3環境大臣会合等の重要な地域及び世界の環境会合の成果を実行し、また、2005年3月にソウルで開催されるアジア太平洋環境と開発に関するUNESCAP閣僚会議(MCED)等の会合の成功に寄与すべきことを確認した。
     
  15. 三大臣は、次回のTEMMが韓国で開催されることを決定した。時期及び開催地は韓国が提案し、中国と日本が確認することとした。
     
  16. 三大臣は、今回会合が友好的な雰囲気で行われたこと、及び大きな成果を収めたことに満足の意を表した。郭決鎬大臣と解振華大臣は、小池百合子大臣及び開催国に感謝の意を表した。


小池百合子
環境大臣
日本国



郭決鎬
環境部長官
大韓民国



解振華
国家環境保護総局長
中華人民共和国





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