報道発表資料本文

「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」の追加調査研究
 

  1. 背景及び追加調査研究の必要性

     2004年1月、山口県内の養鶏場において高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)の発生が確認され、その対応として、1月29日の総合科学技術会議において「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」を科学技術振興調整費による緊急研究開発等に指定し、各府省・機関の連携協力の下、調査研究に取り組んでいる。
     このような中、2月17日に大分県内の鶏愛好家の飼養鳥について高病原性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)の国内2件目となる発生が確認された。本件は、[1]発生場所が1件目(山口県)と離れた距離にあるため、感染経路が異なる可能性があること[2]鶏の飼われ方や種類が異なること等、山口県の例と発生状況の違いが見られる。
     また、2月28日に京都府の養鶏場においても、高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)の国内3件目となる発生が確認され、発生場所が1件目(山口県)、2件目(大分県)と離れた距離にあるため、感染経路が異なる可能性がある。
     このことから、現在実施している緊急調査研究に加えて、山口県の例と大分県、京都府の例との関係解明(ウイルス起源及び病原性の共通性の解析)を含めた本ウイルスの感染経路の調査及び本ウイルスの病原性解析の2点について、調査研究を追加実施し、本ウイルス防除に向けた科学的知見を早急に提示する必要がある。なお、今後、年度内に発生した場合にも本緊急調査研究の経費の枠内で機動的に対応することとする。

     
  2. 追加実施をする研究及び実施体制

    (1)ゲノム疫学研究(感染経路の調査)
     ○ 大分県、京都府等で分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスのゲノム解析を行い、山口県を含む既知のウイルスとの比較による分子疫学的解析や野生鳥類等の日本への飛来情報等を解析することで、分離ウイルスの起源(由来)を明らかにする。
     ○ 実施体制 : (独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所
    鳥取大学
    (財)自然環境研究センター

    (2)鳥インフルエンザウイルスの病原性解析
     ○ 大分県、京都府等で分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスの鳥類あるいはほ乳類に対する同・異種宿主間伝播の可能性と病原性を明らかにする。
     ○ 実施体制 : (独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所

     
  3. 所要経費

     30,000千円程度




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