報道発表資料本文

III.人における暴露実態調査

1.調査方法

環境中のダイオキシン類による暴露状況を把握するために、環境省等の政府機関及び地方公共団体が行った平成13年度における各種環境媒体等の調査結果を解析し、人の経路別暴露量、個人の総暴露量の推計等を行った。


2.調査結果

(1) 人の経路別暴露量の推計
[1] 各種環境媒体等の調査結果の整理
i) 環境中におけるダイオキシン類の存在状況は、次のとおりであった。
ア. 大気:0.0072〜1.7pg-TEQ/m3(n=791、算術平均値0.14pg-TEQ/m3
イ. 土壌:0〜240pg-TEQ/g(n=2313、算術平均値3.2pg-TEQ/g)
ウ. 底質:0.012〜540pg-TEQ/g(n=1835、算術平均値8.5pg-TEQ/g)
エ. 水質:0.0028〜27pg-TEQ/L(n=2236、算術平均値0.25pg-TEQ/L)
オ. 地下水:0.00020〜0.92pg-TEQ/L(n=1473、算術平均値0.074pg-TEQ/L)
ii) 食事については、厚生労働省が実施した平成13年度トータルダイエットスタディの報告を中心にデータを整理した。また、環境媒体からの暴露は大気、土壌からのものを考慮している。暴露量としては0.67〜3.40pg-TEQ/kg/day(n=12、算術平均値1.63pg-TEQ/kg/day)の範囲であった。

[2] ダイオキシン類による暴露の経路
ダイオキシン類による暴露の主な経路を[1]食事、[2]大気、[3]土壌に区分し各媒体の算術平均値を用いて各経路別の平均的な暴露量を推計したところ、個人総暴露量は1.68pg-TEQ/kg/dayとなり、食事からの摂取が9割以上を占め、前年度推計結果よりわずかに増加していた。さらに、食事を15の食品群に分け、暴露量を年齢階級ごとに推計したところ、全年齢階級において魚介類からの暴露量が食事全体の45〜74%を占めた。また体重あたりの1日暴露量は、幼少時の方が成人よりも多いことが推計された。

(2) 統計的解析による個人総暴露量の推計計
環境媒体中の濃度及び食事からの暴露量について幾何平均値及びモンテカルロ法によりダイオキシン類の個人総暴露量を推計した。その結果、幾何平均値による推計では1.53pg-TEQ/kg/day、モンテカルロ法による推計では1.78pg-TEQ/kg/dayであった。

(3) ダイオキシン類情報データシートの作成
本調査において収集・整理したダイオキシン類測定結果について、都道府県別に整理しダイオキシン類に係る情報源データシートを作成した。このデータシートは都道府県におけるダイオキシン類の測定結果(「都道府県名」「調査媒体」「濃度範囲」「平均値」「データ数)」等)を収録しており、環境省のホームページ上で公開する。

 




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