報道発表資料本文

マニラ宣言
〜環境面から見たアジアの持続可能な交通の実現に向けて〜

 2004年1月16日から17日の間、フィリピン国マニラ市において、交通と環境にかかる地域の状況を認識し、環境面から見た持続可能な交通に関する優先課題について議論し、アジア地域における環境面から見た持続可能な交通についての宣言を採択するため、「アジア地域の環境と交通に関するマニラ政策対話」が開催され、参加者は、
 
 2002年にヨハネスブルクサミットで開催された持続可能な開発に関するサミットの成果、特に実施計画に反映された合意事項を思い起こし、
 
 2003年3月に日本国名古屋市において開催された「交通と環境に関する名古屋国際会議」で合意した名古屋宣言を礎として、
 
 交通部門における環境面から見た持続可能性の推進に向けてのイニシアティブを実施するにあたって、ADB、世界銀行、ESCAP、ASEAN及びUNEPのような他の国際機関による取組みとともに、UNCRDによる取組みがなされていることを踏まえ、
 
 アジアにおける急速な経済成長と都市化が、大気汚染や健康問題などの交通関連の社会経済問題や環境問題を引き起こしていることを考慮し、
 
 アジア各国における自然、社会、及び文化の各面での多様性及び経済的な相違に配慮し、地域の特性を踏まえた環境目標とタイムテーブルを設定することの必要性及び社会経済の発展を確保しつつこれらの目標を達成する道筋を明らかにする必要性を認め、
 
 アジア各国が、アジアにおける環境面から見た持続可能な交通を実現するため、具体的な活動のロードマップに向けて共に努力すべきであると承認し、
 
 環境面から見た持続可能な交通に向けて、長期的なビジョンと短期及び長期のアクションの両方を備えた地域レベル、国レベル、地方レベルの戦略的な計画の必要性を認識し、

  1.  アジア地域の環境と交通に関連した問題について、意見、アイデア、及び情報の交換を参加国間で行うために、地域フォーラムや、それを補助する専門家グループの設立が必要であると満場一致で同意する。
     
  2.  また、この地域フォーラムが、地域、国家、及び地方の戦略に関する経験と識見の交流を含む政府高官の年次政策会議と、特定の共通する課題に関し詳細に話し合う専門家グループ会議を促進すべきであると同意する。
     
  3.  CAI Asia、POINT、APMA、北九州イニシアチブ、WBCSDのSustainable Mobility Project、ASEAN Working Group on Environmentally Sustainable Cities及び二国間や多国間の枠組みにおける他の様々なプロジェクトを通じて、環境面から見た持続可能な交通のいくつかの要素に関連して進められている活動を評価する。
     
  4.  域内各国、特に開発途上国による環境面から見た持続可能な交通を推進するための国家戦略とアクションプランの策定、及び政府高官の年次会議と専門家グループ会議に対し、UNCRDによる指導が特に歓迎される。
     
  5.  環境面から見た持続可能な交通を推進するために、UNCRDに対し、国家戦略とアクションプランの実現に向けて可能な支援の模索と特定、及び地域フォーラムと専門家グループの設立を目指して、他の機関やイニシアティブと協力することを要請する。
     
  6.  さらに、UNCRDが、他の機関やイニシアティブと協力して、環境面から見た持続可能な交通に関する国家戦略及びアクションプランの策定と実施をはじめとした、アジアの交通と環境に関する問題にかかるすべての進展をフォローアップし、最初の地域フォーラムにおいて結果と経過を報告することを要請する。最初の地域フォーラムは、 2005年に名古屋で開催されることが予定される。



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