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公有水面埋立て(岩国市三角町地先)に係る環境庁長官意見について


 環境庁長官(当時)は、平成8年11月22日付けで、運輸大臣(当時)及び建設大臣(当時)に対し、以下の意見を提出している。

  1.  本埋立事業は、埋立て等について環境保全上特別な配慮が必要な瀬戸内海海域における事業であることから、以下の措置を講じる必要がある。

    (1)  本埋立事業の実施により、藻場及び干潟が一部消滅することから、専門家の指導、助言を得て、本埋立計画地周辺海域において、最大限、新たに藻場及び干潟の造成に努めるとともに、藻の定着状況及び干潟の形成状況を計画的に監視する等により極力維持に努めること。
     また、藻場及び干潟が一部消滅することにより、本埋立計画地周辺海域の自浄能力が低下するおそれがあることから、岩国飛行場内における既存汚水処理施設への高度処理の導入等の環境対策を講じること。
     その他、本埋立事業の実施により、本埋立計画地周辺海域に残存する藻場及び干潟の保全に支障が生じないよう、埋立工事の工法等に配慮するとともに、藻場等の保全状況を計画的に監視し、その結果を踏まえ、適切な措置を講じること。
    (2)  本埋立事業の実施により、現在釣り等の海洋性レクリエーションに利用されている今津川右岸河口部周辺の水際線が一部消滅することから、本埋立計画地の整備に当たっては、海洋性レクリエーションのための水際線をできるだけ確保するよう配慮すること。
    (3)  埋立工事中の水質汚濁防止について十分配慮するとともに、工事中の濁水処理について所要の対策を講じること。
    (4)  工事中及び埋立地利用時における環境監視を計画的に実施し、その結果を踏まえ、適切な措置を講じること。

     

  2.  本埋立計画地周辺地域は、現在一部の地域で騒音規制法に基づく要請限度を超えており、道路交通騒音の著しい地域であることから、評価の前提となっている関連道路の整備の促進について道路管理者に要請するとともに、関係者間で十分な協議の上本埋立事業に由来する交通量の抑制・分散を図る等環境保全対策に努める必要がある。

  3.  今後、本埋立計画地に設置する滑走路を使用する機種に変更が生じた場合においては、本滑走路を使用する機種及びその運用形態が明確となった段階で、今回実施した航空機騒音に係る環境影響評価の予測結果についてレビューを行い、その結果を踏まえ、必要に応じて適切な環境保全上の措置を講じる必要がある。