別紙1
ラムサール条約採択経緯
正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
(Convention on Wetlands of International Importance Especially as Waterfowl
Habitat)
1971年にイラン、ラムサールで同国政府主催で開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択された。この条約は開催地にちなみ一般に「ラムサール条約」と呼ばれる。同条約は第10条の規定により、7ヶ国が締約国になってから4ヶ月後の1975年12月21日に発効した。
ラムサール条約の内容
この条約は、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的とし、各締約国がその領域内にある湿地を1ヶ所以上指定し、条約事務局に登録するとともに、湿地及びその動植物、特に水鳥の保全促進のために各締約国がとるべき措置等について規定している。2002年11月14日現在、締約国133ヶ国、登録湿地数1,229ヶ所、その合計面積は約105.9百万haに及ぶ。
我が国の加入
我が国は、1980年6月17日に本条約寄託先のUNESCOに加入書を寄託し、条約第10条の規定に基づき、その4ヶ月後の同年10月17日に締約国となった。その際、我が国は釧路湿原を登録湿地として指定した。我が国の登録湿地は2002年11月14日現在、以下の11ヶ所で、面積合計は
83,725 ha となっている。
釧路湿原 (北海道) | 7,863 ha | 1980年 6月17日登録 | |
伊豆沼・内沼 (宮城県) | 559 ha | 1985年 9月13日登録 | |
クッチャロ湖 (北海道) | 1,607 ha | 1989年 7月 6日登録 | |
ウトナイ湖 (北海道) | 510 ha | 1991年12月12日登録 | |
霧多布湿原 (北海道) | 2,504 ha | 1993年 6月10日登録 | |
厚岸湖・別寒辺牛湿原 (北海道) | 4,896 ha | 同 上 | |
谷津干潟 (千葉県) | 40 ha | 同 上 | |
片野鴨池 (石川県) | 10 ha | 同 上 | |
琵琶湖 (滋賀県) | 65,602 ha | 同 上 | |
佐潟 (新潟県) | 76 ha | 1997年 3月23日登録 | |
漫湖 (沖縄県) | 58 ha | 1999年 5月15日登録 |
過去の締約国会議
締約国は3年ごとに締約国会議を開催し、条約の実施等について協議する。これまでに開催された締約国会議の概要は以下のとおり。
第1回 1980年 | イタリア・カリアリ | 11月24日 | 〜 | 11月29日 | ||
第2回 1984年 | オランダ・フローニンヘン | 5月 7日 | 〜 | 12日 | ||
第3回 1987年 | カナダ・レジャイナ | 5月28日 | 〜 | 6月 3日 | ||
第4回 1990年 | スイス・モントレー | 6月27日 | 〜 | 7月 4日 | ||
第5回 1993年 | 日本・釧路 | 6月 9日 | 〜 | 16日 | ||
第6回 1996年 | オーストラリア・ブリズベン | 3月18日 | 〜 | 27日 | ||
第7回 1999年 | コスタリカ・サンホセ | 5月10日 | 〜 | 18日 | ||
( | 第8回 2002年 | スペイン・ヴァレンシア | 11月18日 | 〜 | 26日 | (予定)) |
国際的に重要な湿地の登録基準
1999年に開催された第7回締約国会議において、湿地の登録基準の見直しが行われ、水鳥や魚類を用いた従来の基準のほかに、生物地理区分上代表的な湿地等を含む新たな枠組みが決定された。