II ダイオキシン類による人の暴露実態調査について


 環境中のダイオキシン類による暴露状況を把握するために、環境省等の政府機関及び地方公共団体が行った平成11年度における各種環境媒体等の調査結果を解析し、人の経路別暴露量、個人の総暴露量の推計等を行った。 
 
1. 人の経路別暴露量の推計
(1) 各種環境媒体等の調査結果の整理
@) 一般環境中でのダイオキシン類の存在状況は、次のとおりであった。
ア. 大気:0.0065〜1.5pg-TEQ/m3(n=690、算術平均値0.21pg-TEQ/m3)
イ. 土壌:0〜180pg-TEQ/g(n=811、算術平均値6.1pg-TEQ/g)
ウ. 底質:0.00081〜720pg-TEQ/g(n=814、算術平均値8.2pg-TEQ/g)
エ. 水質:0.0097〜2600pg-TEQ/L(n=881、算術平均値3.6pg-TEQ/L)
オ. 地下水:0〜0.55pg-TEQ/L(n=374、算術平均値0.10pg-TEQ/L)
A) 食事については、厚生労働省が実施した平成11年度トータルダイエットスタディの報告を中心に基礎データを整理した。個人暴露量としては1.19〜7.01 pg-TEQ/kg/day(n=16、算術平均値2.25 pg-TEQ/kg/day)の範囲であった。
 
(2) ダイオキシン類による暴露経路
   ダイオキシン類による暴露の主な経路を[1]食事、[2]大気、[3]土壌に区分し各媒体毎の算術平均値を用いて各経路別の個人暴露量を推計したところ、総暴露量は2.3pg-TEQ/kg/dayとなり、食事からの摂取が約9割を占めていた。これは、従来の推計結果と同様の傾向を示した。
 
2. 統計的解析による個人総暴露量の推計
 環境媒体中濃度及び食事からの暴露量について幾何平均値及びモンテカルロ法によりダイオキシン類の個人総暴露量を試行的に推計した。その結果、幾何平均値による推計では2.0pg-TEQ/kg/day、モンテカルロ法による推計では1.85pg-TEQ/kg/dayであった。モンテカルロ法による推計手法は欧米で報告されており、今後国際的な比較等の見地から活用を検討する必要がある。
 
3. ダイオキシン類情報源データベースの作成
   本調査において収集・整理した国内での資料について、情報源データベースを作成した。このデータベースは「調査機関」、「タイトル」、「調査媒体及び調査結果」、「検出下限値」等を収録しており、環境省のホームページ上で公開する。
 
 



 1.人の経路別暴露量の推計[PDFファイル 903KB]


 2.統計的解析による個人暴露量の推計[PDFファイル 310KB]


 3.ダイオキシン類に係る情報源データシート[PDFファイル 7KB]