[平成二・五・二四 環水土七七 各都道府県知事宛 環境庁水質保全局長通知]
改正 平三・七・三○環水土一○九 平四・一二・二一環水土一八七 平九・四・二四環水土一○○ 平一三・一二・二八環水土二三四
ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止を図るため、かねてから、ゴルフ場周辺の水質等の実態の把握を願ってきたところであるが、今般、別紙のとおり、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針を定めたので、当面、これに基づきゴルフ場の指導に当たられたい。
なお、今後とも、関係部局間の連絡を密にする等により、農薬使用の適正化について指導の徹底が図られるよう配慮されたい。
(別 紙)
ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針
(1) | 農薬使用状況等の的確な把握 水質保全の面からゴルフ場を指導する際には、これに先立って農薬の使用状況やゴルフ場内の集排水系統、排水処理施設の現状、接続する河川、利水施設等ゴルフ場周辺水域の状況等に関する実態を的確に把握することが必要であり、このため、関係行政部局、市町村、団体等の協力分担の下に、管内ゴルフ場関係者との間の連絡協議を密にして、必要な資料の収集整理に努めるものとする。 | ||||||||
(2) | 農薬流出実態の調査 ゴルフ場周辺の水域に対する水質汚濁を未然に防止する観点から、ゴルフ場から排出される水(以下「排出水」という。)に含まれる農薬の残留実態を調査し、これらの結果から所要の指導の一層の徹底を図ることとする。 このため、農薬の流出実態の調査は、排出水がゴルフ場の区域から場外の水域に流出する地点(以下「排水口」という。)において、農薬濃度が高い状態になると見込まれる時の排出水について実施することを基本とするものとする。 その際、ゴルフ場の構造等によって排水口における調査が困難な場合には、場内の調整池、排水路のほかゴルフ場下流の河川等を含め、ゴルフ場からの農薬の流出実態が適切に把握できると認められる地点において適宜行う。 また、調査の実施に当たっては、一般に使用農薬の種類や使用の時期、方法等が病害虫及び雑草の種類、発生時期等に応じて地域により多様であるほか、排出水中への農薬の流出は、農薬の種類、使用方法や現地の地形、土壌、集排水系統等の状況によって異なること等に十分留意する。 | ||||||||
(3) | 指針値及び改善措置について ゴルフ場からの排出水中の農薬濃度は、排水口において別表に掲げる値(以下「指針値」という。)を超えないこととする。 また、排水口における調査結果がこの指針値を下回る場合においても、農薬の流出を極力低減させるように努めるものとする。 排出水中の農薬濃度が指針値を超える場合には、次の措置をとるものとする。
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(4) | 地域特性等への配慮 別表の指針値は、一般的条件の下で適用すべき暫定的なものとして設定したものであり、都道府県において、ゴルフ場の立地状況や下流の利水状況等地域の実情に応じ、別途、別表の指針値にかわるより厳しい値によって所要の指導を行うことができるものである。 また、排水口以外の地点において調査が行われた場合の調査結果については、別表の指針値を基に、その地点の集水域と排水口の地点の集水域の差異等を勘案して、所要の指導を行うものとする。この場合において、下流河川等の水域における調査結果については、一般に排水が河川等の水域に流入する場合に適用されている諸基準との関係等を勘案するものとする。 | ||||||||
(5) | 分析方法 別表の排出水に係る標準分析方法は別添のとおりである。別の方法による場合は、必要な検出感度が得られるかどうか十分確認を行うこととする。 | ||||||||
(6) | 調査、指導の体制 調査及び指導に当たっては、必要に応じ、関係行政部局等の連絡協議の場を設けるとともにゴルフ場関係者の協力を求める等により、これらの円滑かつ的確な実施に遺漏のないように努めるものとする。また、ゴルフ場からの農薬の流出防止については、まずゴルフ場関係者において適切な対策が講じられることが基本であると考えられるので、ゴルフ場関係者に対し、本指針の周知徹底を図るとともに、都道府県の実情に応じ、自主的な調査、点検の実施等について指導し、所要の助言に努めるものとする。 |
(別 表)
農薬名 | 指針値(mg/L) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(※下線部が今回指針値を追加設定した農薬及びその指針値)
別添 (略)