平成14年度環境省関係税制改正の結果について


1 地球温暖化対策等の推進
 
地球温暖化対策等の推進
 
 [1]  地球温暖化対策としての環境税の具体化に向けて早急に検討。
【与党3党の「平成14年度税制改正大綱」より抜粋】
 京都議定書の目標達成を念頭においた地球温暖化対策をはじめ環境問題に対する総合的な取組みを進めるため、税制面においては、原因者負担を基本としつつ、規制等による環境対策の具体的枠組みの中での役割を踏まえながら、環境問題全般に配慮した実効性のある施策について、幅広い観点から、さらなる検討を進める。
 
【政府税制調査会「平成14年度の税制改正に関する答申」より抜粋】
 環境問題に対する税制面での対応については、国民に広く負担を求めることになる問題だけに、国民の理解と協力が得られることが不可欠である。国・地方の環境施策全体の中での税制の具体的な位置付けを踏まえ、汚染者負担の原則(PPP)に立って幅広い観点から検討していく必要がある。特に、地球温暖化問題については、京都議定書の締結に向けた国内制度の整備・構築の準備が本格化しており、このような中で、規制的手法、自主的取組み、経済的手法といった各種手法の適切な組み合わせが検討されている。当調査会としても、こうした状況を踏まえ、税制面での対応について具体的な検討を進めていくこととする。その際、既存のエネルギー関係諸税等との関係についても検討する必要がある。
[2]  一定の排出ガス性能を有する低燃費車に係る自動車取得税の課税標準の特例措置を延長。
 
[3]  低公害車及び低公害車用燃料供給設備に係る特別償却制度又は税額控除措置を延長(エネルギー需給構造改革税制)。
 
[4]  地球温暖化防止及びオゾン層保護のため、HCFC等を使用しない洗浄装置等の設備に係る特別償却制度を延長。 
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2 循環型社会形成のための取組推進
 
(1) リサイクルの推進
 
 [1]  再商品化設備等に係る特別償却制度及び廃棄物再生処理用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長するとともに、実用化のめどがついた以下の設備を対象に追加。
1) 食品循環資源のメタンガス化設備等
 2) 廃木材乾燥熱圧装置
 
[2]  廃棄物再生処理用設備に係る事業の用に供する施設に係る事業所税の課税標準の特例措置の対象に食品循環資源のメタンガス化設備を追加。
 
(2) 廃棄物処理におけるダイオキシン対策の推進
 
 平成14年12月より改正廃掃法施行令が完全施行されダイオキシン類に係る規制が強化されることから、当該規制に適合する設備の導入を促進するため以下の措置を行う。
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 産業廃棄物処理用設備のうち高温焼却装置及びばい煙処理装置に係る特別償却制度の適用期限を延長。
 
(3) その他廃棄物対策の推進
 
[1]  廃棄物の減量化に資する焼却施設の整備を促進するため、廃棄物焼却溶融施設に係る固定資産税の課税標準の軽減率を上げる措置を拡充。
 
[2]  「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づき特定周辺整備地区の指定を受けて整備される特定施設の用に供する土地等に係る特別土地保有税及び事業所税の非課税措置の適用期限を延長。
 
[3]  廃棄物処理施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長。
 
[4]  最終処分場の埋立終了後の維持管理費用の積み立て(維持管理積立金)について、積立金を損金又は必要経費に算入する制度の適用期限を延長。
 
[5]  広域臨海環境整備センターが産業廃棄物の処理等の業務の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置を延長。
 
[6]  地方自治体による産業廃棄物に係る独自の税制上の取組の動向を踏まえ、今後検討。
 
 
3 自然と共生する社会の実現 
 
自然環境の保全
 
 自然公園内の民有地における自然風景地の保全を図るため、自然公園法に「保全協定」(仮称)を位置付け、協定が締結された自然風景地に係る以下の措置を新設。
 1) 相続税負担の軽減措置
2) 特別土地保有税の非課税措置
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4 総合的環境管理の推進
 
(1) 土壌環境保全対策の推進
 
 [1]  土壌環境保全対策の制度の円滑な運用を図るための土壌環境保全基金(仮称)に対する拠出金に係る損金算入等の特例措置を新設。
 
[2]  地下水浄化施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置及び特別土地保有税の非課税措置を拡充。
 
(2)自動車の低公害化、低燃費化の促進
 
[1]  最新排出ガス規制適合車の取得に係る自動車取得税の特例措置の適用対象に平成15年規制適合車を追加。
 
[2]  一定の排出ガス性能を有する低燃費車に係る自動車取得税の課税標準の特例措置を延長(再掲)。
 
[3]  低公害車及び低公害車用燃料供給設備に係る特別償却制度又は税額控除措置を延長(エネルギー需給構造改革税制)(再掲)。
 
(3) 公害防止対策の推進
 
 [1]  以下の公害防止設備に係る特別償却措置の適用期限を延長。
 1) 窒素酸化物抑制設備
2) 指定物質(ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)の排出又は飛散の抑制に資する設備
3) ダイオキシン類排出削減装置
 
[2]  以下の公害防止設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長。
 1) 窒素酸化物抑制施設
2) ばい煙処理施設(構築物、機械、装置、高煙突)
3) 一般粉じん処理施設
4) 指定物質(ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)の排出又は飛散の抑制に資する施設
5) ダイオキシン類排出削減装置
6) 汚水処理用施設 (水質汚濁防止法の特定施設又は指定地域特定施設(瀬戸内海環境保全特別措置法及び湖沼水質保全特別措置法のみなし施設を含む。)、湖沼水質保全特別措置法の指定施設から生じる汚水の処理施設、水質汚濁防止法の有害物質により汚染された地下水を浄化するための施設)
 
 
5 その他
 
 [1]  大阪湾臨海地域開発整備法に基づく開発地区において整備される中核的施設に係る特別土地保有税の非課税措置、事業所税の非課税措置(新増設)及び課税標準の特例措置(資産割)を延長。
 
[2]  中小企業者が環境事業団から譲渡された集団設置建物に係る事業所税(資産割)の特例措置を延長。